第17話 縁は変な形で現れる、いやマジで…

第17話


何とか学校に遅刻せず、其々の教室への別れ道まで着く事が出来た。


「じゃあ、また昼に。」

「うん、またね東くん。」

「またね、貴方様。」

「───皆、行ったか。さて、と………」


彼女達と別れた俺は、面倒な気持ちを抑えながら後ろを向く。


ストーカーめ、諦めたと思ったら、また追ってきやがって………


「正体でも拝んでやるかね………」


抜き足差し足忍び足と、頑張ってスニーキングする。


こういうの、得意なんだよね………


前世でも、今世でも………


事情は其々違うんだけどね………


アリスと一緒の時の世界線の方は、出来なきゃ死ぬ可能性も合ったし………


「────マジ、か。」


ストーカーしてたの、女じゃん。


何か変に悶えてるけど、女じゃん。


もしかして、か?


否定はしないが、やり口が間違ってるだろうに………


「じゃあ、話し掛けますか………」


何か変にブツブツ言ってるから、ちょっと話し掛けるの嫌なんだけどね………


☆☆☆


で、話し掛けてみたのは良い物の………


「えっと、その、あの、あっ………」


と、滅茶苦茶テンパってる模様。


う〜ん、何か大丈夫そう………


でも、後顧の憂いはちゃんと排除しとかなきゃ酷い事になるのは、アリスと色々有ったから身に沁みている。


「少し落ち着け………は無理な話か。でも、せめて質問に答えてくれ。」


あっ、質問を質問で返す様なマヌケな真似は止めてくれよ?


テストじゃ間違いなくペケだからな?


「くっ………私は佐藤さとう 綾子あやこ!早柚の大親友よ!!」


へぇ、ここあ………早柚と同じ苗字なのか、コイツ………


────ん?


─────んん??


───────んんん???


そう言えば、コイツの顔立ちは何処かで見た様な………


この顔、この雰囲気は俺、俺達の………


「もしかして、?」

「えっ、何でお母さんの名前を!?」


はい、確定!


コイツ、とここあのひ孫だ!?


ていうか、ひ孫の代でやっと飲み物関連の名前から離れられたのね………


ちなみに、早柚の方の母親の名前はカプだ。


愛娘からカプチーノだと長いから省略したと聞いた時は、ちょっとだけここあと二人で頭を抱えたのは良い思い出である。


「頭痛くなってきた………」


コイツが親友を名乗ってるって事は、多分だが前世を思い出す前の早柚も、彼女を親友認定してるだろう。


そうだとすると、コイツ等は従姉妹同士で親友をしてる訳だ………


悪い訳じゃない、決して悪い訳じゃないのだが………


「お前、大丈夫か?友達、居るのか?イマジナリーフレンドは友達じゃないぞ?」

「にゃっ!?い、居るわよ!?よ、余計なお世話は止めてくれる!?」


あっ、居ないわコレ………


居ない奴の反応だよ、間違いなく。


勿論、ソースは俺。


────死にたくなってきた。


「はぁ、全く酷い話だ………」


前世を思い出してから、変な縁が滅茶苦茶に付き纏って来やがる………


まぁ、ひ孫なら、態度も変えなきゃな………


「俺達は昼飯を屋上で食べる。」

「えっ、急に何よ………」

「────誘ってるんだよ。今日の昼、俺達と昼飯を食べようぜ、綾子。」


続く

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