第13話 病みを繋ぐ者

第13話


「な〜んて、冗談だよ?可愛いシスタージョーク♪」

「そ、そうか………」


よ、良かった………


全く、こんな冷や汗が洪水状態になるジョークを言うなんて………


可愛いから許すけどさ………


「あ、説明しないと、本当に実行しちゃうからね、お兄ちゃん?」

「ですよね!」


だと、思ったよ!!!


全く、上げて落とすなんて誰から習ったのかな………


「東くんだと思う。」

「貴方様だと思う。」

「お兄ちゃんだよ。」


そ、そうか……


────なんだろう、胸が痛いや。


ていうか、ナチュラルに俺の心を読んでくるね、君達………


「東くんだし………」

「貴方様、理解わかりやすい。」

「サトリ妖怪じゃなくても簡単に読めるレベルだよ。」


そっか………なら、しょうがないね。


「まぁ、良い。で、ここあが誰なのかと言うとな………」


────マジでどう言おう。


最近友達になったって言おうか?


「何悩んでるの?この雌猫、別に友達とかじゃないんでしょ?そもそも、お兄ちゃんは友達作れない人だし………」


失礼な!?


アリスも頷くな!?


ここあは苦笑いして、目を逸らすなよ!?


居るもん、俺にも友達くらい居るもん!


────悲しくなってきた。


もう泣いても良いよね、パトラッシュ………


「全部、話そう?もし、嘘を話したら、本当に刺すからね?刺して、私も死ぬからね?」


むぅ、それは嫌だな………


義妹が死んじゃうのが特に………


理解わかった。実は………」


☆☆☆


昨日を含めて、俺に起きた事を全て話した。


ラブホテルでの事は隠そうとしたのだが、その瞬間………


「隠さず話してね♡」


と、胸に包丁を突き付けられたので、細かく話したのだが………


「殺す。必ず、殺す。絶対、殺す。殺しても、殺してやる。」

「やめろ!落ち着け、朱里!!」

「もう、何で邪魔するの!!??どいて、お兄ちゃん!ソイツ、殺せない!!!」


と、殺すbotになった義妹を必死に抑えるハメになった。


ここあは恥ずかしそに照れ笑いをし………


アリスに至っては………


「これが脳破壊、か………うん、良い感覚かも。」


それは多分、開いちゃいけない扉だ。


「────ちっ、まぁ、良いわ。、見逃してあげる。」


やっと、落ち着いたのか、朱里は包丁懐へとしまう。


そして、頭を抑えながら………


「はぁ、酷い話だよ。キスしたら、前世の記憶が蘇った?何処のラノベなのって話だよ、全く………」


い、言い返せない………


正論パンチ過ぎて、ノックアウト寸前だ。


でも、そうとしか言い様が無いしなぁ………


「────でも、信じるよ。」

「信じてくれるのか、朱里?」

「勿論、お兄ちゃんが嘘を言ってないのは解るしね♪」


はは、それだけで信じてくれるのか………


例え、荒唐無稽で、そういう妄想かよってツッコミたくなる様な事実でもか………


どうやら、俺はとても良い義妹を家族に持った様だ。


自慢の義妹だよ、全く………


「じゃあ、さ。お兄ちゃん………」

「ん?何だ、朱里?」


急にモジモジし始める朱里。


あれ、何か嫌な予感が………


「私にキスして、お兄ちゃ───」

「それは駄目だよ、朱里ちゃん?」

「駄目、させない。」


勢いよく飛び込もうとした朱里を、首尾よく制圧する二人。


どうやら、朱里がこう動く事を予測済みだったらしい。


しかし、助かった。


流石に義妹とはいえ、妹相手にキスをするのはなぁ………


「合法、合法だよ、お兄ちゃん!」

「いや、普通に倫理観がブレーキしてくるから、ちょっと………」


何か俺が言っちゃいけない事を言ってる気はするが………


───気の所為だな、うん!


続く

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