第12話 病みを継ぐ者

第12話


「此処が、東くんと元幼馴染ちゃんのハウスね!」

「いや、違うからね。俺の家で、母さんや義妹、飼い猫の家だから………」


ちなみに、アリス和泉の家は隣である。


部屋も窓を挟んで隣り合ってるので、危険な方法ではあるが、窓を開けて渡り!合う事も出来るのだ。


まぁ、昔はそれを良くやって怒られていたのだが………


「ただいま。」

「おかえりなさい、東くん♪」

「おかえりなさいませ、貴方様♪」

「いや、お前達も一緒に入っただろ………」


まぁ、久し振りにやりたかったのは理解わかるけどさ………


「ふふ、懐かしいわね♪最後ら辺はこんなやり取りすら出来なかったもの………」

「だね。それに、あの時は流行り病で、彼が私と息子や娘達を残して早死したし………」


すみません、本当にすみません!!!


ていうか、何で俺は死んでるんだよ!!!


どっちの前世でも、妻を置いて先に逝ってるじゃねぇか!!!


「さ、さぁ、俺の話は置いておいて、早く俺の部屋へ行こうぜ………」

「そうだね………」

「賛成………」


少し暗くなった空気(自爆)に耐えつつ、俺の部屋へと案内する。


そして、ドアを開けると………


「ムニャムニャ、お兄ちゃん大好き………」


女の子が眠っていた。


下半身が無防備で、布切れ一枚パンツしか装備できていない状態でだ。


「…………」


一度閉め、再び開ける。


「ムニャムニャ、お兄ちゃん大好き………」


────やはり、居た。


現実はどうやら残酷である様だ。


そして、その光景を俺と一緒に見たここあはというと………


「ねぇ、東くん生ゴミ?あの女の子は誰なのかな?かな?」


と、物凄い力で肩を掴み、詰問してくる。


「い、痛い!痛い痛い痛い!!あ、アイツは俺のい────」

「アレは私の義妹。つまり、偽幼馴染の義妹でもある。」


いや、確かに理屈は合ってる。


合ってるが、まだそうじゃないだろ。


そうなるまでは、いくらお前でも渡さんぞ?


「えっ、そうなの?」

「あ、ああ、俺の義妹だ………」


そう告げると同時に、肩の痛みが無くなる。


そして、態度をまるっきり反転させ………


「ねぇ、ねぇねぇ、この子、何て名前なの?可愛いね、何歳?」


態度変わりすぎだろ、別に良いけども………


「阿澄 朱里あかりだ。今は中3の14歳だな。」

「へぇ、受験生なのか………高校は何処に行くか聞いてるの?」

「ん?確か………俺達と同じ高校って聞いてるぞ。」

「やった!なら、私達で可愛がってあげないとね♪」

「同意、今から楽しみ。」

「お、お手柔らかにな………」


ぶっちゃけ、嫌な予感しかしない。


「ううぅ………あれ、お兄ちゃん?」


ん?


何だ、起きちゃったのか朱───


「ぐはっ!?」

「お兄ちゃん、お帰り♪」


だ、ダイナミックなお出迎え、どうも………


ダイナミック過ぎて、スフィア合成獣の気分だよ、俺………


「でもね、1つ聞きたい事があるの………」

「な、何だ、朱里?」


嫌な予感がするなぁ………


最近多いなぁ、こういうの………


「義姉を騙る幼馴染はこの際良いとして、隣の雌猫は誰?ちゃんと答えないと………」

「ちゃ、ちゃんと答えないと………?」


何処からか取り出した包丁らしき物を見せながら、義妹は可愛いくて怖い笑顔でこう告げた。


「刺した上で、八宝菜を食べさせちゃうからね♡」


ぼ、某CDの妹ちゃんかな?


続く

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