第11話 起きたら変な奴Aが現れた

第11話


「ふわっ、あ、あれ?………いや、マジであれ?」


懐かしい夢から覚めると、誰も居なかった。


時計を見ると、もう全ての授業が終わって、HRすら終わってる時間だ。


何で誰も起こしてくれないんだ………


アリス………和泉が同じクラスだったら、何時も起こしてくれたんだがなぁ………


前世だとメイドしてたから、今世でもその名残や残滓がそういう行動を取らせてたのだろうか?


────まぁ、そんなくだらない事は考えるのを止めて、二人の所へ行くか。


ほっといたら、変な煽り合いしそうだしな、あの二人………


「痛ててて、変な寝方したな、コレ………」


自業自得な痛みを感じつつ、二人のクラスの方へと向かう。


すると、前に見覚えのある男子が居る。


何か視線を感じるが、気の所為だと思って避けようとするのだが………


「おい。」

「ん?俺か?」

「お前以外誰が居るんだ?」

「いや、そういう感じ………能力の人かな、って………」

「どういう能力だよ!?ていうか、何が見えてる前提なんだ!?」


おお、ナイスツッコミ………


ていうか、マジで誰だコイツ?


何か見た事がある様な気が、さっきからずっとしてはいるんだが………


「あっ、昼に叫んでた奴だ!」


確か、ここあの今の幼馴染だ。


何で、俺に………とは言えないな、うん。


────多分、俺でもそう動くよ、うん。


「はぁ………改めて。お前、何の用だ?」

「お前、早柚に何をした?」


まぁ、気になるよな………


今ままで親しかった幼馴染が、接点も無かった様な奴と急に仲良くし始めたんだ。


何かあったかと疑い、心配するのは当然の反応だ。


当然の反応なのだが………


「お前に答える義理はあるのか?」


────俺の知った事か。


もう、ここあは俺の物だ。


例え、思い出す前の彼女を支えていたのが目の前の男だとしても………


その時の彼女の想い人がコイツだった可能性があるのだとしても………


には全く関係のない事柄でしかない。


「なっ、お前!?」

「お前が何を思い、何をしたいのかは知らないし、どうでも良い。だがな………」


真っ直ぐに奴を見つめ、奴へと宣言する。


これは俺の覚悟の宣誓、この野郎への宣戦布告だ。


「俺達の邪魔をしたら、何をしてでもお前に地獄を見せてやる!!」


そう言い残し、立ち去っていく。


以外にも、アイツは何も言わなかった。


黙って、立ち尽くすしか出来ないみたいだ。


はっ、情けねぇな………


そんなんで、俺達を邪魔しようとしたってのかよ………


────────ああ、本当に反吐が出る。


「で、何時から見てたんだ?」


彼から少し離れた後、誰も居ない方へと話しかける。


すると、其処から………


「やっぱり、バレてたんだ………」

「貴方様、流石。」

「バレバレだ、お前ら。あの野郎は気が付いてなかったみたいだが、少しだけ物音が漏れてたし、スカートの端が見え隠れしてた。」


ここあに至っちゃ、某海賊の非常食みたいな隠れ方してたのをアリスがフォローしてたからな………


いや、マジで何してるんだ、お前?


今度、隠れ方でも教えてやるか………


「ありがとうね、東くん。」

「ん………何がだ?」

「ふふ、少し言いたかっただけ♪」

「何じゃそりゃ………?」

「むぅ、ズルい………」

「なら、貴方もそういうの用意したら?」

「────その手があった!」

「止めてくれ、マジで。」


多分、それを相手するのは俺ですよね?


面倒なのはゴメンだ。


さっきのも、かなりキツかった。


恥ずかしくて、死にそうなのを必死で我慢してるんだよ………


「────言っとくが、アレは全部本音だからな。」

「ふふ、知ってる。」

「貴方様、私は?私、入ってる?」

「当然だ。」


何を当たり前の事を………


────だって、お前アリスコイツここあも、全員が俺の物なのだから。


続く

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