第6話 Q幼馴染とシン・幼馴染の邂逅

第6話


「和泉ちゃん、大復活!」

「そりゃ、良かったな。最も、俺の上に乗った上でそれを言ってなければ、もっと祝えたんだがな………」


ていうかさ、もっと乗る所も考えようよ。


今、朝。


俺の息子、勃っちゃってるの。


生理現象だからしょうがないんだけどさ、変な乗り方されてるせいで痛いのよ、此方。


「むぅ、何か弱い………もう少しご立派だった様な………」


聞きたくない。


何となく理解わかるけど、理解わかりたくないよ、和泉………


「まさか………いや、無い…………でも、そんな訳……………」


和泉はどうやら何かを考えている様だ。


まぁ、別にどうでも良いんだよ、それはさ。


────でも、早く退いてくれない?


流石に重っ────


「ぐはっ!?」

「私は軽い、OK?」

「はい、軽いです!ちゃんと食べてるか心配になる位には軽いです!!」

「うん、ありがとう飛鳥。」


ふぅ、死ぬかと思った………


コイツ、躊躇なく俺の腹に拳を撃ち込んで来やがった………


気絶しそうな位の威圧も込めてだ………


何で俺の幼馴染はこうなのだろうか?


もう少し、お淑やかな娘は居ないのだろか?


えっ、居ない?


────知ってるよ、


☆☆☆


「ねぇ、ダルいの。だから、私を背負って連れてって。」


登校中、いきなり和泉がこんな事を言い出した。


まぁ、何時もの事だ。


だから、何時もの様に………


「嫌だ、歩け。」

「ケチ。」

「ケチで結構。」

「ケチ、バカ、童貞。」

「童貞ではッ、お前言っていい事と悪い事があるからな!!」


ヤベッ、もう卒業した事を言いそうになっちまった………


隠す理由も無いが、何か隠しておいた方が良い気がするのだ。


いや、マジで何でだろうな………


「………………………………………………」


何故か、和泉は黙ってしまった。


そして、何故か俺の腕に抱き着く。


あの………柔らかいです…………本当にありがとうございます……………


って、違う!!


「歩きづらいからやめてくれる?」

「嫌。」

「────理解わかった。でも、学校の近くに来たら、離れろよ?」

「うん。」


全く、何を考えているのやら………


やはり、何年過ごしても、前世の記憶を思い出したとしても………


─────俺には女心というのは理解できない物らしい。


「へぇ、良いご身分だね、飛鳥くん生ゴミ?」


ひっ!?


こ、この声は………


知ってるし、識ってる声だ。


だからこそ、振り向きたくない。


聞こえないフリをして、早く立ち去りたい。


「貴方、何?」


ですよね〜


間違いなく、和泉は反応しちゃうよね〜


はぁ、覚悟を決めよう。


精々、胃とメンタルが致命傷をおって、死にそうになるだけだ。


────駄目ですね、うん。


「ふふ、貴方には言ってないわよ、はね。」


やはり、そこにはここあ早柚が立っていた。


そして、その答えに和泉は………


「ふ〜ん、そう。」


静かにそう答えた。


但し、強く鋭い眼光と一緒に………


そして、睨み合う二人。


そんな光景に、俺は思わず黒い光の衝突を幻視してしまう。


半端な覚悟じゃ、意識を保つ事すら許されない様な光景だ。


今の内に、俺は………


「飛鳥、逃げない。」

「飛鳥くん、理解わかってるよね?」

「うぅ………はい。」


知らなかったのか、幼馴染からは逃げられない。


逃げ道、無くなっちゃったなぁ………


「改めて、聞く。貴方、何?」

「私、私ですか?あはっ、それは簡単な答えですよ。簡単で、たった1つの、シンプルな答えです。」


ここあ早柚は怪しく、妖艶で嘲笑うかの様な笑みを向け、堂々と宣言した。


「私こそが幼馴染で、彼のお嫁さんです♪」


新時代を、未来を切り開く1号の様に、彼女はそう告げたのだ。


続く

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