第5話 過去と今
第5話
「えっと、その………」
「どうしたの?何か言い難い事でもあるのかな?かな?」
お前の!その顔が!!怖くて!!!言い難いんだ!!!!
何で、怒った女の子の顔って、こんなにも怖いんだろうね?
下手したら失禁物だよ、コレ?
「早く答えろ。」
「はい!彼女は今の俺である飛鳥の幼馴染の女の子、井伊 和泉であります!」
素直に答えた。
答えないと、マジでここあに殺されそうだったからだ。
というか、気を失いかけた。
威圧ってこんな事まで出来るんだな………
「へぇ、どんな娘?」
「どんな娘?そりゃ、可愛くて………」
「可愛いい?へぇ、可愛いんだ〜?」
はっ、しまった!?
コイツの前でそんな事を言ってしまった!?
でも、今の記憶もある俺からしたら、それも本音なんだよなぁ………
ぶっちゃけ、前世の記憶が戻る前の俺は、和泉に惹かれてる所があったからな………
それが記憶が戻る事によって、曖昧になってしまったし………
「こんな娘が今の幼馴染なんだ………」
「いや、ごめん、ここあ………」
思わず、謝ってしまう。
すると、ここあは少し考える様な素振りを見せた後………
「ふふっ、謝らなくても良いのよ、飛鳥。」
「へっ………?」
「この娘が今の幼馴染なんでしょ?なら、別に私は良いわよ?」
「えっ、大丈夫なのか?」
「勿論。よくよく考えれば、もう私の方がリードしてる物ね。出会って一日も経ってない私に。」
いや、前世はではほぼ一生の付き合いだったろ、俺達………
まぁ、今世から見たら、その通りではあるのだが………
「ねぇ、飛鳥は今何処の高校に通ってるの?近所の〇〇高校?」
「あっ、ああ。其処なんだが………」
「やった♪私も其処なんだ♪なら、色々と出来るわね♪」
「なっ、何がでしょうか………?」
思わず、下手に訪ねてしまう。
かなり、嫌な予感しかしないんだが………
「何って、簡単な話だよ、東くん?」
彼女はそう告げてから、俺の唇を奪う。
そして、妖艶な笑みを浮かべて、こう宣言した。
「宣戦布告だよ、君のシン・幼馴染に対してね♪」
☆☆☆
ここあ(早柚)side
「まさか、東くんに会えるとはねぇ………」
いや、今は飛鳥くんなんだっけ?
細かい事は良いとして、奇跡というのはこの事を言うのだろう。
この世界で、再び出会えた。
今回は幼馴染になれなかった(シン・幼馴染のせいだね)けど、再び繋がったのだ。
あの忌々しくて、悍ましい出来事を塗り替える様に、今回は彼に処女も捧げられた。
────もう、何も言う事はない。
ああ、でも何か言う事があるのなら………
「ふふ、精々今だけは幼馴染面してると良いよ、和泉ちゃんとやら。」
でも、其処は私だけの場所だ。
だから、
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます