第4話 久し振りな初めまして

第4話


入った。


入ってしまった。


入らずを得なかった。


拝啓、お母さん。我が義妹、飼い猫よ。


今世の俺は、今日この日、童貞を卒業しました。


「ごめん、東くん………」

「嫌、まぁ、ちゃんと拒否らなかった俺も悪いし気にするなよ、ここあ………」


そして、現在進行系で賢者モードに苛まれてるここあを慰めている最中である。


「でも、ありがとうね。わ、私の………」

「前世で何回もやってるのに、初心過ぎるだろ、お前………」

「だって、だってぇ、やっと夢が叶えられたんだよ?」

「────そうだな、確かにそうだ。」


ここあは昔、見知らぬ男にレイプされた。


強引に純潔を穢され、無理矢理に処女を散らされたのだ。


俺は………彼女を…………


「大丈夫だよ、東くん。」

「ここあ………」

「君はそんな汚れた私を愛してくれた。今回はちゃんと処女を貰ってくれた。だから、そんな顔をしないで?ほら、スマイル♪」


ああ、変わらない。


見た目は変わっていても、ここあはやっぱりここあだ。


「俺もありがとう、ここあ。俺はお前と再び出会えて幸せだ。」


☆☆☆


「まぁ、色々と先にやっちまったが、改めて自己紹介するか。」

「えっ、何で?」

「いや、今はお互いに姿形や名前は違う訳だろ?そこら辺をちゃんと示し合わせとかないと、色々面倒が起きそうだからな。」


そう諭すと、彼女は元気よく手を挙げる。


その時に胸も思い切り揺れたせいで、目がそっちに行きかけたのはナイショだな………


「私は佐藤さとう 早柚さゆ。前世は東くんのお嫁さんな佐藤 ここあです♪」

「俺は阿澄 飛鳥。前世はここあの夫な西野にしの 東だ。」


お互いにそう告げ、笑い合う。


凄い変な感じだな、コレ………


違和感が凄いぞ、全く………


ていうか………


「お前、子孫に生まれ変わったのか?」

「多分。お婆ちゃんの名前が娘の名前だった覚えあるから。」

「そうか、俺達の娘がお婆ちゃんになってるのか………」


凄い複雑な状況だな………


「こちとら孫が小学生になる頃に死んだってのに、何だかなぁ………」

「長生きだよね、置いていった誰かさんと違ってさ?」

「それを言わないでくれ、死にたくなる。」

「やっ!それはやっ!また、私を置いて死んだら、呪うよ?」

「ひっ、すみません!!もう二度と、先に死にません!!だから、許してください!!!」


コイツ、間違いなく本気ガチだった!


これ、また先に逝ったら、来世で凄い呪いを本当に背負わされそうだな………


「………そろそろ帰るけど、お前はどうする?」

「本当は泊まって朝まで寝かさないで欲しいけど、無理だよね。私も帰るとするよ。」

「解った。家、何処だ?送っていくつもりなんだが………」

「良いの?ありがとう♪あっ、ついでにRainも交換しよう!」

「おう、勝手にやっててくれ。」

「相変わらず普通に渡してくるね、スマホ。私だから良いけど、他の人にはやらない様にね?」

「分かってるって………」


────あれ?


そういや、コイツ以外にも………


「ふふ、ふふふふ………」

「ここあ!?」


いきなり、彼女が笑い出す。


物凄い怖いタイプの笑みだ。


彼処まで怖い笑みは、昔に変な後輩が俺を奪おうとしてきた時に見た以来だ。


あの時も、確か浮気を偽装しやがったせいで修羅場に………


────まさか!?


「このツーショット写真、何?隣の子、誰なのかな?かな?」


はい、修羅場確定。


俺、多分ここあより先に死んじゃうわ。


ここあの手によって………


続く

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