パーティ結成
『一先ず、部屋に入ってください。じゃないと、まともに会話もできません』
高潔と言われているエルフが部屋へと招待したことに驚愕しつつ、リンは三回ノックをしてから入った。
「どうぞ。こちらの椅子に座ってください」
中にいた白髪で、スカイブルーの瞳を持った少女は、リンを椅子へと誘った。
「見苦しい格好ですみません」
「いや、別に………」
少女の姿は、起きたばかりなのかパジャマ姿で、リンからしてみると見苦しいと言うほどの格好ではなかった。
「さて、なにから始めましょうか………」
「取り敢えず、自己紹介からしね?」
「そうですね」
ということで、少女がベットに腰掛け、お互い向かい合って自己紹介することになった。
「私の名前はメロ・スカイクローです。Cランクで15歳ですね」
「俺はリン・メイルト。Dランクで15歳だな」
お互い自己紹介をして、メロはある部分が気になった。
「………同じ歳なんですね」
「まあ、そうだな………」
まあ、だからなんだという話だが。たとえ同じ歳でも、女の子は面倒なものだ。
「一先ず、今後の話の前にパーティの話しをしましょう」
「わかった」
「では、あなたが前衛で、私が後衛で大丈夫でしょうか?」
リンが前衛。一応リンは高速アタッカーの部類に入るので、前衛でも問題はなかった。
「ああ、それで大丈夫だ」
という感じで、話し合いはスムーズに進んで行った。
「ちなみに、使える魔法とスキルはなんでしょう?私は広範囲魔法と遠距離魔法、それと障壁魔法を使えますね。あとは市販の魔法です」
「俺は市販の魔法と、昇華魔法が二種類だな………」
「身体強化じゃなくて昇華………」
リンがさり気なく言った魔法に、メロは驚愕していた。
「スキルは、そうだな………未来視と、アイテム収納と、自動再生のスキルがある」
「………バグからかなにかですか?」
正直に伝えただけなのに、メロは何故かドン引きしている。
「まあ、いいでしょう。今日はお試しなので、迷宮の手前くらいまでで大丈夫ですか?」
「ああ。迷宮の手前までは行ったことなかったからな。丁度いい」
こうして、リンは人生初のパーティを組むことになった。
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