1-13 Girlfriend Of Disaster
「志織さん!!」
突然聞こえた声に、笹平は一瞬心臓が止まる感覚がした。東京にいるハズじゃ……?
「みっ……澪さん!?」
と声を上げた少女の隣で、かつて彼女に頬を叩かれた少年はその名前を初めて知る。
「流雫は……!?」
「未だ教会に……!」
と、澪の問いに答えた笹平に、セミロングヘアの少女は唇を噛む。……彼女の一報から2時間半が経っている。
「流雫……!」
と東京から来たばかりの少女が漏らした名前に、笹平は
「銃声が聞こえて、走っていったんです……!」
とだけ告げる。澪は目を見開き、
「!……バカ……!!」
と声を上げた。
……太陽騎士団の教会だから。澪はそう思った。正義感が強いのか、好奇心が褒められない程度に旺盛なのか。……そのどっちもか。澪は一呼吸ついて言った。
「……志織さん、一つだけ頼みが……」
「何か?」
と云った恋人の同級生に、澪は
「これ、預かっててほしいんです」
と言って鞄を預け、中からシルバーの銃身を取り出す。
「えっ……!?」
笹平が声を上げた。それって……!?
その隣から
「無茶だ!!」
と黒薙が言った。流雫も流雫だが、澪と言うこの少女も大概無謀なことを企んでいる。しかし、澪は黒薙と目を合わせず
「……あたしは、疫病神の恋人ですから」
とだけ言って、コートを脱ぐ。冷気がセーラー服ごと全身を包み、頭をクリアにする。
……初対面の時、黒薙が流雫を疫病神だと言ったことを澪は覚えていた。しかし、流雫は疫病神じゃない。悪魔だった。あたしにとっての、メフィストフェレス。
何時だって一緒で、死後あたしの魂を永遠に支配する存在。地獄の深淵に突き落とされても、一緒なら怖くないし寧ろ本望……とさえ思えるほどに。病んでいると言われても否定しない。
ただ、流雫はあたしのために何時だって必死で、だからあたしは、絶対に流雫を見捨てない。
「……流雫」
と呟いた少女は、ヤジ馬が押し寄せるエントランスへ向かう。
警察官のバリケードは突破され、ヤジ馬は礼拝堂の入り口前に屯している。あの奥に流雫がいる……?
ヤジ馬は、同じ学校の生徒を心配する様子は無い。寧ろ、この展開がどう面白く転ぶのか、デスゲームを見るギャラリーと化している。
それに苛立った澪は、しかしこの膠着状態を動かすにはこの怒りを上手く使うしか無い、と思った。息を深く吸って、声を上げる。
「……テロはエンタメじゃない!!」
……そう。これは、人の生き死にが掛かったテロ。エンターテイメントなんかじゃない。
「何だ!?」
何人かの高校生は、その声に振り向く。セミロングヘアの少女が腕を組んで立っている。手を腋の下に当てているのは、銃を隠しているからだった。
「誰だてめぇ!!」
と、この建物の隣に建つ高校の生徒が声を上げたことで、特殊武装隊の背後が俄に騒がしくなる。
しかし、突然現れた女子高生に睨みを利かせる生徒は、澪の眼中に無い。目に映るのは、特殊武装隊の頭の隙間から見える流雫だけだった。
「テロはエンタメじゃない!!」
その声に、流雫は目を見開き、全身が痺れる感覚を覚える。あの声、聞き間違えるハズが無い……しかし、どうして!?
「何が起きてる?」
銃を持った男の後ろからそう言った中年の男は、懐から銃を取り出す。大口径のそれには、やはりと云うべきかホログラムシールが貼られていない。
他の2人も、正体不明の声に怪訝な表情を浮かべる。そして、エントランスから聞こえてきた
「誰だてめぇ!!」
の怒号にも怯まない少女の頭が、特殊武装隊の頭と頭の間から見えた。
……間違い無く、澪だった。一瞬、最愛の少女と目が合った。澪は咄嗟に
「流雫ぁっ!!」
と叫ぶ。その声に、全員が一瞬怯む。その隙に、少女は武装隊の足の隙間から、自分の銃を床を這うように投げた。
シルバーの銃身が、僅かにスピンしながら磨かれたタイルを滑り、転がっていた流雫の銃を弾く。そして、弾かれたガンメタリックの銃身は、スピンしながら流雫の左足に向かってきた。
僅か数秒で、一気に事が動いた。それに誰より早く反応したのは流雫だった。転けんばかりに前のめりになり、左手で銃身を掴んだ少年は、反対の手を床に突いてターンする。上半身を起こしたM字開脚に体勢を変えると同時に、銃を構えた。
その瞬間、銃を持った2人の犯人に一瞬の隙が生まれた。シルバーヘアの少年と云う盾を失った男たちに、5人の特殊武装隊は自動小銃を向け、一斉に引き金を引いた。十数発もの銃弾が、2人の胴体に穴を開ける。流雫はその瞬間を目の当たりにし、顔を歪めながらも残った男に目を向ける。
「よくも……!!」
男は怒りに満ちた目で睨み、銃口を向ける。ついに、人質を装った犯人の一味だと本性を公に現した。
それが捉えていたのは、手下を射殺した特殊武装隊ではなく、流雫……でもなく、その後ろで屈んでいる少女だった。流雫の頭より僅かに上の延長……。
少年の指が、躊躇うこと無く動いた。
小さな銃声が4回、リズミカルに響く。ネイビーのスラックスに赤黒い染みが拡がり、
「ぐっぅっ……!」
と呻きながら前屈みになった瞬間、隊員2人が動いた。手早く男を床に押さえ付け、手錠を掛ける。
「はぁぁぁ……」
と、流雫は深く、安堵の溜め息をついた。
その瞬間、血塗れの人質の隣で気絶していた男が目を覚ました。
「くそっ!」
と声を上げ、栄養ドリンクの瓶をリーダー格の足下に叩き付ける。
「逃げ……!!」
目を見開いた流雫の叫び声を遮って、瓶が割れる音が耳を貫いた。破片が散乱し、同時に炎が柱のように上がり、男の血染めのスラックスの化学繊維に引火した。火災報知機が鳴り響き、スプリンクラーが水を噴射するも、火は収まらない。
「逃げろぉっ!!」
と叫びながら、屯していたヤジ馬は外へ一目散に避難する。
流雫は隣に転がっていた澪の銃を手にすると立ち上がり、
「澪っ!!走れっ!!」
と叫ぶ。
「流雫!!」
と呼び返した少女は、その1人分前を走り、ついに雪が降り続ける外に飛び出した。
「うわっ!」
2時間前よりも更に積もった雪に足を取られ、盛大に転ける流雫。その声に澪は
「流雫!?」
と呼びながら、後ろを振り向く。流雫は手落とした銃を放置したまま、ゆっくり立ち上がり、今走ってきた方向へ身体を向ける。
手にこびり付いた雪が、溶けながら急速に少年の体温を奪っていく中で、アンバーとライトブルーのオッドアイの瞳は、黒煙を吐き出す無機質な教会をただ見つめていた。
1組の男女が教会から飛び出すのを、少し離れた場所で事態を見守っていた少年は、奥歯を軋ませた。2人の無事に安堵できないほど、目障りなことが有る。
「黒薙くん……!?」
その様子に気付いた笹平が名を呼ぶも、彼はただ遠目に2人を見つめるだけで何も言わない。
その2人の後ろに屯していたヤジ馬は、事が収束に向かうと判ると散っていく。
「テロはエンタメじゃない、だとさ」
「怖い怖い。おっかねえ女だこと」
「しかし、あれ混血の女だろ?しかも制服、こっちじゃ見ないやつな」
「何処で引っ掛けたんだか。欅平は死んだからポイッてか」
そう言いながら黒薙と笹平に向かってくる2人の男子生徒。別のクラスの奴か。擦れ違い様に
「お前もそう思うだろ?」
と、1人が僅かに黒薙の方を向いて問う。
「別に」
とだけ答えた相手に、面白くないと云う表情を露骨に見せ付けながら、2人組は去っていく。
……テロはエンタメじゃない。カッコつけたいのではなく、遭遇したことが有るからこそ言える言葉。ただ、何が何でも見世物扱いしたい連中には通じない。
1年前の教会爆破に遭遇し、宇奈月の手当の世話になったことは、とっくに忘れているらしい。喉元過ぎれば何とやら……か。黒薙はそう思いながら、隣の同級生に
「……俺は帰る」
と言った。笹平は
「えっ?」
と彼に顔を向ける。黒薙は顔を合わせず踵を返すと
「……脳天気なヤジ馬を見てたから、吐き気がしてな」
と言って、4年来の同級生から離れた。
……今の宇奈月に、自分は誰より相応しくない。河月でやれることは、悪態をつくことだけだ。2人を慰めるようなことは、笹平に押し付けていればいい。
しかしそれも、あと1年で……。
……最愛の少年が、今何を思っているのか。自分が無事だったことより、教会で見聞きしたことが気になっているのか。いや、何故澪が河月にいるのかの疑問と、同時に澪が無事と云う安堵か。
「……バカ……!」
その小さな声に、少しだけ振り返った流雫に澪は抱きついた。
「怖かったんだから……。流雫が、死ぬんじゃないか……」
そう囁くような声を絞り出す少女は、視界を滲ませて彼の胸元に顔を埋める。心臓の鼓動が少しだけ大きく早いのが、ブレザー越しにも判る。
「流雫……生きてる……」
詰まらせた声で囁く澪の頭に、流雫は触れて囁く。
「サンキュ……澪……」
澪がいたから、事態が急転して助かった。もしあのままなら、あと1時間でも2時間でも膠着状態は続いていただろう。
……細い身体に抱きつく澪の細い腕に、力が入る。その少しの痛みが、自分が生きていることを確かに刻み付けていく。
そして、今澪が抱いて泣いているのは、そもそも僕が教会で何が起きているのか気になったからだ、と流雫は思った。気にしなければ、人質にもならなくて済んで、澪が泣かなくて済んだ。それは僕の大きな過ち……。
そう思った流雫と澪に近付く女子高生は
「宇奈月くん……澪さん……」
と2人の名を呼んだ。その声に流雫からゆっくり離れ、手で目蓋を擦った澪に、声の主は
「……無事で、ほっとしました」
と言い、澪から預かっていた鞄とコートを返す。
「ありがと……志織さん」
とだけ言った澪は、同級生の声に反応しない流雫の肩にコートを掛ける。
「いいよ……澪が風邪引く」
と言った恋人に、
「流雫が風邪引くのもやだ」
と言って譲らない。
その光景は、笹平にとっては微笑ましかった。あの日自分と一緒にいた美桜を失った同級生は、東京の恋人と出逢って、普段学校で見せることが無い……本来の表情を見せている。
しかし、彼が唯一心を開いているのが地元河月の同級生ではなく、東京に住む少女であることに、笹平は無力感を抱えていた。流雫に好意を寄せているワケではないが、学級委員長を任されている身として、やはり引っ掛かる。
警察官と特殊武装隊が、2人に近寄る。今から、取調が待っている。流雫は人質だったから、詳細を話させられることだろう。最後に
「……ありがと、志織さん」
とだけ言った澪と、無言のままだった流雫は警察車両に乗せられる。
……シルバーヘアの同級生は普段から無口だったが、笹平には何も言わなかった。簡単な礼すら言えないのは、恐らくあの2時間超の空白が頭を埋め尽くしているからか。
何を見たのか、何を聞いたのか。これ以上は足を踏み入れてはいけないと思っていた。
2人を乗せた車がゆっくり雪道を走り出すと、帰ると言っていた黒薙が待っていた。
「帰ったハズじゃ?」
「偶には一緒に帰るのも、悪くないと思ってな」
と黒薙は同級生の問いに答える。
「……渡しそびれたな」
その同級生の言葉に、笹平は流雫にバレンタインチョコを渡そうとしていたことを思い出した。そのために彼を呼び止めたことを忘れるほどに、今解決したばかりの事件が頭を支配していた。
……宇奈月も悉く運が無い。いや、笹平の一報で駆け付けた恋人と会い、結果生き延びることができたから、それはそれでツイているのか。
「……これ、週明けでもいいかな?」
と言った笹平に、黒薙は
「構わんだろ。ただ、暖房で溶かすなよ?」
と答え、無数の足跡が成した轍を避け、歩道の隅を踏む。固まっていない雪を踏む特有の音は、この時ばかりは耳障りな声を脳から消し去るには最適だった。
「お前な……」
河月署の警察官から渡された受話器のスピーカーから聞こえてくるのは澪の父、常願の声だった。声色からして、呆れているのが判る。
「流雫が人質って聞いたから、心配でつい……」
と悪びれる様子も無く答えた澪に、臨海署の休憩室でコーヒーを飲んでいた父は頭を抱える。
「ついじゃない。早退してまで、何やってるんだ。ったく、誰に似たんだか……」
と苦言を呈する。言いたいことは尤もだし、予想も覚悟もできていた。しかし澪は
「誰の娘だと思ってるの?」
と悪態をつく。
室堂澪の反抗期は、河月に住む恋人がもたらしたに違いない。彼のことになると両親にさえ歯向かうのは、そう云うことだろう。
「……あたしも、少しばかり無茶だったとは思ってる。でも、流雫もあたしも無事だからよかったじゃない」
と続けた澪に、露骨に大きな溜め息をついた常願は問う。
「……で?流雫くんは?」
「取調中」
と、父の問いに答えた澪は小声になって続ける。
「……名古屋の時と同じ臭いがするの。現場が教会だし……」
「……待て。それは……」
その父の言葉に、澪は周囲に気付かれないように、囁くような声で言った。
「恐らく、旭鷲教会の絡み……」
娘の一言に、常願は先刻とは異なるトーンの溜め息をつく。ニュース速報を目にした地点で、その予感はしていたし、隣でラテを啜っている弥陀ヶ原も同じ意見だった。そして、娘もそこに辿り着いた……その恋人も恐らくは。それどころか、引き返すことなどできないほどに、知っているだろう。
トーキョーゲートと云い、太陽騎士団の教会を狙った一連の事件と云い、何がそこまで宇奈月流雫を突き動かしているのか判らない。恐らくは、恋人である娘にしか話していないだろう。
刑事として、恋人の父として、知りたいとは思う。だが、物事にはプロセスが有る。何れ、彼自身から語る時が来るだろう。
「今日は俺が行ってやれないからな、後で調書を取り寄せるか」
と言った父は、澪に
「……好奇心が旺盛なのは認めるが、ブレーキってものを知れ。事が事だけに、流石にシャレにならんからな」
とだけ釘を刺して終話ボタンを押した。
「娘さんからですか?」
通話の一部始終を隣で聞いていた弥陀ヶ原が問う。
「ああ、河月署から掛けてきた。流雫くんの安否が気になるからと、河月まで行って遭遇したらしい。しかもこの雪の中だ。無謀にも限度ってものが有る」
そう言った常願に、弥陀ヶ原が
「この雪で……。親の背を見て育った証拠ですね」
と言うと、中年の刑事は険しい目付きで問うた。
「バカにしたいのか?」
「まさか」
と軽い口調で否定した後輩刑事は言った。
「……バカにしたいのは我々警察ですよ。娘さんだけじゃない、その恋人にも常に期待している。偶然遭遇しただけなのに、何か小さな、しかし大きい収穫をもたらすんじゃないか、と」
その言葉に、常願は黙った。図星だったからだ。
「高校生に、危険な目に遭わせるワケにはいかない。二度と期待しなくていいようにしなくては。それはつまり」
「早期の全面解決。それだけだ」
と常願は弥陀ヶ原に続いた。事有る毎に口に出す、2人の口癖だった。
常願は思わず口角を上げた。弥陀ヶ原陽介、トーキョーゲートで頭角を現してきた後輩刑事。少し軽口を叩く癖は有るが、事件に対する執念は強い。
「さて、そろそろ戻るか」
と常願は言った。山梨県警から、今し方の事件についての一報が届いている頃だ。
それにしたって、こいつはアメリカのアクション映画のヒーローの如く、よく事件に遭遇するな。シルバーヘアの特徴的な少年を前に、調書にボールペンを突き立てた、河月署の若い警察官はそう思ったに違いない。
最終的に礼拝堂区画は全焼、建屋全体も半焼、犯人を含む死者6人を出した教会で何を見たのか、何を聞いたのか。それも、湖畔のペンションに居候する少年は割と淡々と語っている。
その途中、警察官が手を止めた。
「旭鷲……?」
その言葉に、流雫が
「……旭鷲教会と……」
と答える。
「確かにそう言ったのか?」
その更なる問いにも、流雫は頷いた。
……流雫が解放されて澪と合流したのは、彼が取調室に入って2時間後のことだった。
「長かったわね」
澪の一言に、流雫は
「仕方ないよ」
と返す。取調は時間が掛かる、それぐらい澪もよく判ってはいるのだが、外で待つのと同じ部屋で話を聞いているのとでは、時間の流れが断然違う。
「そういや、列車止まってるんじゃ?どうやって帰るの?」
「流雫といるから帰らない。……ダメ?」
流雫の問いにそう答えた澪。
彼が居候するペンションが有るから、帰りの足を気にしなかった。幸い、経営する流雫の親戚の鐘釣夫妻は、流雫と同室であることを条件に歓迎している。それに明日は土曜日で学校は休み、障壁は無い。
流雫は微塵も迷惑だと思っていなかった。澪といられること、それが何よりも嬉しいからだ。流雫が出せる答えは一つだけだった。
河月駅前の駅ビルも臨時で早仕舞いすることになった。澪はその閉店間際に駆け込み、数百円の買い物を済ませるとペンションへ向かった。
駅ビルに寄ったから、ユノディエールと書かれた看板のペンションに帰り着くのに、警察署を出て1時間以上掛かった。
早速ルームウェアに着替えた流雫はバスルームの掃除を始め、自家用のバスタブに湯を張り始めた。その間に宿泊客共用のバスルームを掃除する。その彼の勧めで最初にバスタブに身体を沈めた澪は、この数時間で起きたことを思い返していた。
……半年前、澪は秋葉原駅まで青酸ガスが散布されたテロに遭遇した。澪は無事だったが、結奈と彩花が軽症ながらも被害を受けた。流雫は、その一報を知るや河月から東京に行こうとして、しかし澪に止められた。流雫が二次被害に遭わないように……と思ったからだったが、澪は本当は来てほしくて、そう言えなくて頭を抱えていた。そして流雫は、何故澪の制止を無視してでも行かなかったのか、頭を抱えていた。
2人にとって最悪だったあの夏の日、それが今の澪にとっての反面教師だった。そして、今2人は生きていて、澪は流雫が掃除したバスタブで身体を温めている。
「これで、よかったんだよ……あたし」
と澪は呟く。
雪は朝方には止む、との天気予報を先刻見た。明日の夕方には帰れそうか。ならば、今日のことを話すのは明日でもいい。今日はもう思い出さなくてもいい、そう澪は思っていた。
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