第3話③ 圭太、15歳の恋。(3)

配られたプリントの端を二人で持って読んでいる。

A4サイズの紙が小さいことを僕は心から感謝していた。


林さんのオデコがくっつきそうで。

シャンプーの香りがする艶やかな髪がフワッと僕の頬を撫でる。


生徒会。

最高じゃん!


月に一度の定例会議。

僕は待ち遠しくなっていた。


林さんとは。

事務的な会話だけだったけど。


僕のかけがえのない時間だったんだ。


生徒会後の帰り道。

一緒に歩いて帰った。


夕日が赤く染める田舎道。

アスファルトの交差する信号で。


僕達は別れる。


僕は彼女のシルエットを。

小高い上り坂に消えるまで追っていた。


最初は彼女も気づかないでいたけど。

三回目の時、振り返った彼女が髪をかき上げた。


遠目に、そう、思った。


だって、林さんが。

立ち止まって、背伸びするように声を出していたんだもの。


「さようならぁ・・・」

微かな声だったけど、僕には、そう聞こえたんだ。


その日から。

僕と彼女は恋人になったのでした。


ねえ、そうだろ?

今の、僕の・・・奥さん。


ボイン・・・ちゃん?(笑)



※※※※※※※※※※※※※※※


お終い。(笑)

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