第3話② 圭太、15歳の恋。(2)

「山本君・・・」

「は、はい・・・」


僕の声が震えるのを悟られたかな?


だって。

彼女、林さんの顔が間近にあったから。


大きな瞳。

長いまつ毛。


眼鏡越しなのに。

ハッキリと分かる。


僕の大好きな顔だから。


ドキドキするのは、当たり前。

おまけに良い香りがするし。


「今日の生徒会、出席できるよね?」

キツくはないけど、鋭い目線に僕の目が泳いでしまう。


そう。

僕はクラスの副委員。


林さんがクラス委員に選出されたあと。

面白半分に僕を推薦する奴がいて、当選してしまったんだ。


だから。

今日が初めての生徒会。


二人で出席するはめに。

なんて、幸運なんだろう。


僕は嬉しさを悟られないように。

ワザとぶっきらぼうに答えた。


「ああ、大丈夫さ・・・」

「そう、良かった・・・」


林さんが微笑んでくれた。


僕は心の中で何度、叫んだことだろう。

ヤッター・・・て。

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