第3話② 圭太、15歳の恋。(2)
「山本君・・・」
「は、はい・・・」
僕の声が震えるのを悟られたかな?
だって。
彼女、林さんの顔が間近にあったから。
大きな瞳。
長いまつ毛。
眼鏡越しなのに。
ハッキリと分かる。
僕の大好きな顔だから。
ドキドキするのは、当たり前。
おまけに良い香りがするし。
「今日の生徒会、出席できるよね?」
キツくはないけど、鋭い目線に僕の目が泳いでしまう。
そう。
僕はクラスの副委員。
林さんがクラス委員に選出されたあと。
面白半分に僕を推薦する奴がいて、当選してしまったんだ。
だから。
今日が初めての生徒会。
二人で出席するはめに。
なんて、幸運なんだろう。
僕は嬉しさを悟られないように。
ワザとぶっきらぼうに答えた。
「ああ、大丈夫さ・・・」
「そう、良かった・・・」
林さんが微笑んでくれた。
僕は心の中で何度、叫んだことだろう。
ヤッター・・・て。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます