第2話③ 美幸、27歳の恋(3)

会社からの帰り。

アパートまでの暗い道を。


街灯の明かりを辿りながら。

疲れた足を引きずっていく。


今夜は。

いや、今夜も。


夕食は簡単なもの。

料理もする気力はない。


お風呂に入って。


缶ビール。

一本、飲もう。


どうせ、残しちゃうけど。


お酒。

強くないし。


でも。

飲まないと眠れないし。


飲まないと。

アイツのこと、忘れられないし。


ラインを消して。

アドレスも変えた。


もう、疲れたから。

待つのが・・・。


あれから、二か月。


やっと、忘れることができた。

やっと、モヤモヤが晴れた。


そう・・・。

嘘です。(笑)


忘れられる訳なんか。

ないじゃない?


毎日、自分をごまかしています。


本気で好きだったから。

もう一度、会いたいと思うから。

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