第2話① 美幸、27歳の恋(1)

洗面所に置いた携帯。

この頃、充電はいつも、そこだ。


だって。

ラインや、メール。


アイコンが浮かぶ度に。

ベッドで見るのは、切なくなるから。


傍に置かないようにしている。


だけど。

よけいに、気になる。


一日中。

一晩中。


アイツのメッセージ。

待っている自分がいる。


ああ・・・。

嫌になる。


どうせ。

メッセージ、きたとしても。


私が送ったメールからの返信。


いかにも。

誠実そうに。


私からのメッセージに。

返信してくれる。


だけど。

アイツの方からは。


無い。

無い、無い、無い。


分かっている。

分かっているよ。


私の一方的な。

片想い。


でもでも。

でもでもでも。


話しかけたのは。

最初に、話しかけたのは。


アイツ、じゃん・・・。


ずるいよぉ。

ずるい・・・。


はい。

はいはい。


はいはいはい。

はいはいはいはい。


アイツはズルくない。

ルールは守っています。


はい。

はいはい。


はいはいはい。

はいはいはいはい。


アイツは・・・。


グスッ・・・。

私の鼻をすする音。(笑)


エンドレスな呟き。


ごめんなさぁい・・・。

明るく、ごまかします。(笑)


私、美幸。

27歳。


結構、本気だった恋。


本日。

諦めます。


本当かなぁ・・・。(笑)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る