不思議な田中君
田中君はいつも不思議な事をしている。教科書を逆さに読む、定規をはじいて遊ぶ、ドーナツをメガネとして遊ぶ、など。特にドーナツをメガネの代わりにすることは、なんかいけないことだと思う。食べ物で遊ぶなって感じ。
そんな田中君が消しゴムを落としたので拾ってあげたら、「それ、あげる」と言われた。いや、別に自分のあるし、ペンケースはいっぱいだから、それは断った。すると「ちぇっ」と舌打ちをした。
「なんで舌打ちをするの?」
私は訊いた。
「だって誕生日でしょ?」
田中君はそう言った。
誕生日プレゼントが消しゴムなのは嫌だが、なぜか私は少し嬉しくなった。
後日友人に聞いた話だと、田中君はクラスメイト全員の誕生日を暗記しているらしい。
変わってるなあ、と私は思った。
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読んで下さり、ありがとうございます。
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