第15話 異変

「ひまわり」と「キング」が生まれる少し前、


私は人生で初めて「犬の介護」を経験した


キャバリアの「愛ちゃん」は、

聞くところによると我が家に置き去りにされた犬らしい


昔、祖父の知人が「旅行に行くから預かってほしい」と

我が家に預けにきて、そのまま引き取りに来ることがなく

そのまま我が家の一員になったらしい


「らしい」と言っているのも、

私が祖父の家に行き始めた時には既に我が家の一員になっていて

私は真相は知らないからだ


その「愛ちゃん」のお世話で私は介護を経験した


昔は頭数が多かったこともあり、車庫を改造して犬小屋として使っていた

パーテーションで3つの部屋に区切り、

「愛ちゃん」と「桃ちゃん」、そして黒パグ「どん」が同室

ブルドッグ一族は広めの部屋を自由に行き来できるようにしていた


いつものように夕方、ご飯を持って車庫に行くと

「愛ちゃん」の様子が少しおかしかった

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