第2話 助ける

 龍輝君と話して2日が経った。


 今日からゴールデンウイークだ。


 私は母におつかいを頼まれてスーパーに行っている。


 私が横断歩道を渡ろうとすると


「心蘭、危ない!」


 男の人が私を突き飛ばした。


 前を見ると、龍輝君だった。


 全然思考が追いついていない。


 どうやら、車にひかれそうだったのだ。


 車から運転手が出て来て、


「大丈夫ですか?本当にすみません。何でもしますので」


 そう言われたが私は


「大丈夫です。気持ちだけ貰っておきます」


 私がそう言うと、運転手は戻り、車を出した。


「心蘭、本当に大丈夫なの?」


 龍輝君が少し心配そうに言う。


 龍輝君を見ると手に少し、怪我を負っていた。


「龍輝君、手に怪我してる。救急車呼ばなきゃ」



 私はスマホをポケットから取り出す。


「心蘭は大袈裟だね。こんなの、絆創膏貼りゃ治るよ」


 私は、カバンから絆創膏を出し、龍輝君に渡す。


「龍輝君、私を助けてくれてありがとう。命の恩人だよ。それに、いつもと違う龍輝君を見れて嬉しい」


 私は、龍輝君を見れて言う。


 龍輝君は、少し顔が赤くなっていた。


「友達を助けるのは当たり前だろ。あとさ、俺、いつも、一人でいるんだけど本当は、寂しいからさ、もしよかったら、友達になってくれない?」


 龍輝君は、照れながら言っていた。


「ふふっ。命の恩人さんのお礼だからね」


 私は笑って言う。


「えっ?良いって言うこと?」


 龍輝君が言う


「だから、いいって言ってるじゃん」


 私は笑って言う。




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