2.

 僕とミナトは甘酒を飲み身体を温めると、また行列に向かって歩き出す。ミナトは当然のように僕の手を繋ぎ荒々しく突っ込んでくるし、僕はそれをなんとも言わずに受け入れた。

 それにしても寒いのは僕も同じで、甘酒を飲んだばかりだと言うのに身体は小刻みに震えているし、喋る声も少し震えてるような気がした。それでも風は吹いていない為、そこまで酷く低体温になるわけでもなく、ただただ感覚として寒いだけな気もした。ミナトも同じく小刻みに震えているのは少しかわいそうだなと思ったけど、後で多分なんらかまた要求されるのだろうと思うとそれはそれでいつものことらしいなと笑う。

 行列を歩いていると、ふと頬に冷たい感触がした。雨でも降ってきたか?と折り畳み傘を取ろうとするとミナトは「雪だ」と呟いた。空に、ふわふわと白い雪が舞い出した。

 少しずつ参拝客が気付き出し、雪だと言う話題がちらほらと聞こえだした。「予報じゃ降らないって言ってたのにね」とミナトが僕の方を見ながらはにかむ。「そうだね、面白いこともあるもんだ」と僕も笑い返す。

 また、除夜の鐘が鳴った、ゴーンと。除夜の鐘が鳴った。

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