第107話

メニースターズ

第107話 黄金郷編


※太陽の分岐点 WEB版 南ルート


「ふん、何かごちゃごちゃと作戦会議か貴様等 構わん襲撃だ、討つべし」敵剣士

「コイツ等を排除しないと中へは入れそうにないよ 陣形はお任せするわ」後方組


・・・先にフォーメーションを組んでいるのは世界連合の方だ 熟練の精鋭部隊達

ソロモン軍の雑兵は我先に食らいつこうと単純な個体が多かったが、これは組織戦

宮殿の城門 すぐ後ろには守備隊長が控えているが迂闊に前へは出て来ないだろう

他の幹部連中も同様、先に犠牲者が出た事案を黙って見過ごすハズはない 開戦!


士気の高い若手を中心に前方の槍兵と剣士が吠える「どうせ成り上がり目的だろ」

敵兵が切り込んでくる前に後方から魔法弾が降り注ぐ、ドヤ顔は先ほどの凄腕術師

直撃は避けたがまともに食らえば負傷は不可避の火力 迂闊に突撃命令では無謀か


手柄をたてようと重装備のナイトが同僚の弓兵と連携して前へ出て来た「鶴翼!」

太陽の軍勢は戦闘の素人ではない、号令がかかるより先に状況判断を下せる強烈士


「俺達は正面衝突でもかまわんが、姐御が挟み撃ちを提案するならそれで」ピザ組

「戦とは勝利者しか明日の食い扶持にありつけん、侍でも忍殺でも同じよ」小夜香


連合兵は易々と帰す気はない、完全に仕留めるつもりで構えた武器を強振してくる

流石にソロモン軍と敵対していただけ動きは鋭い 並みの一般兵では力押しされる

左右に散って正解だったか 丁度進行の中心部に弩の洗礼と槍兵の特攻が襲う一陣


「! 動きを読まれただと、何をしてる 相手はテロ組織だぞ油断するな」敵後方

「違うっての 基準は高いけど戦闘経験じゃうちらでしょ、恨まんでよ」コバルト

「出世を望んだメリッサ達とはホントに決別だわな 勝てば官軍って事で」元侍女


一瞬戸惑ったかに見えた敵先鋒部隊だが、そのまま両脇の前衛組とぶつかる模様だ

ガキン!ガキン!ガキン!「? な、何だコイツ等 我々がパワーで負けるだと」

鍔迫り合いを予想はしていなかったが まだ若干のためらいを絶ったのは意外にも


  ・・・A signpost to crush the stone monument of falsehood, the one who

  has already been buried puppet guard「馬鹿野郎が とっくに戦争なんだよ」


※一応訳すと 偽りの石碑を打ち砕く道しるべ、既に葬られたのは操りの護衛かな


              🌀ブレイキング ブロウ!


黄砂という現象がある 文字どうり空中に霞むような極小の砂、だがそれは灰褐色

素顔を見てはいけない、粉を浴びたら最後 徐々に石化していく俗世との別れ――

詠唱準備をしていたロシェと紅蓮は言葉を発っせなかった 味方には付着しないが

その場で硬直する者 または勢い余って転んだ不幸な若者、砕けた石像は語れない


「道をあけろ! 雑魚に用はない新世界には届かねえぜ」ローブの中身は人に非ず


自分達の本拠地で逃げる事は許されない 無言で視線を合わせるなと感が告げた様

導師をメデューサの類だと誤解したのは半数だろうか? 突破の責任は問えまいが

異変に気が付いたのは宮殿内の幹部も同様だった と、その時 王座の近くに人影


「騒がしいぞ! 襲撃だと、何をしているか 速やかに排除せよ 世界連合を相手

に仕掛けてくるとは 王には触れさせん、新世界の指導者になるお方だ」側近のR


「どうやら入場自体は予想より速かったですが、問題は追加の部隊と幹部連中です

ソロモン軍より強敵では? やはり支配を模索してるのか もう退けません」錬金

「あの死神はいないけど 何でこんなに士気が高いの、まさか本当に聖石なんて事

信じないわよ私は、簡単には奥に行けないね 長期戦かもよこれは」スカーレット


「誰が行かせるか! 信念を持たぬ輩に祝福はない、私達が選ばれたのだ 皆それ

を証明している・・・戦争の火種はお前達側だ ここで悪は滅びよ!」守備隊長S


信じたからこそ世界を邪悪から解放した 結成当時は罵られていたらしき紅の同胞

だが、赤い屋根の信念は太陽の軍勢も負けてはいないハズ「負けた方が悪だと」姫


「ソロモン軍から連合の支配に取って代わるだけですな、全部が悪だとは思わんよ

しかし、放置したら間違いなく次の戦争になるだろう 世界の為に討たれよ」隠密

「その傍若無人ぶり 大事件として処理されるでしょう、実力で語る必要が来たか

・・・間違ってない私達は! 力なくして秩序は築けないのだ」ブレない本部長N


兵士にも個体差がある 石化の悪魔が闊歩してくる恐怖に耐えているのは英雄の誉

向こうからしてみればそうなのだ、辿って来た経緯が既に食い違っている選択――


「貴様らの悪行 確かに見届けた、言い訳はあるか この戦いの後にはその悪名が

世に轟くだろうさ・・・黒い太陽としてな 逃げ道は何処にもない 来い」精鋭隊

「ソロモン軍を沈めたのは我々だ! 部外者がほざくな 指導者はアスモデウス様

組織を導いた、共に新時代を歩めと 大儀は連合にあるに決まっている」だそうで


世界を統べる指導者が必ずしも正しいとは誰も言っていない 暴君ならどうする?

賢い読者なら歴史を知っている、官僚の声しか聞こえない口だけの傀儡は要らない

都合のいい時だけ民主主義を扇動する 自分は討たれないと誤解するのも甚だしい


「神輿は哀れだぜ~ 上手く丸め込んだつもりかよ、残念だがアイドルにはさせん

此処に来たのはクローバーの方よアスモデウスちゃん? お前は知らないもんな」


「!? 何を言っている、コイツ人間じゃないわ 小物では世界を背負えないのだ

王は一人でいい 馬鹿め ソロモン軍を撃退したのは承知の事実、今更では遅い」


・・・ドドドドド 宮殿内に足を踏み入れて敵視が一斉に一同に向かって来る気配

最奥では王座から動こうとしない連合代表の姿 不敵にも勝利に浸り嘲る笑い声が


「お前達自分が何をしているのか分かっているのか、破壊 略奪 そして布告無し

の襲撃行為とは・・・許さない 断じて 正義は我々連合軍だ」守備隊長が対峙を

「ごもっともです、ですがそれは本当に聖石だった場合 世界の意見は半々では?

戦争に発展してからでは遅いのですよ・・・いきます 理は非情なのでね」ロシェ


先程の荒業を目の当たりにした城門兵は動く事が出来ない 石化していなくてもだ

一定の強さに到達すると相手の実力が分かるようになる、武人には必殺の間合いが

陣形は鶴翼から偃月に移行済みか そのまま宮殿の奥を目指したいが幹部が邪魔を

守備隊長のSが正面に そしてやや後方に、勝気な女傭兵と凄腕魔術師が控えている


他にも何名か隊長クラスと思われる者がいるが 今一番厄介なのはSの剣技だった

一刀両断の強斬撃が襲う「悪党に栄光は来ない、食らえ!」手加減なしの真剣勝負

コバルトや小夜香だと受け止められない・・・だがこれは御前試合ではない組織戦

ギリギリで渾身の一振りをかわす、うおおお! 怒りの雄叫びが二つ両脇から襲来


怪力なら太陽の軍勢にもいる 強烈なタックルをぶちかますピザコンビ「やれ!」

態勢の崩れた守備隊長に無情の集中攻撃! 連矢と魔法弾が、更に物理組の追撃を

入り口で大技を放った導師様は無双する気はないらしい 流石に空気を読んだかw


「グァ・・・何て突進力だこの私が、間違ってるこんな事は 呪われろ 永遠に」

「戦火になったら同じセリフを民が言うだろうさ 逝け、誤解は貴様等だ」小夜香


ざわつく配下の兵達 何名か勇んで突撃するが陣形を崩すことが出来ずに返り討ち

自力ではソロモン軍を上回る世界連合、何故こんな部隊が隠れていたかと混乱する

準備をしていた城内の騎馬隊だが踏み込めずにいた、兵士より軍馬が先に恐怖した


「ふん、手柄は頂きますよ? 凡人が天才に勝てる気でいるんですかね」凄腕術師

「はっは、臆したのか みっともないねぇ、近くに来いよ 刎ねてやろう」女傭兵


・・・次はこの二者だ 明らかに一般兵とは気概が異なる、人間の限界を超えたか


「ソロモン軍と一緒にするんじゃないわよ コイツ等・・・傭兵かよ チッ」モカ

「まだ若造に折られるやわな骨じゃありませんぜ、才能とか度返しでやんす」ピザ


ピリピリした殺気が空間を支配する 数秒にも数分にも感じられる程不気味な静寂

次の瞬間―――馬はいななき、兵士は悲鳴を上げる 重圧に耐えられなくなったか

明らかに指揮系統が乱れ始めた 導師様がチラ見すると一斉に手下は離散し始める

自分達も石化されては元も子もない 城内の隅に退避を始めた、戦意の喪失だろう


だが隙ありとみたのか 二名は一気に間合いを詰めて来た!「馬鹿め、取った~」

この場にいるのは歴戦の猛者達だ、一瞬の交差で勝負は決するが 討たれたのは?

                   ・

                   ・

                   ・

「くっく、成程 これが黒い太陽か 惜しかったねぇ・・・畜生が!」崩れる傭兵

「戦場に卑怯は通じない 攻めは鋭いが守りを考えてなかった様ね」背後には統括

ピジョンの槍撃が背中を一閃していた 流血しているのはコバルトと後ろのモカだ


「悪党のクセに、世界はあなた方を認めませんよ 私は天才なのに」敗北した凄腕

強烈な火球は宮殿の上方へ飛んで行った、振り被る動作の僅かな隙をアンリが抜刀

防御障壁を駆使したロシェと紅蓮は魔力が枯渇しだす「体調が芳しくないですね」


「一対一なら危険な相手ではあるな、左腕を負傷した まだ終わらんがな」小夜香

「へ? ヒールしろだってか 甘えんじゃねえよ、私の機嫌次第だな」母の威厳😊


これで城内の中央付近まで進む事が可能になる もう援軍では止めるのは不可能か


「! 化け物か 何故悪に味方するのだ戦いの流れは、略奪しようとしているのだ

世界の行く末は私達が、聖石を 絶対に死守するのだ 万が一はならんぞ」幹部K


「恐らくそりゃ祝福じゃなくて呪いでやんす 石ころに執着するとは哀れ」ハット

「普通のヤツなら勝てねえだろ、アニキならではよ♂ 最後も歪まねえな」ドミノ

「うちの導師は回復に向いてないから怪我したくないんですけど 痛てーな」モカ


此処に来た目的は残っていたモノリスを破壊する事である この大地には不必要だ

太陽の軍勢はソロモン軍の司令部を撃破 死神と対決してる・・・力は削いだが


「本陣を墜とした時に破壊しておくべきだったのよ、恐怖で放置の道を選んでいる

だから後始末に戻された選択肢・・・責任は私達にもあるのか 多分ね」リーダー

「不満なら本人に言ってくれる? 私達じゃあの毒物には触れる事が出来ないのよ

これ南ルートだけどWEB版は全部の責任を問われてるから、私は脇役で」紅蓮さん


ここで何やらゴソゴソと懐をまさぐる怪しいクローバーさん 流石の強キャラかw


「悔やんでねえぜ私は? こっちの因果を見届けておかないと闇側に付け込まれる

汚名とかうちらは関係ないのよ、とっくに戦場にいたのさ 妹よりも姉の勝ち」♣


「!? コイツ何なの、汚い事をしてるのはお前達の方だろうが 枠の外側なのに

来る前に知っていたと言う事か 新しい王はアスモデウスに決まってるのに」悪女


原案では亡くなっているカトレアが新聞社の責任者になっている自体がおかしい!

黄色い屋根のライバルなどいなかったのだ ここから先は予想外の展開が危惧――


「超えていたのは複数だという事、聖石を認めるわけにはいかない 私達は信じた

いつか再会出来ると誓った 唯一の絶対などない! 果てしない広大さでも」統括

「乱心してるのはお前達だと思うが・・・どうにも腑に落ちない 発言が意味不明

まるで別の世界を旅して来たかの様な? まさかな、世界を導く使命は我々の方」


( ´ー`) もう取り返し出来ないんですよ シンクロニシティという実例があるが

集合的無意識 あるいは集団的多数決なのかは現在ハッキリと証明出来ませんので

これは筆者のみならず読んでいる皆様の意志も反映される 本物のオリジナル戦記

残した内容が数十年後も同じ文章かはお約束出来ません もう大勢気がついている


何事もなく平穏に暮らせる人生なら幸せ、神隠しのエンディングが食い違う先輩方

勘違いでは説明不可な事例が世界中で起きています 二次大戦の記録が既にズレた

戦艦大和、オーストラリアへの集中空爆 A国本土に焼夷弾を投下、何時でした?


著名人は不幸な事に何度かの訃報にさらされる、某首相 映画の俳優、セリフ含め

重大事故の日付けは 当時と現在は正確ですか 123便? 私は121便なのですよ

スペースシャトルに搭乗しなかったから本土で別の人生を歩んでいる 証拠写真が

・・・ではフィルムの爆発は誰が見たのでしょう 世界に流布された後なのです!


「原案でも少し語った内容よ 冗談じゃないわ、何だと思っているか 勝ちなさい

全員が同じ人生は歩めない、今眼にしてるのはアナタが読むべきと思ったからよ」


多分大昔の人達は何となく知っていたかも知れない 理屈では割り切れない世界を

今を進んでいるのは我々です学ばなければ必ず淘汰される、歴史が教えていたのだ


            第107話 黄金郷編 5023文字 (続)

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