第41話

メニースターズ

第41話 黄金郷編


旅の一行はアール王国の城下町で質の悪い暴漢を撃退した後赤屋根ギルドを訪ねる

軍資金として所持していた砂金と宝石を換金してもらうには即日ではムリとの事だ

どうやら出会った面子は万年金欠らしい、ツケを抱えるのもまずいので仕事をする

ピジョン、モカ、クローバー、コバルト、ドミノ、ハット、紅蓮、ロシェ、小夜香

そしてヒロインのアンリだ では進めよう読者の皆様 大凡古ぼけた城が見えるが

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この国は財政的に余裕がない 前話でご覧いただいた様に街の治安が悪い方なのだ

城主を務めているのはアール18世、落ちぶれた王族である 父の死後 妹と側近達

諸外国に比較して規模は小さい 領土内に銀鉱山があるが 独占は許されていない

連盟に所属していない場合ハブられる 外交を駆使しないとこの先の見通しは―― 



                アール王国の城

「うーん 今月も赤字とは、いかんなこのままでは 父上の残した資産もいつまで

持つか いっそのこと城下町を整理して いやまて 酒造の税金を」苦悩の国王だが

「お兄様、今月も厳しい様ですね 私に何か出来る事があるのであれば あら貧乏

変身しろとかはなしで 御免なさい 早速余計な事でしたね 独り言なのでここ」


心配しているのは廃れた王族の妹 サマンサだ、質素で煌びやかな感じは受けない

父の遺産相続権は兄が持つ、しかし彼女も国の為に尽力中先の財政を立て直したく

城から見える街の風景 スラム化が著しい これは一刻を争う問題だ 状況は悪い

何とかしなくては、しかし予算も人手も足りない どうすればいいのか 悩む毎日

兄妹だけでは心もとない、では配下の意見を聞いてみるか 数名しか雇えない現実


「失礼いたします 王子 先週の 貴金属の買い取り商人についてですが こちら

の言い値では動く様子はないかと それと城下町のギルド経由で個人ですが若干」


城の重鎮らしき若者が報告に来ている様子 世代交代なのか壮年の助言者はいない


「珍しいな・・・個人で砂金と宝石とな 盗品ではなかろうな 城下町のギルドか 

一応鑑定の許可は出すが、町長経由にして手数料は引けよ 他には?」アール王子

「城下町のギルドに宝石を持ち込めるほどの人材はいないですよ 普通に考えれば

砂金もこの辺りでは採掘出来ないのでは、何者でしょうか」疑問の妹 サマンサだ

「今のギルドマスターは私の友人でして 先代が引退されたもので引き継ぎしたと

件の交渉は新しく迎え入れた会員から流出したものでしょう 貴族関係の匂いが」



どうやら幹部の1人はピジョンと知り合いらしい 組織の統制役は人脈も問われるが

今までの旅路は無駄になっていない、酒をあおってオラつく輩では成り上がれない

国を発展させていくには情報が必要不可欠である 配下のオパール 優秀の部類か

執務室で軽食を挟んだ後会議を行う臣下達、国の未来を考える 現状は芳しくない


町の治安悪化と貧困 領主の資金不足による税収不足 財政難の原因から貧富の差

規模が小さい事に起因する流通の問題と冒険者や傭兵等の職業斡旋所の不足、等々

問題点をあげればキリがない 国家の指導者が私欲に走れば間違いなく崩壊すると

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「赤屋根のギルドに新しいメンバーが加入したと 今貴金属の鑑定を申請中なので

今しばらくお待ちくださいとお伝え下さい 良い友人は大切にね♪ では」某町長


「うひょ、手数料いくら抜いたんでやんすかね 2割ぐらいだと予想しまっせ兄貴」

「ひひ 抜け目のない女狐だぜ その内デカいヤマを当てて度肝を抜いてやるわ」


大食漢のピザコンビはギルドにかなりのツケがある模様、情報は金になる 経験上

アンリ達が加入した事により行動の選択肢が増えた 初っ端から難しい依頼は危険


「私が提案するのは ここから北西の街道 果実酒と穀物の運搬が狙われてるって

13番街の酒場情報だよ そろそろこっちに入るんじゃ」コバルトは意外と身軽だな


「うちの赤屋根は2番地区なのよ 実は小説版だと王国のギルドはもう一つあるのね

ピジョンよ私 知り合いが城に出入りしてるから まあいいか今は 往復で2日位か

こっちにも今朝回って来てた、北西街道はすぐ近くだから盗賊の一蹴 3000で交渉

受けない手はないでしょ 悪いけど書類関係の雑務等で現場には行けない よろ」


「あら、アンリさんの仕事を増やす気かしらー 何でもないわよ 盗賊の討伐をね

集団相手でしょうね 3000Gなら宝石の換金より実入りは上かもよ 分配だけど」


「タダ飯を頂きに此処へ訪問したのではありませんのでね 私はそれで」錬金術師

「あー実はモカさん決別した友達いたりしてね? その内分かるかもよ はっは」

「え、誰だろ 脱線の予感するわ うちのメンバーは知らないから」紅蓮達はな~

「私は飲み食いに遠慮はせん 食事代を稼がないといかんのか 承知した」隠密氏


「フヒヒ♪ このやろ クローバーさんが今ジャーマネでしょ フ😊ッキンがよ!

大丈夫、だいじょうぶよ 奴と義理の姉妹で間違ってないのよこれ」薄緑の導師様


貧乏ギルドに仕事の依頼が入って来た マスター以外の面子は北西街道へ出発する

現在のアール王国はガラの悪い行商人が行き来してるとの事だが 果たして実体は

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                追い剥ぎの集団

「おい! どうなってんだ いくら待っても今日の積み荷来ねーぞ」定番の雑魚A

「うーん おかしいな いつもなら通るのに まさかガセ掴ませたんじゃ」手下が

「ああん? ガセだあ 馬鹿野郎! 無駄足ならテメー等の今月のシノギはねえぞ

おい なんだあいつ等 商人じゃねーぞ 武装してやがるな クソ」盗賊頭の憤慨


「ちっ 見たことある奴らだな そうか ギルドの ふん 親分 こいつ等ですぜ

例のうぜー軍団、つい最近だ 酒場の近くでアヤを付けられた」フード姿の不審者

「・・・まさか ヤロー こいつ等かガセ情報流したのは 上等だよ」冷やかしが

「ハッ ギルドだぁ? へっ 舐めやがって 面白れぇ くっく イキリやがって

落とし前つけてもらおうか おい野郎どもいいな!」本当にいいのか m9(^Д^)


意外と早めに現場に到着した模様だ 街道と言うには整備はされていないあぜ道風

どちらかと言えば荒野に近い 昼間の曇り空 雨は降っていない 南から緩い微風 

典型的なバンディット、強盗の類だろう ギルドのメンバーより数は多めにいるか


「シンプルイズベストでいいのかしら 最初から捻らない方が無難と」宮廷魔術師

「行商人から奪ってたんでしょうね、横柄な態度で予想は出来ましたが」ロシェか

「感謝しなさいよ アンリさんオリジナルに出演してるんだからね 半殺しよろ」

「御意ですな どうやら今度は徒手ではすまん様だぞ 向こうも武装中だ」小夜香


ざっと周辺を伺う 一般の馬車は通っていない、襲撃の警告をしていたのは誰か?

ピジョンは依頼を受けて 直ぐメンバーに伝えているので 関与はしていないのだ


「糞が 何ぶつぶつ言ってやがる 誰の指示だか知らねーが 俺らに歯向かうとど

うなるか思い知れや! 速攻でたたんじまえ」予想どうり沸点が低い盗賊達だった


「カロリー消費だとディープディッシュが欲しくなるぜ 左側に攻めるからよ~」

「俺っちも行きまっせ兄貴♂ 運動不足はここで解消しとくでやんす」ピザコンビ

「近くにいるとつられて汗かくから嫌なのよ私 北側に出るわ」騎士のコバルトか

「モカさん接近戦はやりたくないの 体臭で胸やけしそうじゃんあいつ等 きも」


「クソッ 完全に俺らコケにしてやがる! 舐めんなよ 貧乏ギルドのクセによ、

おい! もっと若い奴ら集めてこい 親分が集合かけましたってな」と半グレのB

「くっく わかりやしたー♪ ま 遊んでてくださいや」そうかい じゃ適当にな



盗賊頭とフード姿以外は一斉に襲い掛かる様だが 街の喧嘩で流血は避けたいとな

郊外の武装集団では話が変わって来る、これは討伐の依頼が出ている 戦闘案件だ

「おらおら!」短剣を振るって本気度を見せて来てるつもりだろう で、どうする

ロシェは呪文を唱え始めると 地面に魔法陣が浮かび上がりそこから無数の氷の槍

彼は錬金術師と名乗っているが歴戦の念術師である、敵勢辺一帯の地面は凍り付く


モカ達は全員後方に退避済み、狙撃で脚を打ち抜く「いでえええ!!」だろうよ😊

小夜香が動いた 一気に距離を詰め相手の武器を叩き落す同時に腹に拳を突き入れ

グエッ! 声を出して崩れる相手、そして間髪入れず次の相手の顔面に裏拳と蹴り

追加で顎に一撃 二人目、そしてあっという間に半数以下になったが やはり強い


盗賊頭は余裕だと思っていたのだろうか 一般の人間では戦力差がありすぎるのだ

残りが逃げようと背中を見せるとスカーレットの魔法弾が追撃し、命中する 圧倒

身体が硬直し倒れ込む 残りの者は腰を抜かした、アンリの背負い投げで昏倒する

武器を抜かせるに至っていない 魔法も急所を外している、その辺でやめておけと


「この野郎・・・素人じゃねーてか なんだこいつら クソ」大声が出ないボス君

「く、くっそ へ 仲間の参上だぜ まだまだ控えてるからな!」声が震えてるが


啖呵を切った手前で引っ込みがつかなくなったのか ピザコンビのタックルが炸裂

遥か遠くに吹っ飛ばされる雑魚、全身の複雑骨折か圧死だろうか 対峙したのは敵

屍を築いて来いとは言われていない 盗人相手に本気を出すのは憚られる 今はな


「・・・いい気になるなよ 我々の後ろには教団が ちっ」恨めし気に逃げた伝道


「何か捨てセリフかしら 声が小さいわよ! 馬鹿ね ボスは仕留めておいてよ」

「承知、小夜香が適役です 一刀で決着ですので帰り支度をしておいてください」

「教団とか言ってた? うちの国は宗教とかないけど現実主義ですから 雑魚過ぎ

依頼は達成でしょこれで 帰りましょ 積み荷は通らなかったわね」コバルトかな


「おーし 成人指定は回避しろってよ クローバーさんがやらかすと怒られるから

R15が限界なのよね小説だと 明るく楽しいエロは私が許さないぜ お姫様~♪」


くっ・・・どうせ途中で色々邪魔が入る作風なのだ 存在が薄いキャラは埋もれる

仕事を終えた赤屋根のメンバーは意気揚々と引き上げる この時全滅させておけば

これは私の旅団とは別の物語 主役は登場人物ではなく覗いている皆様だがな――

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              アール王国の黄色い屋根

「お仕事を取られました 申し訳ございませんお嬢様 モカが裏切った様ですね」

「屈辱ですわ、ああ 大国の威厳を失ったワタクシ 貧乏なんて許せなくってよ」

「ういーす、今週も固いクズパンと温いスープのみっすか 成り上がりますよ俺」

「この状態で専業なんて無理だってば 底辺スタートなのよ うちのギルメンは」

「へ? アーチャー先輩だもん 空いてる時間にコツコツと書いてやる! ふふ」



・・・しまった! 止めを描写していなかったのだ これが常連の要望の答えとは

アール王国には別の窓口があったのだ 原案には赤と青の屋根しかないハズなのに

メインキャラ達は2番地区に所属している ここは5番地区だとさ イエロー組とは

奴等の編成は くっころ騎士、悪役令嬢、進行役、評価と編集、そして毒女だと~


              濃いぞ! 貴様等ー


何という事だ これでオリジナルを進めて行けと 意見を汲むとこうなる定期かよ

後で分かるが古代文明とは別の舞台なのだよ此処は まさに戦い アツい討論再び

もう倍のボリュームは間違いない! グルメ旅行がどうしてこうなる 乞うご期待



「あーダメ、駄目だってば 5000字に届いてないでしょアナタ ほら見ろ ふっふ

第一部よりも二部、そして更に怒涛の三部よ君達! 暇人を呼んで来なさい今後は

んなわけで再会のジャブを打たないとノレないわけよ シルヴィ先輩なめんなよ?

派生は可能なのよ皆さんも 短編を完成出来るなら色々と応用が利くようになるわ

この国ってあまり発展してないのよね ゴロツキがうろついてる状態から開始なの


空腹だと本来の語りが発揮できない まだ焦るんじゃないわ じわじわ責めてやる

えーっと この国の主食は黒パンね パサパサか硬いのしかない 美味しくないわ

どうせ貧乏なら料理上手な方につきますと 某侍女さんは 涙目のカトレア様なの

あの娘は執筆を手伝わないから丁度いいわ、イエローレーベルからヒット作狙い」

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「待ちなさい! ( ノД`) 今逃げようとしたでしょ 許しませんわよコイツったら

続編なのですからワタクシとの関係を簡単には破棄出来ないんですのよ オホホ♪

お前が変態なのは承知、安易な物語は許しませんからね! モカはさぼり癖がある

今度こそ返り咲いてみせますわ カトレアが破れたドレスを披露するのは拒否です

お馬鹿さん こちらもギルドでしてよ? 討伐依頼を取れたぐらいで図にのって」


苦戦するのは私と読者達なのだが この先大丈夫だろうか、ご注文はマシマシだと

シナリオ自体は小説の方が難しいのは確かです 挑戦しないと腕はあがりませんよ

アール王国に潜む刺客はここに居たか モチベーションを維持出来るかによるがな

自身の代表作はこれしかない、そう言える時は来るのだろうか 今結果は見えない


          第41話 黄金郷編 5040文字 (続)

               

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