第28話

メニースターズ

私の旅団 第28話


「ギルメンが余計な語りをしてくれたおかげで私等の体力が回復よね」だなマリー

「これも戦略のうちさ、よし 万全に越した事はない 敵の待ち伏せだ」軍人達

「HEY、小手調べは終わりよユー 駄作なんて誰も認めないからGOよ!」聖女が


レムーア軍はこの場所で最大数の敵勢に立ち向かう事になる 眼前は斥候ではない

作中でも詳しく触れていないが自国以外は排他主義、邪魔をするなら粉砕の帝国軍

中央制圧の際に犠牲になっている住民は多数だと予想される、常人は眼中に無しだ


「どうやらこの場所が正念場と言ってもおかしくはない、私達に撤退はないのだ!

待ち構えていたかラム帝国 このピジョンと仲間の力、お前達では超えられない」

「マスターだけじゃないからね オリーブさん達も進化している やってやる!」

「先陣はこの義信が務めようか、邪悪を成敗してこその陰陽道 準備はよいな?」


戦場の状況は小川を一本挟んで手前側にマリー達10名が 少し先に扇型のラム帝国

邪悪が大挙していた、時刻は昼だと思われるが生温い風が吹いており上空も薄暗い

並みの兵士なら逃げ出すであろう重圧感、廃れた小村が左右に見えたが人影はなし

進軍が遅れた事により結果的に装備品の強化にもつながった 双方ここで相討つ!


「ようこそ、レムーア軍の諸君 せっかく来たのだからここで遊んで行くといい  

我らの仲間も心待ちにしていたのだ」魔術師を思わせる風貌だが本体は醜悪な骸、

「クズ共 ああ思い出したさ 宿敵で間違いない 黄泉の手配者め」レオが吠える

「傷は癒えました、嫌ですね 忌わしき因縁とは グルメはお預けで」皮肉な狩人


敵勢の最奥には部隊の指揮官らしき姿が遠目に見えた 人間風に思えたのは錯覚か

ざっと周りを取り囲むかの如く、兵数の差は4倍強ほど、異形を中心とした編成だが


「・・・来たか 戦いは数である! これが本気と誤解されてはラム帝国の名折れ

我々こそが大陸の支配者 ここでお前達は認める事になる 全滅に決まっている」


雑兵とは明らかに違う風格、軍服のすき間から覗く生傷は勲章の証なのだろうか、

両脇を護衛する機械兵が、ガシャンガシャンと不揃いな金属音をかき鳴らしている


「はっは、昔のサーシャなら動揺していたかも知れませんよ 宿敵に違いないです

覇道の為に踏みにじられた多くの人々も知らず、王者だと認めろと? 拒否で!」

「戦争とは嫌なものだな、同じ言葉を異国の少尉も言った 私、ハイマは軍人だ」

「構えろ・・・奴等の野望を防げるのは多くない 飛鳥も武人 問答は通らんさ」

「FU×K OFF! パンドラさん伏せ字とか納得してねーんだよ ぶちのめすぜ?

クセ―汚物は消毒しろとよ 怒らせやがって もう知らねえからな!」くっ( ノД`)

「小説だと出番少ないのよマリーさん 投稿の方が疲労感お高めで老けるわ実際

落とし前を取っていいんでしょうねラム帝国の皆さん? 派手にするから私がさ」


レムーア軍の登場に業を煮やしたのか 待ち構えていた敵の突撃兵が襲い掛かる!

     もはや戦いのゴングは待ったなしか・・・The Fight!!!



さあ、今回お待ちかね メインイベントのスタートであります、同志の大鉄さん~

早速ですが 来ましたねぇ 槍を構えた羽根付きの山羊君でしょうか おおっと?

右手を振り被って大胆にもオリンピック風のアクションでしょうか 豪快な投擲!


「シャア・・・くたばれ弱小国め!」これは鋭い洗礼であります これに対するは

「ふっ やってくると思っていた 実況は任せるぞ」飛鳥ですねー刀で弾きますが


俺達は一投で終わらす気はないぞと そうでありましょう じりじりと睨みながら

次に繰り出すのは左手に見える髑髏兵が・・・何とジャンプ一番 跳躍であります

お決まりの両手に抱えた大斧で真っ二つにせんとばかりに飛び出して参りました!

ズッッガガァァァン!!! と地面を揺らしておりますが「一旦二手に分かれて」

何と マスターのピジョン氏から、作戦指示の模様がここで入るわけでありますが


「危ないですよ いやここはね私が思うにマットではないわけですから」成程ー★


強引に投げ技を狙うよりも先ずは基本の打撃から入れと 戦場はタッグではないと

路上でボディスラムしたら牢獄行きは確定でございますが 筋書や台本は無視する

そういった強い意志が伝わってくるわけであります「HEY、その調子よねユー♪」

リングの傍から聖女の声援を受けまして今度は誰でありましょうか「私が出るぞ」


おっとエプロンサイドに潜んでいたか レムーア軍の斬り込み役のハイマがここで

「隙だらけだぞ 食らえ!」・・・キター! 態勢の崩れた髑髏兵の延髄に蹴り!

倒れた勢いのままサッカーボールキックの容赦ない反則攻撃であります、そして?

何やら朦朧としてる帝国兵を引き起こしまして、場外にアピールでありましょうか


片腕をグルグルさせながら大技の体勢か! ※Iさんお疲れさまでした(´;ω;`)

・・・ざわ・・・ざわ  こ、これは DDT!!! ズガッッッアアッンン!!!

「グァァァ!」花道など用意されてない戦場に木霊する強烈な一撃であります!!



「何年前の試合を再現してるか知らないけどレムーア軍の闘魂に火を点けたわね?

音楽は読者がそれぞれ用意して欲しいだってさ マリーさん前座じゃ物足りない」

「はっは、メインイベントに決まってます ふざけたつもりは無いですこの私も」


師匠より先に逝った大馬鹿にも伝えてやりたい 燃える想いはリングだけではない

私達の多くはチャンピオンベルトを巻く事が出来ない、邪悪達に王者は譲れない!



「OK、ユー 死霊系はパンドラさんが Destroy なのよ 行くぜおい?」壊滅だとさ

「・・・? 何だ この状況 軍の規模は我々ラム帝国の方が明らかに上のハズだ

3国の中では奴等が最小、アトランティカの部隊はレムーア達とは逆方向 一体」

「この戦いは我々には避けられぬ理、踏んだのはこのピジョンではない 滅せよ」

「その槍はここに捨ててしまいなさい フシュシュ私が代わりに飲み込んでやる」

リーダー格の一体と思われる大型の骸がマリー達を待ち構えている、次に出るのは

「正面から一斉に襲って来るぞ、悪鬼共め 好きにはさせん」義信が引き受けるか


・・・彼に期待したい気持ちは分からないでも無いがいかんせん敵の数が多いのだ

とてもではないが1人で捌ききれる戦況ではない マリー達の視界に映るのは大軍勢

各自奮闘している感じだが、「クソ 次から次へとキリがない」レオの息が上がる

やはり彼でも疲労感はあるのか しかし味方は気付いた、帝国軍の後方からの轟音を

土埃をまき散らしながら現れたのは巨大な機械仕掛けの馬に乗ったラム帝国の戦士

その馬力はまさに戦車の如く 勢いのままに突っ込む! そして ゴォオオン! 爆音

地響きが鳴り渡り周辺の自国兵もお構いなしに蹴散らしていく 正に暴走と狂気!


 「ヒャッハー! 汚物は消毒DA!!」


まさかここでそのセリフを敵から浴びせて来るとは 世紀末覇者はここにはいない

「フシュシュ、誰だろうが混沌を楽しめるならよし やれ!」騙馬がやって来る!

先頭の骸が手綱を操り突進してくる それを阻むべく飛び込んだのが バキィイン!

一閃 刀を振り下ろした飛鳥だ、流石にその巨体では受け止めきれないと悟ったのか

それすら許さないのが真の武士たる強さである そのまま流れるように二撃目に入る

縦振りから横薙ぎの一閃 ドスンと崩れ落ちる骸、それでも尚 起き上がろうと必死

執念が凄まじい そこに追撃の斬撃が入る、そしてブシュと煙を上げながら倒れた


完全に機能停止したのを確認して振り返る 先程まで暴れていた巨大骸の姿は無し

後続部隊に無残に踏み潰され原形を留めていない 邪魔な存在は踏みにじる手本か

これで一応態勢は整えたが数的不利は覆せない、だが まだまだ続くぞ 次の展開は

上空からの攻撃 空から降り注ぐ敵勢の魔法 これを防いでいるのはやはり聖女殿


「HEY、ラム帝国も肉弾戦以外して来るから注意してよね!」両手で魔力障壁の膜

しかし彼女の顔色は良くない、その表情には余裕が無い 魔法攻撃だけではない、

矢や剣による直接の物理攻撃をも凌いでるからだ 防御に回ると不利になりそうだ

攻めに転じるべき 判断した聖女の口元が僅かに緩む「don't get carried away」


何かの策があるのだろうか・・・「パンドラさんは敵に激おこで」ライオネルだが

皆 目の前の戦いに精一杯なのだ そんな中で冷静さを保てるのは常人ではない!

ゴキン ガキーン ザッシュ ドン バン ガスン ガン ベシッ カチンバギッ カン キン

地味な金属音を鳴らしているのはオリーブとサーシャのコンビ 戦局を変えるのは


「このままだと埒が明かない 皆、踏ん張って!」ピジョンの檄に振り返る面々だ

敵が密集した所に飛び込み、素早く立ち回り その度に戦槍で帝国兵を薙ぎ払う姿が

どうやら大魔導士様が荒業を仕掛けたがっている様子だが、まだ詠唱の余裕は無い

「何、シャイニングウィザードだと? 馬鹿を言え!」ハイマはレスラーではない


楽しい実況をお届けしたいのは山々だがこれは集団戦である、戦場のデスマッチだ

一般兵なら立っているだけでも奇跡に近いのだ、余計な事を考えている暇などない


「人の隙間に鬼が潜むなれば、疎は歌を詠み琵琶を弾き、やがて笛を吹くが如く」

似た言葉を何時か耳にした気がする 膠着状態を打破するのはやはりこの漢なのか

人差し指と中指の二本を刀に見立て格子を描く姿は古式の闘舞「九字・破邪の印」


呪言が戦場を突き抜けた「オン・アビラウンケン・ソワカ」不気味な音響が三度、

「オン・キリキャラ・ハラハラ・フタラン・バソツ・ソワカ」間違いない、これは

「オン・バザラド・シャコク!」・・・レムーア軍の戦技は窮地に真価を発揮する

ピジョンを中心に円陣を組みなおす面々、新調した白銀の装備が怪しい光を放つ!

 邪悪に容赦は無用・・・いけ 闇を振り払える好機は決して多くはないのだっ!

物理組のメンバーが一斉に陣の真上に飛翔する、これがラム帝国に返す英傑の答え


                    ⚡

             「五行昇竜・破邪冥界破!!!」


義信が叫んだ方向は東側に大挙する死霊の群 銀と紫煙の咆哮が悪鬼に降りかかる

跳躍したピジョン達が弾丸の如く敵勢の中心に突撃していく「不浄に天下無し!」

一閃、二閃、三閃、四閃、次々と敵を斬り伏せていく、その勢いは止まらない!!

四方八方から襲い掛かる屍、その全てを蹴散らし、怒涛的に粉砕し、滅ぼしてゆく


その姿は正に無双の戦士 その勇猛さはたぎる英雄である! そして、最後の一匹が

断末魔を上げる間もなく絶命した その光景は正に圧巻・・・だが逆方向に敵勢が

物理組は全員東の骸兵に強襲したのだ、いくら精鋭でも後ろから不意打ちされては

と、その時だった 私達はヒロインの存在を軽んじていた 西側に佇む孤高の魔女


「私はアナタ達を憎んでいる、本来はもっと若々しい日々だった 出番まで少ない

宴会まで制限されて ふざけんじゃないわよこれ以上!」マリーの上空に巨大な瞳

「HEY、西側の敵はパンドラさん達がバニッシュよユー、Do you understand?」


ブォォォン! 聖女が手にしている白銀のオーブは街の鍛冶屋では決して扱えない

聖女の加護を受けた武器は魔法攻撃を吸収して蓄える特性を持つ、乱発は出来ない

今まさに放たれようとしてるのは彼女の最強の切り札、それは聖属性の浄化の雷炎


 大魔導士と聖女の大詠唱!(ゲーム化しかねえだろ)した後だったりしてなw



        パンドラはとあるお方の末裔にあたる人物です

「The beckoning heavenly thunder is a great legacy left by an old friend, a silver

hammer with a false seal that cannot be broken!」※これオリジナルで


遍く天空の雷鳴は、古の友が残した大いなる遺産、折る事は叶わぬ偽印の白銀槌!


        マリー様は初めから大魔導士です ブレません

「The wrath of the sealed magic, the hellish flames of rebellion flowing through

old bodies, and the red flash that overturns the laws of eternity!」


封印されし魔導の憤怒、老いた身に流れる反逆の獄炎は永劫の理を覆す赤き閃光!

                  ⚡⚡

           「メガロライジングブレイズ!!!」


轟音と共に降り注ぐ超極太の光の奔流が敵軍を飲み込む 大地を揺るがす爆音が響く

西の敵勢は一瞬にして消滅した、静寂の戦場に風が吹き抜けてゆく 凄まじい威力 そして、ピジョンが叫んだ 全軍突撃! この一撃でラム帝国は大混乱に陥る事に

開戦直後、戦況は帝国軍の圧倒的優勢かと思われたのだが、兵数などアテにならず

敵の数はこちらより多い筈なのに、明らかに劣勢に立たされている 敵将は驚愕か


「ば、馬鹿な・・・何だコイツ等? 本当にレムーア軍のメンバーか あり得ん」


残る少数の機械兵は相変わらずガシャン、ガシャンと金属音をかき鳴らしているが

先に突撃を仕掛けたサーシャ達がその勢いのまま現場の総大将を取り囲む形になる


「・・・私も舐められたものだ 小国家ごときが 降伏などせんぞ私は 抜け!」

「お前は異形ではない様だな ここは俺が立ち合おう 決闘も悪くない」レオ様♪


2度、3度の交差で勝負は決した 戦いには必ず流れが存在する 悪勢側の敗北。


「・・・腕が鈍ったと云うことか 認めんぞ、帝国万歳! ゴフッ」討ち取ったり

「ああ ラム帝国が最大勢力で合ってるよ 敵だな奴等の覇道を阻止するのが目的

我々の使命はこれで間違いない、酒が欲しいがな」飛鳥と数名は負傷している様子


「倒したか ここに長居は無用だな 接近戦は危険が伴うが く」だなハイマさん

「私の強さが分かってくれたかしら パンドラさん甘く見たら BAN だからよ?」

「ふん、スケベシーンの部分は相殺されて貰うからね~ 大魔導士舐めんなよ?」


キメ技を披露したドヤ顔が傷口にしみるがレムーア軍の進軍はまだまだ終わらない


「皆よくやってくれたわ でもこの先は更に未知数よ 今ならやれると信じてる! 

我々は孤独じゃない 多くの有志達の応援がついている」埋もれた物語は要らない


激戦を制した勇士に安らぎが訪れるのは何時になるだろう 私の旅団は此処にいた


            第28話 5498文字 某日 (続)

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