第17話

メニースターズ

私の旅団 第17話


マリー達が船旅を続けているその頃ネクロス皇国内では何やら慌ただしい気配が

現皇帝ルドン派と正統のレッツィ派、何者かが印刷したと思われるビラが領土内に

いわゆる風刺と呼ばれる類だが帝都の周辺では穏やかな気配が消えつつあったのだ


「ンまあ、なーんて下品なんざましょ下々の考える事と言ったらば!」ビリッと

ご立腹は現皇帝の母親 ジェラール前王の妃 アマンダ皇后である(元第2夫人)

「フハハ 母上、そう目くじらを立てなさるな このルドンの眼中になしですな」

すらりとした長身、豪華なマントを背になびかせ数々の煌びやかな装飾 彼が―

「ふふ、兄上の悔しがる姿が目に浮かぶ、私の実力だ、愚兄では民は導けんよ」

パタパタと高級な扇子を仰ぎながら「フホホ、ジェラールも馬鹿な男ですこと♪

始めからワタクシを認めていれば惨めな思いをせずに済んだのじゃ、のう?」

「左様で、いや今日もご機嫌麗しゅうございます皇后様 及び陛下 ヒッヒッヒ」


両名を警護していると思われる数名の隠密らしき姿、刺客を連想させる気配だが


「邪魔者には相応の人生が望ましい 恐れをなしてからでは遅かったのじゃ★」

どうやらマリー達がギルドで耳にした噂は眉唾だとは言い難い、陰謀の匂いか

「我が国を更に強固にするには資金が不可欠、穏健では歴史に名は刻めぬわ!」

堂々たる踵を返す皇帝ルドン、彼と皇后は現時点で最大の権力を牛耳っているが

「アドラ団め、私の部隊に何者かをけしかけておるそうだな」(違うと思うがな)

「笑止! 妾と息子の帝位は奪えんぞ! 精々下品な付録でも書いておれ愚民め」





             皇国領(ギルドのアレ)

「ちっーす 聞きましたよシルヴィ先輩 例の好評らしいじゃないっすか~♪」

「しー声がでかい! あくまでもS氏だから! バレたら処断の危険なのよ今」

「全年齢ですって? 画像がなくて助かったわね同志諸君 イラスト込だから」


? 状況が不明だが何を言ってるのだギルメンは 挿入式に変えてきやがったな

嫌な予感がする、我々は今回は執筆のみ、こいつ等のヤりそうな事といえば(笑)


「あー穢れた兄弟愛って ス・テ・キ うふ♡」お見せしたらBANだぞ諸君達!

「やー既に腐った果実 流石上級者ですよね~♪ だって需要あるんだもーン」

「ぎゃはは、俺はギャグで見てますからいいっすけど皇室ネタはマジやば~♂」

「あまい、甘い このシルヴィ先輩は交友関係が広いのよ 絵はお友達に依頼よ

筆ならこの私に任せてくれたまえ ふっふ 旅団より庶民の貴腐人達はこれなの

え、今話題のタイトルですって{背徳のLとR何故僕たちは}これ月刊は貰ったわ♪

クリーンだなんて宣言してないから私等は 美味しいでしょ☆色々と(待てよw

外伝でパクろうかとか考えてないでしょうね同志 m9(^Д^) ダメよ~まじで

本編は君達で頑張ればいいじゃん 裏の楽しさを知ってこそ賢者、そうでしょ」


やはり油断出来ないな奴等は 画像があったらタグ変更を強いられる展開では?

すき間産業はネクロス皇国にも存在していたか 後で原稿を拝見しておこうか

この不遜な態度は口だけではない証拠か 簡単に切る事は出来ない様だぞ諸君

こういった勝負を仕掛けて来る連中は他作にはそれ程いないハズ(嫌すぎるが)

本編を真面目に描いてもギルドの会員に曝されては、こちらを脅す気だろうか

登録自体が罠とは思いたくないが 情報共有のスキを突いてくる手際の良さよ

だが途中割込みでも比重はレムーア軍の方が上だと思われる ターン制バトルか、



「あら、何よ18禁でいいならマリーさんの方も解禁しなさいっての」(駄目!)

「ヤダァ、パンドラさんの伏せ字の奥を望んでる同志は多いのよね~ ウフ♡」

「いやー流石は高難易度 この先は厳しい戦いが予想されます、このサーシャ」



 小森で休息を終えたレムーア軍は再び航路で小大陸の北上を目指す だが――

そろそろ迂回も終盤に差しかかろうとしていた矢先にこちらに向かって来る船が

快晴とは言い難い天候状況だ、大しけではないがそれなりに白波はうねっている

何処かの貨物船だろうか「お、おい俺達の方へ接近してないかもしや」レオ様は

似ていた―― 向こうの方が一回り大きいがガレアス型と思われる、海賊船だ!

                  ・

                  ・

                  ・                 

「お頭~ 久々の獲物発見ですぜ へっへ 何だコイツ等 俺等の同業者か?」

「この海域にのこのこお散歩とは恐れ入る、おーし 身包み剝がしちまうかー」

「ロドグ海賊団舐めんなよ! 野郎ども このまま取舵一杯じゃ いくぜー!」


                

「ひょっとして海戦って初じゃない 原案でもやってないわよマリーさん達は」

「HEY、私達の船は大砲の手配とかしてないわよ パンドラさん相手するの?」

「山賊達を回避した結果がこれか ならず者に変わりはないがな 飛鳥が斬る」


野蛮な怒号と共に既にマリー達の船に標準を定めている様子のロドグ海賊団達が

最新鋭の魚雷やレーダー照射を搭載した近代戦闘ではないがそれなりの威圧感だ

ガレアス級なら標準的にカノン砲の類だろうか、勿論敵側は撃って来るだろう。

幸い一隻どうしの小競り合いだ 大規模な海戦とは程遠い 否応なしに戦闘開始へ


「ズッドォォン!!!」先手はロドグ海賊団達か、うねる白波に派手な轟音が響く

マリー達の船から数メートル右側に着弾! 途端に大きな水柱が甲板全体を襲うが

「野郎 威嚇のつもりか! マスター移乗攻撃して来るわ 強奪目的でしょ奴等、

大魔導士を怒らせた事を後悔させてやる」海水に濡れながらも健全版に相違なしか

「アホやってないで迎え撃った方が宜しいかと 来ますよ」ライオネルが構えだす

予想どうり数発の砲弾の後に強引にレムーア船の左わきに鍵爪を次々と投げつける


「ひゃはは― お前らの船ごといただいてやるぜー 今日は大漁ってな いくぜ」


続々と甲板に踏み込もうとする輩達 典型的なパイレーツ集団だ 意外と数は多い

シミターと呼ばれる湾曲型の短剣を各自片手に構えている、驚いた事に腰のベルト

数人だがアンティークらしきフリント式の拳銃だ! 重火器を持ち込んでいる様だ

「カノン砲撃って来てるんだからそうでしょうね」ピジョンが怯む様子はないが、

「銃は剣よりも強いのか試したらどうだ? 扱う人物次第だと思うぞ」飛鳥が抜く

敵数名が左右から飛びかかる! っと思った時には侍の姿はそこになかったようだ

「抜刀術、割面斬り!」・・・「はあ?」 あっけに取られていた海賊が倒れだす

「なんだ、今何しやがったんだ くっそ 次々行け 大方二日酔いだろうがよw」


危ない! 船酔い体質の義信の斜め後ろからフリント銃を発砲しようとしている

「パンッ!」 乾いた音がうねる甲板に一つ、まるで時間が急に縮む様な錯覚か

・・・撃った瞬間だ、蹴り上げていた その凶弾を放つ相手の手元を、的確に!

白兵戦が得意なハイマだろうか 間髪入れずに「水陣、破龍槍!」ピジョンだ

輝く戦槍の一払い、「ひゃあああああぁ!」きりもみ状に数名を巻き込んで上昇

輩の落下は確認してないが海賊団は戦う相手の事を知っているとは思えなかった


「てめーら! ひょっとして皇国の海兵隊か 上等だ 全員で血祭りにしろぃ」

お頭と呼ばれる獰猛な男の一喝! 「うらああああ!」一斉になだれ込んでくる!

既に登場しているアトランティカ文明と同様にレムーア軍は現代の人間ではない

否、古代人の中でもこの大陸の歴史を覆す可能性がある事を理解出来てないのだ


「HEY、ヒロインが大技出すみたいだからそれで片付けてね、旧式銃ごときで?」

場の雰囲気が急激に変化した、いつの間にか船の上空に薄暗い雨雲が立ち込めたか


          マリーの大詠唱!(エコーかけておいて★)

  「When the spirit of words dancing in the void awakens・・・消えろ

  A requiem for the abyss, evoked by the ruler of the water currents!」


 虚空を舞う言霊が嘆き覚ませしは、水流の支配者が呼び起こし深淵への鎮魂歌!

           「ビッグウェイブディーペスト!」


「あー、Oh、No!な呪文ですね~ 横書きならではですかサーシャ君が思うに」


レムーア軍の後方から巨大な津波が敵勢を飲み込む! ※味方と船は魔法壁が覆う

 「ひっ? おいなんだこりゃ・・・嵐じゃねえのに うわああああああ!!!」

強烈な水流と轟音が深く飲み込む大津波となりロドグ海賊団を船ごと薙ぎ払った

勝利者がどちらかはこの一撃でお判り頂けるハズだ、既に魔術国家だと言っている

味方が放った魔法には耐性がある為、基本的に同士討ちにはならない仕様なのだ


「オリーブさんこのままTUEEE展開でイイと思います♪」異世界恋愛はどうしたの

「集団海戦はなるべく避けたいな 本格描写が難解な部類になる 多分な」レオ達

「私等ライト路線だからこれ位が妥当かもね 混戦はまだ先だからさ」とマスター

                   ・ 

                   ・

                   ・                                    

邪魔をしに来た海賊達を蹴散らしたレムーア軍の船は再び航路を取り直し北上する

ミスト島の停戦から数週間が過ぎようとしていた、これから先の動向が気になるが




      一方その頃 講和を余儀なくされたアトランティカ軍は――


「まさかレムーアの軍といきなり鉢合わせとはな 今期も我々の陣営にとってはあ

まりいい幸先とは言えん様だ、別に油断などしてはおらんが 場が悪かったのだ」

最初に対峙した邪術師のロッティが口を開く、彼は幹部の一人だ 予想どうりに

「ミスト島を中継地点に選んだのは戦略か偶然か、いずれにせよこちらの戦力が整

う前に戦う羽目になるとは計算外だったわけだが 先に講和を打診してくるとは」

西軍の司令を受け持っていた将の一人 名をヘスス 野望は決して小さくはない

「我らの総司令がこちらの時空に降り立つまで、今暫く時間がかかるようだしな

結果的にだが暫定といえ講和状態に持ち込んだ意味は大きい、先の事を思えば尚」

ひと際大柄な地に響く野太い声の持ち主、三人将の一人 彼の名はバズ将軍だ。


「レムーアの奴らと手を組むつもりは無いが 一時休戦の選択は間違いではない、 

最大の敵を相手に奴らも単独で同時に戦を仕掛けるは不利とみたのだ」ロッティ氏

「大陸最大の(伝説)か・・・この時代ではネクロス皇国と表向き名乗っている、

奴らも既に目覚めているか否か 私の見通しではまだ脅威には及んでは」ヘススが

「脅威になってからでは遅いのだぞ そうなる前に戦力を整えておかなくてはな

以前と同じ末路など認めん レムーアの陣営を利用して先手を取れるなら」バズだ

「そう何度も覇権を握られてたまるか! 今期こそ我らが主導権を奪い返すのだ、 

ククク いずれにせよまだ目覚めておらぬならこちらにとって好都合よ だな?」

「先手を仕掛けることが出来れば勢いに乗って勢力を伸ばす事も十分可能なはず

総司令が到着する前にいくつか策を練っておくのも悪くはないだろうさ、さてと」


              ドンドン(軍議の扉)

「会議中失礼します 偵察部からの報告です。皇国軍の最北東部及び 西部地区他

ダークパルス反応が検出された模様です継続して任務を、今日の報告は以上です」

「シッ死ッシッ・・・楽しそうな予感が致しますな💀大陸に具現化してまだ浅き故

本来の力はまだ出せませぬが、策をご検討ならば先陣はワタクシ共など・・・?」


辺りの邪悪な気配が濃く感じる どうやら大陸そのものとって好ましくない連中だ

レムーア軍とは一時講和状態にあるが、この軍事、会議室はミスト島とは思えない


「予想より早いな動き始めたか もう少し待て各地で反応が出ているならば一興

我々より先にレムーアの奴らが先に接触するやも知れん 混乱に乗じるのが策よ」

「ハッ 了解いたしました!」 

「フシシ・・・御意です 戦争は大きいほど楽しめます まだまだ小さいがな💀」



不気味な予感を感じさせるアトランティカの幹部達だった 徐々に近くに来ている

この大陸の覇権を手にするのはどの勢力なのか、狂気の沙汰程楽しみは増す――


            第17話 4607文字 某日 (続)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る