第三章 霞ヶ丘小女子児童自殺騒動17

 チャプター32 学級閉鎖


 霞ヶ丘小女子児童自殺騒動、そんな敬称を付けられたこの事件は瞬く間に全国へと広がっていった。文字通り、全世界へと。

 テレビ、雑誌、ラジオ、あらゆる媒体に載せられて。

 小学生が教室で教師を大型拳銃でもって殺害した後自殺する。そのセンセーショナルな内容には多くの人の関心が集まった。凡そ二ヶ月は霞ヶ丘小の周囲は騒がしかったろう。あまり見られない小中高エスカレーター式の私立校というのも関心を寄せる要因の一つだった。どのニュースを見ても、『閉鎖的な』という文言が使われた。

 メディアへの応対、鳴り響く電話、元町教師の穴埋め、子供たちの心のケア、保護者への説明等々、様々な対応に追われた学校はまず三年生全体に三日間の休学を通達した。

 そして、件の三年四組は一週間の休学が言い渡された。後日、まずは教師の持ち回り、自主学習を用いながら授業を進めるとの説明が為された。

 一週間後、登校してきた生徒は、四組全体の半分にも満たなかったが、徐々に徐々に、その数も、時間が経つに連れて回復していった。無論、その一つの机は空席のまま。その机を片付けるか否か。教職員たちは満場一致で生徒の心の傷を鑑み撤去しようということになった。

 が、四組全体の総意としてそれはなされない。

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