恋
うつくしくないものだけでできている きみは鬼をも殺さぬ天使
やわらかな針の先からきみの目を見る ピンぼけした絵みたいだった
恋とかになれないから上手じゃなくて、この歌詞もたぶんバズらないな
ぼくだけが一方的にきみの名を事故か何かで把握している
超狭い東京の路地、うるせえキャッチ、きみはネオンよりまぶしいね
恋じゃない 恋じゃないからしなないし、きみの手を握っても泣かないし
きみの手を介してひとに成ってゆく きみは遅効性の麻痺毒だった
むきだしの左手が赤くなるたびに寒そう!って笑うきみはかわいい
消えない街で恋をする しずかでうつくしいきみは冬のおわりのひと
夢の国からめざめてもぼくたちは東暦が始まるまで生きる
きみのいる言葉の粒を手に取ってきみを見つけてまた見失う
きみはうみ、春のまどろむうみに似て背すじの伸びるにおいがする
恋という名前がついてきみになる きみを真珠のようだとおもう
善意の糖度 沙雨ななゆ @pluie227
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