夢の跡なんて一生わからずに退勤カード切ってつく帰路

すりつぶす　砕く　溶かして進む　人はだれでも救世主になれる

インスタの映えの向こうにある景色　まだぼくたちは元気でしょうか

急行通過待ち各駅停車　まだ発車しないから走らなくていいや

ゆるゆると終わっていくから一ミリもうつくしくないろうの残党

お金とか地位も名誉も暖房もないけど幸せになるわけないだろ

三年も使ってそろそろ傷ひとつ味ではないプラスチック・マグ

朝露をあつめた背中まぶしくてこのまま外気で凍ってくれたら

指先の鉛筆ばかりふるえててとつぜんこころが見えちゃうみたい

雨みたいなにおいがしたら落ち着いた　僕しかここにいないみたいで

断簡を咥えて走る　親知らずが泣いちゃうくらい夜には痛い

足元が寒くてすごくかわいそう110円の靴下を履き

口ずさむうたはなんにも意味がなくメロディーラインすらあいまいで

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