ドーナツを一日ひとつ食べないと指の先から消えゆく運命

手を伸ばす　暗がりはまだ街灯の恩恵を受容せずにくるしい

魔法とか全然ないや　全米を泣かせるような不幸もないけど

カフェオレの色をたたえたやわらかいクロワッサンと浮気した朝

せいかつをととのえるためコーヒーを煎れてみたのにまずくて泣いた

いつのまにか人類は食器をカトラリーと呼んだ　気取りやがって

乱反射するキャラメルをいっぱいに敷き詰めた昼みたいな嘔吐

きらきらひかる茶碗一杯の幸を守るためなら悪にもなれる

無造作におかれた星もいつのひか星座になるための意味の四季

口当たりのいい菓子ばかりポケットにたくさん詰めてもいきていけない

タピオカ製のヤニを吸う　わたくしの人生はいつも映えているので

おひさまのミルクの味をおぼえてる右手の平の温度が憎い

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