第7話 小さなことからコツコツと

 今日はエアコン設置工事である。英和田さんがユーチューブの攻略本を読んでいる。パソコン関係は英和田さんに任せるにかぎる。


 しかし、有能な人材が集またものだ。


 これで第一生徒会と戦える。と、思い上機嫌であった。


 先ずは何から攻める。生徒会の仕事と言えば学園祭の運営や格部活の予算配分などと多岐にわたる。


 零細部活の支持を受けてクーデターの準備といくか。皆が第二生徒会室に集まり、決起集会を行うことにした。


 時間は今日の放課後である。そして、皆が集まると。


「えぇぇ、皆さんに集まってもらったのは他でもない。第一生徒会を打倒するべき為に、ここに宣言する……」


……。


 あれ?反応がない。伍代さんは読書を初めて、英和田さんは人形町さんとユーチューバーの打ち合わせに入る。


 少し、伍代さんに理由を聞くと。


「浅野さんが一番使えないからです」

「り、り、リーダを舐めるなよ」

「仕方がないですね、この軍師なる伍代が立派な君子にしてみせます」


 ふう~いちじはどうなるかと思ったが、伍代さんが軍師になってくれるなら怖いモノなしだ。


「よーし、先ずは零細部活への挨拶周りだ」


 てな、訳で、校内の零細部活に挨拶周りを始めたのだ。先ずは、昆虫同好会。部員は二人。小さいなー、それでいて部室がちゃんとある。

 一畳ほどの部室の中は昆虫の標本だけである。


 この昆虫同好会は文化祭の時に大活躍なので今まで潰れずに済んだのだ。量もそうだが質が高いので一般人が時々見るには適している。


 しかし、部室には誰も居ない。壁に張り紙がしてある。


『御用の方は下記の電話番号に電話して下さい』


 うむ、電話してみよう。


『はい、こちら、昆虫同好会』


 繋がった、どうやら、職員室に繋がったようだ。


 で、挨拶周りとは何をやるのだ?


『えーわたしは第二生徒会の者ですけど、あなた誰ですか?』

『昆虫同好会の顧問の『海道』だ、いたずら電話なら切るぞ』


 海道先生?確か生物の先生であった。


『それで、部員の方は?』

『勿論、帰宅部だ』


 ああああ。わたしは何をしているのだ?確かに先生方に宣伝してもいいのだが、それでは挨拶周りの意味がない。


『第二生徒会をよろしくお願いします、それでは、失礼します』


 電話を切ると虚しさだけが残り。気分が悪くなる。それから、わたしは一呼吸すると、イヤ、ここから成り上がりだ。と、思うのであった。

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