第3話 チラシが完成するまで

「よし、次はプリンターだ」


 わたしは印刷室に向かい、授業に使うプリント用のプリンターに目星を付ける。ちと、デカいが問題なかろう。印刷室に来る先生達に、もっと使いやすいプリンターがありますよと言う。信じる先生が居たら『買い替え時』ですよと吹き込む。先生方に噂が広まり教頭先生がやって来る。


「お前か、プリンターの故障説を流しているのは」

「うん?何の事ですかね、試しに印刷して下さい」


『グイーガチャン』


 あれ?ここで教頭先生が印刷の仕方が分からなくて、買い替える予定がおかしいぞ。


 プリンターは『ガガガガ』言うばかりである。


「壊したのか?」

「いえ、偶然です」


 わたしはブンブンと首を横に振り犯人でないことをアピールする。しかし、悪いタイミングで壊れた。このままではプリンターを壊した罪をきせられる。


「仕方がない、業者に見てもらおう」


その後……。


 業者の話では大型の紙の印刷ができなくなっているらしい。教頭先生は壊れたプリンターの代わりを買う事にしたらしい。


「処分するならください」と頼んでみると。

「大切に使えよ、高いプリンターなのだから」


 偶然とはいえ、大型プリンターを手に入れたのだった。


***


 パソコンとプリンターを使い第二生徒会のチラシが完成した。これで更なる人材が集まるぞ。早速、校内の掲示板にチラシを貼る。


「なんですの?この汚いチラシは?」


 はい?何か罵倒されたようだが。


「フォントもそのまま、画像も一枚しか使ってなし、何よりセンスが悪い」


 通りかかりの女子に酷いことを言われたきがする。


「そこまで言うなら、お手本を見せてくれ」

「いいでしょう」


 謎の女子を第二生徒会室に案内する。


「誰です?」


 伍代さんが名前を聞くと客人は『英和田 すばる』と名のる。


「ふふ、美味しそうな子猫ちゃん」


 この伍代さんと言う人物は百合ならだれでもいいのか?

 

 と、小首を傾げる。などと、考えていると、英和田さんがカタカタとパソコンを操作してチラシが完成する。


 「おー綺麗だ」


 要点のまとまった、チラシはプロが作ったかと思うほどだ。


「決めた、英和田さんを第二生徒会からスカウトする」


 それから、しばしの沈黙の後で英和田さんは快諾するのであった。

「ま、当然よね、このわたしがスカウトされるのは」


 しかし、高飛車だ、コミ障害に近い。

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