第2話 トイレ掃除から脱出だ
翌日、第二生徒会室に担任がやってくる。
「部員は二人か、なら、出来そうだな」
何やら依頼がある様子。伍代さんは興味なさそうに色付きリップを付けている。
「依頼は簡単、グランド横のトイレ掃除だ」
はて、よく聞き取れなかった。これは脳内で余分な情報をカットしているらしい。
「浅野、トイレ掃除をお前に頼んでいる」
「あの汚いトイレですか?」
「そうだ」
それは屈辱であった。生徒会長にトイレ掃除だと。気がつくとトイレ用ブラシにゴム手袋に酸と書かれた洗剤を手にしていた。
「キーキー、あの選挙で負けたからだ」
「浅野さん、トイレ掃除を早く終えて、昨日続きをしましょう」
伍代さんはトイレ掃除をヤル気満々である。
うーん、昨日の続き……。かーーー考えただけで恥ずかしい
しかし、汚いトイレだ。個室の中にある小箱からは汚物が溢れている。
ゴム手袋でつまんでゴミ袋に入れる。何だ、この状況は奴隷なのか?わたしは奴隷なのか?
「浅野さん、逝くにはまだ早いですよ」
「は、ありがとう、もう少しで召されるところだった」
地獄の様なトイレ掃除を終えて第二生徒会室に戻る。
「ところで、昨日の続きは?」
「ふふふ、ダメ、おあずけよ」
絶望した、ご褒美のない労働などクソだ。
その後トイレ掃除は毎日も続いた。トイレ掃除を終えて第二生徒会室に戻ると。
「ダメだ、この生活から出ねば、とにかく、パソコンを手に入れよう」
確かeゲーム同好会があったはずだ。わたし達は部室棟のeゲーム同好会に乗り込む。『バン』とドアを開けると。
「ここで正義の味方の登場です」
「あん?」
流石に正義の味方は言い過ぎかな。そんなわたし達は部室の中にいる人達はガン見みされる。
「パソコンを一台、貰いに来ました」
「だから、誰?」
「第二生徒会の者です」
何用だと聞いてきたので。改めてパソコンが欲しいと言う。
「ち、ち、ち、賭けをしないか?わたしが勝ったらパソコンを貰う。負けたらメイド服でご奉仕するのはどうだ」
「このゲーム同好会にゲームで勝つ?面白い勝負だ」
わたしはスクールバックからスーパーファ〇コンとストⅡを取り出す。
「イケイケ、チュンリー」
「これってレトロゲームだよな」
「イエス」
この時代にストⅡなどをする高校生などまずいない。つまりは無双して勝ったのだ。
「詐欺だ、パソコン返せ!」
「ノン、ノン、賭けで無双して勝った、景品は貰う」
わたし達はパソコンを第二生徒会室に運ぶのであった。
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