第5話 外国人観光客と僕の温泉での出来事

 飛騨高山に観光に来た。


 チェックインを済まし、ホテル内の大浴場に行き、靴を脱ぎ、脱衣所で服を脱ぐと、大浴場から外国人観光客の絶叫が聴こえてきた。何語かはわからなかったが、英語ではないことは確かだった。裸になり、もしかしたら襲われるのではないかと思いながら大浴場の扉を開けると、胸までバスタオルを巻いた外国人観光客が二人いた。また、なぜか靴下をはいていた。彼らはシャワーを出そうと格闘していたが、僕の姿を見ると、しばらくしてから大浴場から出ていった。結局最後までシャワーは出なかった。また彼らはなぜか大浴場からバスタオルを巻いたまま、服に着替えずに出ていった。もしかしたら部屋からバスタオルで出てきたのかもしれないなと僕は思った。

 僕は湯に浸かりながらふと思った。彼らはなぜ胸までバスタオルを巻いていたのか。もしかしたら彼らは女だったかも知れない。間違えて男湯に入ってきたのかもしれないなと思った。

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