第296話  君の声

あの頃、大声援の中でも君の声だけは特別だった。


君の声が消えて10年。

引退セレモニーの大声援に「おつかれさま~」と君の声。

ハッとして振り向けば、誰かと微笑みあう君の姿。


君はとっくの昔に僕から引退していたんだったね。


観客に向かい「ありがとう」と叫ぶ。

僕の声は、君に届いただろうか。


ー完ー


君が幸せそうで良かった。。。


*****


明日のお題は『すりガラス』デス^^

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