第295話 札束

金庫の札束を空しく眺める。


手に入らないものは無かった。

時に札束で頬をはたくような真似もして手に入れてきた。

なのに……。


君は違っていた。

欲しい物も行きたい場所もない。

欲しいのは愛だけ。


僕は、自分の貧しさを知った。

本当に欲しいものは、札束では手に入らなかった。


ー完ー


昨日今日、巷を賑わしているニュース。

堂々と手口を紹介し、赤の他人からお金をせびることが賎しいとも思っていないであろうさもしさに愕然とするけれど。

お金でしか自分の価値を量れない寂しい現実があったのだろうな……。


*****


明日のお題は『君の声』デス^^


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