作戦名【猪野天音ちゃんのハートに火をつけて……】

「……さよりちゃん、お待たせ!! お泊まりの食材を買ってきたよ」


 買い物袋を両手に抱えた天音ちゃんが部屋に戻ってきた。


 ……やっぱり素敵な笑顔だな、私だけに向けていないと分かっていてもその屈託のない笑顔に思わず見とれてしまう……。


 だけど今は見とれている場合じゃない、私の手にはおギンギン状態の秘密兵器が、

 激しい存在感で屹立しているんだ。ど、どおしよう、隠すところがないよぉ……。

 そうだ、ココに入れておこう!!


 ぐいっ、むにゅう!!


「あ、天音ちゃん、お帰り!! は、早かったね買い物……」


「さよりちゃん、どうしたの、顔が真っ赤だよ、この部屋暑かった?」


「いやいや!! 全然平気だよ、天音ちゃんこそ一人で買い物行かせてゴメンね」


「ううん、ウチでは天音が買い物担当だから何てことないよ、それにお友達とお泊まりするのさよりちゃんが初めてなの。だから天音すっごく楽しみなんだ!!」


 ぶはっ!!


 見た目は美少年なのに、あまりに女子な反応に思わず鼻血が吹き出そうになる。

 眩しすぎるぅ、このセリフが素で言える天音ちゃんはマジで天使様だ。

 いや、私にとっては心を惑わす悪魔かもしれない……。


「あ、天音ちゃん、それって……」


「うん、さよりちゃんが初めてのお泊まり♡」


 ピーーーーー!!


「皆川です、急な入電申し訳ございません、現在、こちらでモニタリング中の、

 さよりお嬢さまの心拍数が異常値を記録しました、何かトラブルでしょうか?

 さよりお嬢様、どうかお返事を!!」


 ……もう辛抱出来ない、皆川からのBTイヤフォンへの入電も耳に入らなかった、

 私はそのまま、天音ちゃんに抱きついてしまった。


「天音ちゃん!!」


「きゃあっ、さ、さよりちゃん!?」


 天音ちゃんの両手から買い物袋が床に落ち、鈍い音を立てた、

 そのままベットの上にもつれ合いながら倒れ込む。


 驚いて身じろぎ出来ない天音ちゃんの頬にキスの雨を降らせたくなるが、

 必死の思いで我慢した、まだ早すぎる、作戦はこれからだ。


「さ、さよりちゃん、どうしたの? 天音にしがみついてきて……」


「……天音ちゃん、しばらくこのままで居させてください」


 夢にまで見た天音ちゃんの腕の中に居る、先ほどベットで嗅いだ香りに包まれる、

 このまま時が止まったらどんなにいいだろう……。


 こんなはしたないことして、天音ちゃんに嫌われるかな……

 もうお友達の関係を維持できないかもしれない。


「……天音ちゃん!?」


 次の瞬間、驚いてしまった……。


 天音ちゃんが私の頬を両の手のひらで優しく包んでくれた。


「さよりちゃんったら甘えんぼさんだね、何か悩みでもあるの? 天音が今晩ゆっくり聞いてあげるから……」


 今の私はワンコだ、天音ちゃんの言うことなら何でも忠実に聞く忠犬。

 男装女子である天音ちゃんの平らな胸に顔をスリスリするワンコだ。


「あ、天音ちゃん、好き好き、大好き♡」


「あっ!? こらこら、さよりちゃん、胸がくすぐったいよぉ♡」


 これほど女の子で良かったと思ったことはない、天音ちゃんの身体を隅々まで

 スリスリ出来るから……。


「さよりちゃん!! ちょ、ちょっとストップして。何だか固い物が当たるんだけど」


 そう言われても一度暴走したシベリア超特急は止められないよぉ!!

 天音ちゃんの言葉を無視して続けようとしたが自分のおっぱいにも妙な違和感を感じた。


 これは一体何なの……!?


 天音ちゃんの胸と私の胸に挟まれておギンギンなアレの先っちょが狂暴な頭を出していた。


 うひゃあ!? 先程、服の中に隠した秘密兵器がコンニチワしてるんだ!!


 ヤバすぎる光景だ。とても現役女子高生の口からは言えない状況だけど、コレって、ド〇クエ的にぱふぱふ状態なの!? 


 どうやって私はこの状況を切りぬけたらいいの!!



 禁断の秘密兵器な次回に続く!!

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