作戦名 【猪野天音ちゃんに私のたわわなおっぱいを好きにさせない】

「あ、あまねちゃん、お風呂ってシャワーだけとかないよね、湯壺ゆつぼもあるよね?」


 私、本多ほんださよりは十六歳の女子高生だ。今の私は悪い子かも!?

 妄想がどくどくとあふれて、し、辛抱たまらん状態になっているから。

 その理由わけは私の前にいる天使様のせいだ……。


 猪野天音いのあまねちゃん、私と同じ県立中総高校に通う女の子、

 だった……。

 少し前までは学園一の美少女で私はその存在を遠くから見つめているだけだった。


 肩まで流れる艶やかな黒髪、清楚な中にも愛嬌のある顔立ち。繊細な陶器のような白い肌、見る物全ての心を鷲掴みにするような美少女。

 知り合いになる前から学校や通学の電車で彼女を見かけていた。何故なら彼女の周りだけ空気が違って見えたから……。 隣のクラスで目立たない私はその輝きをまぶしそうに見つめるのが精一杯だったんだ。


 そう、あの事件が起きるまでは……。


 私は朝の始業前に学校の女子トイレに入っていた。



 *******



「……もうブルマとか穿かなくてもいいんだっけ、間違えちゃったな」


 トイレの便座に腰掛けながらおもわず独りごとが唇からこぼれた。

 私は嬉しさとおかしさが入り交じって思わずその場で吹き出してしまった。


 ……私が男性恐怖症になった理由わけdは、毎朝の通勤電車で必ず痴漢に遭ったからだ。もともと子供の頃から家族以外の男性と接するのは苦手だった。


 あっ、でも執事の皆川は育ての親がわりだから平気だよ!!


 高校で電車通学になってからも電車で私は痴漢被害に遭い続けた。

 本当に苦しい時期を過ごした。なんで私みたいな普通の女の子が痴漢の標的に

 されるのか不思議でならなかったんだ。母親に相談したら制服のスカートが

 短いんじゃないか? と指摘され対策として下着の上に往年のブルマでガードした。しかし痴漢被害は減らなかった……。


 逆に前より増えてしまった気がするのは何故なの!?


 そんな地獄の日々から私を救い出してくれる素敵な王子様が現れた。

 それが学園一の美少女、私には手の届かない高嶺の花と諦めていた猪野天音ちゃんだった。


 訳あって男装女子になった天音ちゃんに学校中は大騒ぎになったんだ。

 ふふっ、その時は私もまだ男の子と信じていたっけ……。


 身支度を調えて個室から出た私は驚きのあまり悲鳴を上げてしまった。


「きゃぁああああ!!」


 私の王子様と女子トイレで鉢合わせしてしまったから。


 あまりのショックに泣きじゃくる私に男装女子の天音ちゃんはなすすべもなくオロオロするだけだった……。


 男の子が女子トイレにいたら誰でも驚くよね。特に痴漢被害に悩まされていた

 私は敏感に反応してしまったんだ。

 その後、天音ちゃんが事情があって男装をしていると知り誤解は解けた。


「どうしよう私、凄い勘違いしてた……」


 ……私の勘違いで天音ちゃんに迷惑を掛けてしまった。


 私は恥ずかしさでさらに泣きじゃくってしまった。そんな私に天音ちゃんはハンカチを差し出しながら、やさしく身体に触れてくれた。


 天音ちゃんに触れられた瞬間、思わず身体を強張こわばらせたが私はその必要がないことに驚きを隠せなかった。


「触られても平気だ……」


 連日の痴漢被害で男の人が近くに来るだけで拒否反応を起こしていたのに。

 触れられても大丈夫だったのは天音ちゃんが男装女子だったからかもしれない。



 *******



「さよりちゃん、湯壺ゆつぼってなあに?」


 そうか、一般家庭では湯船ゆぶねだったことをすっかり忘れていた。

 私は普通とちょっと違う環境で育ったこともあり、つい古風な物言いをしてしまうんだ。


「あ、ううっ、ゆったりと浸かれる湯船のことだよ、天音ちゃん!!」


「なんだ浴槽のことか……。うちは二人で入れるくらい広いよ!!」


 えっ!! 二人でもつれ合いながら入浴可能なの!?

 あんなことやこんなことも!? 私の脳内で荒ぶる妄想列車が出発進行し始めた。


 ぶばっ……!! 


 おわっ!? 興奮のあまり鼻血が出てしまいそうなった……。


 ロリイタファッションのドレスを汚しちゃマズいよぉ。

 天音ちゃんに気付かれないようにハンカチで鼻を押さえる。


「じ、じゃあお風呂に案内してくれる……。天音ちゃん」


 動揺で声が震える。


「うん、背中流してあげるね、さよりちゃん♡」


 知らぬが仏とはこのことだろう。私は秘密兵器の箱にチラリと視線を落とした。

 天音ちゃん、覚悟はいい? 私は断言するっ!!


 今日の夜にはあなたをこの手で抱きしめてみせる……。


 ま、まずはお風呂で天音ちゃんを堪能しよう。きゃっ言っちゃった♡


「わあっ!! さよりちゃんの胸って大っきいんだぁ……」


「そ、そうかな? 自分ではあんまり分からないけど……」


 それは嘘だっ!! 私は毎日育乳いくにゅう日記を付けているんだ。

 お祖父ちゃんの教えに従って……。それは一言で言うと女性の美しさの象徴、

 おっぱい、そう乳房信仰なんだそうだ、美しい物にはうつくしい精神が宿る、

 我が本多家の女性はそれを習慣にさせられているんだ。あわせて育乳補整下着も着けている。


 だからおっぱいの美しさにはちょっと自信があるんだ……。


「天音、羨ましいかも……。さよりちゃんのおっぱいが」

 えっ!! 私の胸が羨ましいって!? 男装女子の彼女にはおっぱいは邪魔じゃないの。


「天音ちゃん、今は胸を隠しているけど大きい胸に興味があるの?」


「うん、それは普通の女の子だった時より強くなったかな。男装は胸にも負担も掛かるしバストケアをもっと勉強したんいんだ……」


 真剣な表情の天音ちゃん、よし!! 私も協力してあげなければいけない。

 不思議な使命感に燃え、自分のおっぱいの先端さきっぽが熱くなった。


「ねえ、さよりちゃん、おっぱいを揉ませて貰ってもいい?」


 妙な使命感に萌えさかる私は耳を疑った……。


「ええっ!? 私の胸を?」


「うん、揉み揉みしたいんだ、さよりちゃん」


 もみっ、むにゅ、むにゅ♡


「ふ、ふわああっ!?」


 わ、私が先に天音ちゃんのおっぱいを触るはずなのに……。

 これじゃあミイラ取りがミイラになっちゃうよぉ。



 さらに鋭い次回に続く!!



 ☆☆☆お礼とお願い☆☆☆


 あけましておめでとうございます!!


 本年も何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m


 最新話まで読んでいただきありがとうございます。


 少しでもこの作品が面白いと思っていただけましたら、


 レビューの★や作品ブクマ・♡でご評価いただけたら嬉しいです。


 今年も毎日夜の八時五分ごろに更新予定です。

 

 

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