◆義妹か同級生か

 とにかく、この場を鎮めないと大事件になってしまう。



「二人ともストップ! 銃刀法違反だぞ。補導どころか、逮捕だ」


「「う……」」



 二人とも正気になってくれたのか、矛を収めた。

 どうしたら、愛海も紫藤さんも止められるんだ。どうすれば、二人を幸せに出来るんだ。


 両方は無理か……。


 どちらかを選ばなければ……いけないんだ。でも、そんなの決まってる。だからこそ、俺は強く……強く。……うぅ、どっちに転んでも刺される未来しかない。


 嫌な予感しか脳裏を過ぎらない。


 いや、ネガティブに考えすぎか?


 けど、一歩間違えれば殺人事件だ。



 こうなったら……。



「愛海、紫藤さん、こうしよう。仲良くみんなで遊ぶんだ」



「無理、嫌」

「それは無理」



 愛海も紫藤さんも即答だった。

 ……ダメか。


 いよいよ詰みかと思われたが、背後から声を掛けられた。



「君たち、こんな平日に何をしているんだね」



 振り向くと、そこにはお巡りさんがいた。やっべ!! 俺はともかく、愛海も紫藤さんも凶器を所持している。万が一、バレたら大変だ。



「地域ボランティアです! なんでもないですよ」

「う~ん? 地域ボランティア~?」



 お巡りさん、めっちゃ疑ってる。



「ゴミ拾いとかしていたんです」

「……そうかね。さっき通報あってね、二人の女子高生が包丁とナイフを持ち、男の子を脅していたとね」



 ……み、見られていたのかぁー!!

 うわ、どうしよう。


 なんとかして、切り抜けなきゃ!

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