◆危険すぎる女子トイレ

「どうしたの、早田くん?」

「あー…いや、その……。ウッ!!」


「!?」


「す、すまない。紫藤さん、それに愛海も! 俺、腹が痛くなって……イテテテ。すまん、ちょっとトイレ!!」



 などと、俺は上手く誤魔化して逃げ出した。


 あっぶねえ、危うく修羅場になるところだったぞ。



 * * *



 学校に到着。

 かなり走ったので息が乱れている。

 床に腰を下ろしていると、いきなり目の前にナイフが接近していた。


「お兄ちゃん、なんで逃げるのかな」

「うわ、愛海!!」


「ねえ、お兄ちゃん。こっち来て」


 ナイフで脅されて、俺は抵抗できない。ついていくことにした。


 廊下を歩いて行くと……そこは女子トイレだった。


 え、まじ?


「おい、愛海。ここはダメだろ」

「いいから入って」


 ……俺がヘンタイ使いされるんだがな。仕方ない。渋々ながら女子トイレに入った。


 幸い、他の女子はいない。


 一番隅に入って施錠する愛海。



「何をする気だ」

「もうあの紫藤っていう女が許せない。お兄ちゃんを取られる前に、わたしがお兄ちゃんのはじめてをもらう」


「ちょ、え?」


「脱いで」

「ぬ、脱いで!?」


「脱がないとお兄ちゃんを……でもね。わたしはお兄ちゃんのことすっごく愛してるの。好き、大好き。こんなにお兄ちゃんのこと愛してる女の子いないと思う」


 制服を脱ぎ始める愛海。

 ここで本当にする気か!?

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