第17話
烈火が重症を負ってから数日が経過した。
あの後すぐに救援が来たこともあり、烈火が命を落とすことはなかった。傷の重症度も最悪の域には届いておらず、数日の療養にて回復する見込みが得られている。ただしその間、烈火は『医術』を生業とする紅家の分家、赤星が管理する病院のベッドから動けない状態にいた。例え本人が大丈夫と口にしても、その言葉を鵜呑みにする人間は誰もいなかった。
数多もその報告を受け、二つの感情が内に芽生えた。一つは安堵。烈火の怪我が回復可能であるものだったことに、心の底から安堵した。今の数多にとって烈火の安否は、精神状態を揺るがすほどのことであった。
そしてもう一つの感情は、無念。多少鍛えようが、心を入れ替えようが、助手としての役割を、烈火の背中を任せられることは出来なかった。結局はただ烈火の足を引っ張るだけの存在、今の数多は自身に対しそのような評価しか下せなかった。
故に数多は烈火が病院に運ばれたというものの、一度も顔を合わせていない。一体どの面下げて彼女に会えばいいのか、数多にはこれっぽっちもわからなかった。例え烈火がなんとも思っていなかったとしても、数多自身がそれを許さなかった。
だからあの日が過ぎてから、数多は訓練を再開した。烈火が休養中で仕事がやってこないのをいいことに、狂ったかのように自身を鍛えた。一の稽古も時間が許す限り付き合ってもらい、空いている時間も足りないものを補うための努力をやめなかった。無茶しても壊れにくい体質なのを利用した数多の姿は、まさに呪われていると表現するに値するものだった。
そんな背景もあり父である一以外の人間は、数多の姿を見ようとはしなかった。単純に興味がないからか、忙しいからか、はたまた見ていられなかったのか。その真相を知るものは誰もいない。少なくとも数多の耳に、真実が届くことはなかった。
「かっ、はぁ……あぁ……」
そしてその日も、数多は赤宮家の別宅にある道場にて、己を鍛える訓練に励んでいた。既に限界ギリギリまで身体を追い込んでおり、数多の身体はボロボロに近い。全身切り傷だらけで服も無残なものとなり、足元には赤い水溜りが至るところに存在する。その上を歩いていたのか、赤い足跡までそこら中に散らばっていた。
父であり暫定的な師匠である一は焔のところに行っているため、現在道場には一人しかいない。その中で数多は父に勧められた訓練を積んでいた。その結果が、この酷すぎる道場の有様だ。どれほどの訓練なのか、常人には計り知れない。少なくとも腹部に刀が刺さっている時点で、誰もがそう察するだろう。
ただそのせいで数多もそろそろ倒れそうであった。模造刀を支えにしないと立っていられず、苦悶の表情を浮かべる。吐き出す息も非常に弱々しいものであった。それでも数多は訓練を止めなかった。限界の向こう側に行くかのように、ただ死力を尽くそうとしている。
「まだ、だ……俺はもっと、つよく、ならなくちゃ……」
「――その前に死ぬわよ、本当に」
無茶する身体で訓練を続けようとする言葉に待ったをかける声が、数多の耳に届いた。ここ数日一しか会っていなかった数多は、確実に一ではないその声に機敏に反応した。するとそこにはいつぞやの時と同じように、同じ少女が呆れた表情で数多を見つめていた。
「……さな、え?」
「……一様の言葉を信じてよかったわ。さすがの私も、知り合いに死なれるのは目覚めが悪いからね」
数多の身体の状態を確認しつつ、早苗は少しだけ安堵する。何故早苗がいるのかわからない数多だったが、そんな数多を放置するかのように早苗は数多の元へ向かう。そして今にも倒れそうな数多を軽く押し倒し、その上に馬乗りになって数多の身体の自由を奪った。腹部に刺さったままの刀を抜き取り、出血する前に清潔な布で傷口を抑えていく。
「な、なにを……!」
「応急処置よ。それとドクターストップ」
そう答えながら、早苗は慣れた手つきで数多の首筋に注射器を刺す。中身は血液増強剤で、ゆっくりと数多の体内に流れ込んでいく。血液が熱くなるような感覚を味わい、直に回復する気が数多の中でしてきた。
「一様からある程度の状況は聞いているわ。これ以上無茶すれば、赤宮数多も病院送りになるって、一様は見抜いていたわ。まさかその通りになっていたなんて……」
「それでも、俺は強くならなくちゃ……!」
「それが、烈火様が望んでいることなのかしら?」
応急処置を施す手を止めることなく、淡々とした声色で早苗は問い詰める。
「強くなることはいい。でも病院に送られるほど身体を痛めつけても、烈火様は納得しないと思うわ。もし償いか何かでしているのなら、今すぐ止めなさい。きっと、誰も喜ばないわ」
死刑宣告をするかのような鋭い威圧に、数多の中から反抗する意志が失せた。ここで限界を超えて無茶して、倒れでもしたらまた誰かしらに迷惑がかかる。そのことだけが脳裏に浮かび、数多は自分の考えの甘さを悔やむ。
その後は早苗に全て任せ、ある程度の応急処置を済ませる。血液増強剤を打ったことで、数多の顔色も徐々に良くなっていく。無数の傷口も既に塞がれており、数分もしない内にしゃべれる程度にまで回復する。その気があれば、身体を起こすことも出来た。
「……すまん。さっきの俺は死にかけていたからか、理性が崩れかかっていた」
「謝らないで。赤宮数多に謝られても、私は嬉しくないわ」
照れることも、蔑むこともせず、変わらない事務的な表情を浮かべる早苗。数多が感謝の言葉を口にしても片付けの手を止めない辺り、本当に気にしていないことが見て取れる。
それでも早苗から見ても、数多の様子が違うのは明白だった。ある程度の作業を終え手持ち無沙汰になったところで、早苗は何気なしに問いを投げた。
「……やけに精を出しているみたいね。一体どのようなトレーニングをすれば、こんな有り様になるのかしら」
「別に。特に変わったことはしてないさ。小太刀の扱いに慣れるために、毎日素振りをしているだけだぞ。ただ予め全身傷らだけにして、常に出血している状態でしているんだけどな。今日は腹に刀も刺してみた」
「……また無茶なことするわね」
「赤宮の伝統だとさ」
乾いた笑顔を浮かべつつ、数多は答える。
「俺たちが戦場に出れば、基本的に無傷で帰ってくることはない。それを想定した訓練なんだけど、早苗の言う通り今日はさすがにやりすぎた」
「全く、しっかりしなさい。自己管理なんて常識中の常識よ」
「はい……すいません」
早苗の正論に言い返すことも出来ず、数多は素直に謝った。実際数多の中にも無茶した自覚はあった上に、こうして病院送りにされる前に助けられたのだ。そこで無意味に怒るのは筋違いだった。
「それもこれも、全部烈火様のためってことで、いいのよね?」
早苗の声色に真剣みが増していく。核心に迫っていくような言葉に、数多も誤魔化すことなくちゃんと答えた。
「あぁ……だいたいそんな感じだ。響矢にも、随分きついことを言われたよ」
「……赤霧響矢に?」
それは知らなかったのか、早苗は素直に聞き返す。
「父さんの都合で紅家に行った時にな、たまたま会ったんだよ。そしたら向こうも全て知っているのか、憎たらしく俺のことを煽ってくるわけよ」
天井を見上げながら言葉にする数多。そうすると彼の脳裏に、その時の光景が鮮明に思い出されていく。それもあってか、数多の表情も少しだけ歪んでしまった。
「あまりにも露骨すぎるから、今でも覚えてるよ……『やはりお前は烈火に相応しくない、底辺の無能だ。さっさと消えてくれ』ってな」
響矢の声真似をしながら、数多はその言葉を伝えた。お世辞にも数多のモノマネはそこまで似ていなかった。それでも言葉の内容が内容なだけに、早苗は失笑することも出来なかった。
「……言葉にしなくても、アイツの顔を見たらそんな風に言われてる気がしたよ。そのくらいのことを、俺はしでかしたんだ」
主に守られる助手。これが恥ずべきことであるのは、数多が一番わかっていた。だから響矢に厳しいことを言われても、何も言い返せなかった。全ては自身の不手際の結果、現実を受け入れないのはもっと恥ずべきことだと割り切っていた。
そしてふと、数多は早苗の顔を見る。何か考え事をしているのか、数多から視線を外していた。響矢ほどではないにしろ、早苗も数多の存在を認めてはいない。だから早苗からも似たようなことを言われるのかと、数多はつい身構えてしまう。
「……赤霧響矢の言葉に同調するわけではないけど、敢えて言わせてもらうわ」
考え事がまとまったからか、早苗は数多の目を見る。ある程度の暴言を覚悟しながら数多は早苗の言葉を待った。しかし早苗が口にした言葉は、数多が想像していたものとベクトルが違った。
「赤宮数多……貴方は本当に、烈火様のパートナーになる気はあるのかしら?」
一瞬、何を言っているのか数多の理解が追いつかなかった。返事が出来ないのをよそに、早苗は言葉を続けた。
「貴方が今必死に修練している理由なら、この前聞いたわ。烈火様や赤霧響矢の態度が悔しくて、それを見返すために強くあろうとしている。動機が不純であることには変わりないけど、強くなろうとしているのなら文句は言わない。巡り巡って、烈火様のためになるのだから……でも結局はそれだけなのよ」
「それだけ?」
「そう。赤宮数多は烈火様たちを見返す、という目的のために修練を積んでいる。でもその目的が果たされたら、貴方はどうするの?」
数多に、数多の心に問いかけているかのように、早苗は数多の胸元を指差した。
「赤宮数多はそもそも、この世界に足を踏み入れることを嫌がっていた。なら必然的に、目的が果たされたらこの世界から足を洗うことになる。でもその対価に対して過程の代償があまりにも重すぎるわ……今みたいに、高頻度で命の危険に晒されるのだから」
早苗のその言葉は、数多の心に深く突き刺さった。他でもない数多自身が、一番よく知っているからだ。こちら側に来て数多が死にかけた数は、一度や二度ではない。現在進行形で自らの身体を痛めつけているのもあり、その事実は痛烈に心に刺さった。
「貴方がいなくなればおそらく烈火様は悲しむでしょうね。でもやる気もないのに居座られても困るわ。赤宮数多にとっても、烈火様にとっても、時間の無駄と言わざるを得ないわ」
時間の無駄。17の少年にぶつけるには重すぎる表現を、早苗は容赦なくぶつけた。評価はしているが本音は隠さない、そんな早苗の意図を含んだ言葉のように聞こえる。涼しい顔でそう口にした早苗に、数多は疑う余地もなかった。
「だからそんなしょうもない覚悟で居続けるくらいなら、さっさと……」
「違うさ、早苗。それは違う」
だからこそ声を大にして、数多は早苗の言葉を遮った。遮らないと、ちゃんと事実を伝えないと、後悔しそうな気がしたから。だから数多は早苗の目を見つめ、会話の主導権を奪い取る。そう見て取れた早苗は文句を言わず、ただ静かに数多の言葉を待った。
「確かに俺は裏世界に身を置くことを拒んだ。今も多少考えが変わったとはいえ、こちら側のことを好意的に見ることはできない。自分のことすらままならないのに、周りを見渡す余裕なんてない。今の俺を見ればわかるだろ?」
「ならなおさらよ。さっさと平穏な日常に……」
「……そんなに俺のことが邪魔なのか?」
そう数多が言うと、早苗は気まずそうに黙り込む。揚げ足を取ったような形となり、早苗の顔に苛立ちが目立つ。それでも身勝手に感情を爆発させることはなく、気を取り直して言葉を続けた。
「……そういうわけじゃない。確かに私にも貴方のことが邪魔だと思う時期はあった。でも私にとって烈火様は全てを賭けてでも仕えるべき主様よ。そんな烈火様がどんな形であれ、赤宮数多という存在を認めた。だから私は、赤宮数多という存在を否定することは出来ない」
正直すぎる物言いだったが、それが嘘偽りないことは数多も重々承知だ。出会った頃から、数多は早苗からよく見られていない。それでも強く非難しないのは、一重に烈火の存在があるからだ。もし本格的に烈火に嫌われていれば、数多の命は既にないだろう。
「それに……」
一呼吸おいて、烈火は言葉を連ねていく。ただその言葉には熱がこもっていき、側を固めた体裁が薄れていく。むき出しになる早苗の言葉が、本音へと変わっていく証拠だった。
「例えどのような形であれ、赤宮数多は烈火様のために身を砕く覚悟を固めた。その覚悟が生半可なものではないことは、死にかけた今の赤宮数多の姿を見ればわかるわ。気づいているかしら……並みの人間ならとっくの昔に逃げているわよ」
「まあ……そうだな」
否定することなく、数多も素直に認める。数多の中にも逃げ出す選択肢は浮上したが、烈火たちに対する対抗心を燃やし、強くなろうと努力した。数多自身、それは普通のことだと思っているが、それは大きな間違いだ。どんな努力も、命を賭けにするほどではない。
だから数多がこちら側に来たのも、こちら側に去らないのも、全て烈火の存在が関係している。数多は早苗の言葉で再認識出来た。
「そういった意味でも、私は赤宮数多を評価している。でもどうしても苦しいのなら、それを止める権利はない。赤宮数多が言っていたことは、人間としての真っ当な感情だから」
早苗にしては珍しく、優しい口調で引導を渡す。それでも半端な返しは許さない、強い威圧感が数多の肌をひりつかせる。烈火のためなら、紅家のためなら、身を削ってでも本気で取り組む。それが紅の『給仕』を任された、赤崎早苗の覚悟というものだ。
そんな言葉に感化されたのか、数多は少しだけほくそ笑む。そして数多もその覚悟に応えるために、自らの胸の内を明かす。一にも、烈火にも明かしていない……正真正銘、赤宮数多の想いと覚悟を。
「……安心しろ。どれだけ地獄な世界だとしても、今の俺にこの世界から離れる気はない」
「虚勢はやめなさい……と言いたいところだけど、そういうわけじゃなさそうなのね。本当に」
不意に雰囲気が変わった数多に、早苗も茶々を入れることはなかった。数多の言葉の重みが、早苗の意識を誘導させた。
「なら教えなさい。赤宮数多が、そこまで言うだけの理由を。この私が興味を持ったのだから、それこそ生半可な理由じゃあ許さないわよ」
「なんで怒られる前提なんだよ……」
どこか高圧的な早苗の物言いに、数多は呆れて肩をすくめる。裏世界について話しているということは、すなわち烈火について話しているのと同義。そういう頭の構造になっている早苗に何を言っても無駄だと数多も既に諦めがついている。
早苗のことは一旦脇に置き、数多はその想いを言葉に乗せて紡いでいく。
「……心にさ、ぽっかりと穴が空いたような気がしたんだ」
そんな前置きで始まる数多の表情は、どことなく悲壮感なるものが伝わってくる。彼の脳裏には当時の、烈火に守られたあの日のことが鮮明に再現されていった。
「烈火が襲われたあの日、俺はそんな不思議な感覚に襲われたんだ。俺にとって烈火というのは、憎たらしくも最強の存在であった。誰かにやられてぶっ倒れる姿なんて、ミリも想像できなかった。だからあの時、俺は柄にもなく酷く動揺した」
「……そうね。赤宮数多にしては、珍しい反応だったわ。私も烈火様のことがあって、そこまで気が回る余裕もなかったけど」
早苗の当時のことを思い出したのか、堅い表情が歪む。それほどまでに主である烈火が倒れる姿が想像できなかった証拠であった。
早苗ですら動揺してしまうほど、烈火という存在は強烈なものであり、彼女の危機は窮地に直結し誰もが動揺してしまう。ただ数多はそういうことを言いたいわけではなかった。
「最初、俺は烈火を失ったことに対し、生命の危機が騒いで動揺したんだと思っていた。でも今ならわかる……それが間違いであることを」
実際その時の数多は、何も考えられないほど頭を真っ白になった。だがそうなってしまった本当の理由に気付くのは、もう少し後の話だった。
「俺はあの日、屋敷に閉じ込められていたあの瞬間、烈火と語り合った。互いが胸に秘めた想いから、どうでもいい些細なことまで、俺たちは何でも話した。俺は烈火のことが苦手だったけど、それは間違いだった。俺はただ、彼女に対する認識が足りな過ぎた……そして今、俺の烈火への理解は十分に満たされた」
その言葉を聞く早苗の目が、大きく見開く。様々なイベントがあったのもあり、烈火と語り合ったことは誰にも話していない。烈火と相性が悪いとばかり思っていた早苗が驚くのも無理はなかった。
「……その日からというものの早苗も知っている通り、俺は烈火と会っていない。俺自身不甲斐なくて、会わせる顔がないっていうのもある……でも本音は違う。烈火の知らない間にもっと強くなって、隣に立つに相応しい存在に、なりたいだけなんだ」
「赤宮数多っ、それって……!」
察しのいい早苗は、数多の言葉だけで全容を把握した。数多が今、烈火に対してどのような感情を抱いているのかを。だが数多は例え早苗がわかっていても、その言葉を口にせずにはいられなかった。口にすることで初めて決意が揺らぐ、そう確信したからだ。
「……長い時間をかけて、俺はやっと理解できたんだ。俺は烈火が……」
そしてその言葉を早苗にしっかりと伝えるため、数多がゆっくりとその言葉を紡いでいく……そんな時だった。
不意に遠くの方から、聞き慣れない音が響いてきた。ポンと弾けるような破裂音は、とても日常的に耳にするような音ではない。故に数多もその違和感を無視することが出来なかった。
「……なんだ? 季節外れの花火か?」
それでも一般人としての時間が長い数多は、そのくらいの想像しか出来ない。しかし早苗はある可能性を危惧したのか、表情に影がかかっていった。
「いえ違うわ。この方向……もしかして!」
推察が確信に変わり、早苗の表情に焦りが募る。その可能性を数多にも伝えようと言葉にしようとした時、不意に場違いな着信音が道場に響いた。自身のスマホによるものとわかった数多は慌てながら電話を取った。
『聞こえてるか、数多⁉』
「父さん……?」
発信元は、数多にとって一番聞き慣れた声を発する父だった。しかしその声は普段の物とはかけ離れた雰囲気を感じる。常に余裕のある普段の一とは違い、声色に焦りが含まれていた。
一による発信だとわかるや否や、早苗も数多のスマホの元へと近づく。物理的に数多との距離が近くなるが、それを気にしているほどの余裕は、二人ともなかった。
「一様、一体何が起こって……」
『早苗ちゃんもまだいたか! それは好都合だ! 今すぐ病院へ向かってくれ!』
病院、という単語を耳にした瞬間、数多と早苗の体温が急激に下がったかのような感覚に襲われる。一の言う病院というのは、他でもない赤星の病院だ。そして今、そこに誰がいるかを考えれば、二人が焦らないわけがなかった。
「病院が……烈火ちゃんのいる病院が、襲撃された……!」
考えうる中でも群を抜いて最悪な現実が、無慈悲に数多たちへと襲い掛かった。
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