第4話
その後は特にこれといったイベントが起きるわけでもなく、高校生活初日は淡々と終わった。入学式にクラスメイトとの顔合わせ、自己紹介など、普通の新入生にとっては欠かすことのできないイベントの連続だっただろう。だが俺にとっては割とどうでもいいことだ。摩耶さんと密接にかかわることのできないイベントなど、何の意味もない虚無イベントに過ぎないし。
とにもかくにも、今はその全てのイベントが終わり放課後を迎えていた。初日ということもあり、まだクラス内でグループらしきものは出来ていない。そのほとんどが帰宅のための準備を進めていた。ならばここは、摩耶さんをお昼に誘い出すチャンスだ。
クラスメイトと見比べても、摩耶さんの美貌は比較にならないくらいに美しい。それでいて人当たりが良くコミュ力も高く、そして誰に対しても優しい。いずれクラスの中心人物になっていくのは間違いない、そうなれば彼女の周りに人が絶えなくなるのは容易に考えられる。
そうなる前に摩耶さんとの距離を縮めて、確固たる立場を築かなくてはならない。ならば即時行動が先決だろう。もしかしたら例の友達が理由で断られるかもしれないが、最悪構わない。摩耶さんを誘い出そうとした、その事実こそが大事なのだから。
計画を実行するため、俺は帰り支度を済ませ席を立つ。
「――ねぇ、ちょっと」
しかしそんな俺の行く手を阻むものが、俺の目の前に現れる。摩耶さんのことで頭がいっぱいになっていたのもあり、その人の存在に気付かなかった。そして顔を見上げてみれば、気づかないのがおかしいレベルの存在感を放つ女性が立っていた。
一言でその女性を表すとするならば、その人は摩耶さんにも引けを取らないほどの美少女だ。しかし摩耶さんとはタイプがまるで違う。俗にいうダウナー系の雰囲気を纏わせる薄い表情をデフォとしているようだが、一つ一つのパーツが綺麗に整っており十分に美少女のカテゴリに入る。ややウェーブのかかった紫色の髪の毛も目立つ要素としては特徴的な部分の一つだった。
しかしその全てが気にならなくなるくらいに、顔以外の容姿の特徴があまりにも濃すぎる。簡単にいえばものすごいエロいのだ。官能的という言葉が似合うほどに、胸や臀部が豊かに育っている。それでいて校則など知らないかのような着崩しをしており、その胸も前がガッツリ開いていた。もちろんスカートも際どいラインまで短くなっており、健康的な太ももがすらっと 伸びていた。とても新入生とは思えないほどの、挑戦的なファッションであった。
と、存在自体がエロいと言わざるを得ない女子であるが、この子はウチのクラスの生徒ではない。こんなのが同じクラスにいたら、嫌でも目に入るからだ。サキュバスでこういうのに見慣れている俺は大して動揺しなかったが、まだクラスに残っていた男子生徒はそういうわけにはいかなかった。離れたところでは、彼女についての話題が絶えないようだ。
「お、おい……あの人って青中の幸田愛音さんじゃないか⁉」
「え、誰? あのエロい人知ってるの?」
「知らないのか‼ 超有名人だぞ! 中学の時には学校にいたほとんどの童貞を食ってきた『童貞喰い』……頼めば誰でもやってくれる、男の希望のような存在なんだぞ!」
「ま、マジか……それなら俺も……」
断片的に聞こえてきた内容だけでも、凄まじいものだ。とにかく学生とは思えないほどのエロい人だということはわかった。それならばあの過激な恰好にも納得がいく。
しかしそんな人が何の用で俺なんかに……と、思っていると、彼女は半開きの瞳で俺をしっかりと捉える。さすがに無視するわけにはいかない。
「えっと……何か御用で?」
「ちょっと面貸しなさい、拒否権はないわ」
できるだけ穏便に済ませたかったが、向こうはそう思っていないようだ。有無を言わさぬ雰囲気すら纏った彼女は、名乗りすらせずにそう告げる。まさに女王様のような物言い、と言っても誰も否定はしないだろう。
ただ彼女に構っている場合ではない。俺には摩耶さんと親交を深めるという、大事な用事がある。相手には申し訳ないが、摩耶さん以上に優先すべきことではない。そう切り替え、俺は目線だけで摩耶さんを探す。
しかし既に帰ってしまったのか、教室に摩耶さんの姿はなかった。彼女ほど容姿に優れた者なら、放課後になれば周りに人が集まると思っていたのだが、その予想は裏切られる。向こうも向こうで何か用事があったのだろうか。俺が食事に誘っても、応じてくれる可能性は低かったかもしれない。
どちらにせよ、もう学校内に摩耶さんはいないだろう。そうなれば必然的に俺の用事もなくなるわけで、彼女の呼び出しにも応じることが出来る。気乗りはしないが、ここで彼女の機嫌を損なわせるのは得策ではない。脊髄反射のごとく、俺はそんな予感がしてならなかった。
「……わかりましたよ。ついていけばよろしいんですか?」
「えぇ、黙ってついて来ればいいの」
俺が素直に応じたのを確認した彼女は、そのまま踵を返して教室を後にした。どうやら本当に俺を呼び出すためだけにやってきたみたいだ。他のヤツなど眼中になく、降り注がれる周囲の視線を全て無視していった。
素早く荷物をまとめた俺は、早足で歩く彼女の後ろに着いて行く。だいぶ離されていたが、強すぎる存在感を放つのもあり見失うことはなかった。そのまま俺たちはとある空き教室へと足を踏み入れた。俺たちが普段から過ごす教室とはかなり離れたところにあり、まず人が立ち入ることはないだろう。そのくらい静かな場所であった。
と、のんきに教室の感想を抱いていた、その時だった。やや離れた位置にいた彼女が俺の方を睨むと、一気にその距離を縮める。壁際にいた俺は突然の彼女の行動に避けることが出来なかった。そのままなす術もなく、俺は彼女との距離を物理的に縮められ……ドンッ、と俺の耳元に強い物音が鳴った。
俺はゆっくりと顔を横に向ける。俺の耳元にあったのは、とても女子高生とは思えない、黒ソックスに包まれた艶めかしい脚だ。どうやら彼女は、その足で壁ドンをやったらしい。なんて股関節の柔らかさだ、とのんきな考えに至るほど俺のバカじゃない。
それなりに身長が高い俺に脚で壁ドンしただけあって、彼女の短いスカートが捲れ下着がしっかりと見えてしまう。真っ赤なレースという派手過ぎる下着は、一体誰に見せつけるのだろうか、ふと疑問に思った俺にはまだ余裕があるのかもしれない。
そして彼女のどこかやる気のない瞳が、真っすぐと俺の目を捉える。ただその瞳の中にも、獲物を目の前にした獣のような鋭さすら感じる。無抵抗を貫こうものなら、その全てを喰われてもおかしくないほどの威圧すら、本能的に察知してしまうほどだ。
そのまま互いの視線がぶつかること数秒、やっとのことで彼女は言葉を発した。
「……驚いたわ。アンタがこんなところにいるなんてね、ユーマ」
「それはこっちのセリフだよ。久しぶりだね、アイネちゃん」
「ちゃんづけやめろし。もうガキなんかじゃない、立派なサキュバスなんだから」
先ほどまでの緊張が張り巡らされた雰囲気から一転、教室の空気がひっくり返るくらい弛緩する。目の前の彼女――もといアイネからも威圧感は消え足も地についていた。いくら尖ったところのあるアイネでも、慣れ親しんだ相手まで警戒することはない。まあ警戒しなさ過ぎて失礼な部分もあるが、もう慣れたものだ。
幸田愛音というのは、彼女の仮の名だ。彼女の正体は俺と同じ夢魔族、サキュバスの『アイネ』だ。付け加えて言うのなら、まだインキュバスとして未熟な時から共に切磋琢磨し合ってきた、こちらでいうところの幼なじみに当たる。歳でいうと俺の方が上だが、夢魔族にとってそんなことは些細な問題だ。
「でもまさかアイネがこっちに来てるなんてな。いつからだ?」
「2年くらい前よ。ちゃんと里の人には認めてもらえてね、ほら」
軽いノリでアイネは綺麗な右手を俺に差し出す。その甲には俺の左手に刻まれた印と似たような印が刻まれている。しかしその印は俺のような偽物とは違い、刻まれた悪魔の印が右向きであった。
「……『聖刻印』。随分と早いな。まだ15歳とかだったよな?」
「ふん。アンタとはわけが違うのよ」
既に取り繕う必要もなくなったことにより、アイネの言葉が辛辣になる。ただ立場的に考えてもアイネが偉そうになるのは不思議じゃない。
『聖刻印』は俺の左手にある『失烙印』と違い、正式に夢魔族として認められたものだけが刻まれる、正規の紋章だ。自由に集落と人間界を行き来できる権利を得られることから、集落の夢魔族は皆聖刻印が刻まれるのを目標としているくらいだ。
そのためには夢魔族が使う3つの魔法、変身魔法、干渉魔法、催眠魔法全てを完璧にマスターしなければならない。どれか一つでも使えないと人間界での生活に支障が出るからか、そこは譲らないらしい。だがほとんどの夢魔族はそれなりに修行をこなし、やっと聖刻印が刻まれる。それくらい難しいことである。
しかしその中でアイネはおよそ13歳という若さでそれら全てをマスターし、聖刻印を刻んでもらった、とのこと。一般的なサキュバスなんかよりも優れていることは確かだ。
ただそれにしても、まさか人間界でアイネと再会することになるとは思わなかった。この広い人間界で再び巡り会う確率など天文学的な数字のはずだ。ついているのかついていないのか……まあ、まだ親しい間柄でもあるアイネであったことがラッキーか。
何はともあれこちらも緊張する必要がなくなったので、俺はフランクにアイネとの会話を弾ませる。
「そういえば聞いたぞ。中学生の時に童貞を喰いまくってたって。しかも生徒教師問わず」
「あぁ、あれね。つい好奇心でやっちゃったのよ。アタシも初めての人間界に、柄にもなくはしゃいでいたから」
「だとしてもやりすぎだろ……全員童貞卒業させるとか、正気じゃないぞ?」
「仕方ないじゃない。誘ったらみんなしてくれるんだもの。その状況でお預けなんて、アタシには無理よ」
一切悪びれることもなく、アイネは舌なめずりをする。当時のことを思い出し、乾きを覚えたのかもしれない。人としての尺度では常軌を逸しているが、サキュバス的観点だとおかしいことではなくなる。まあそれでもやりすぎではあるが……さすが頭のてっぺんからつま先までサキュバスの血を巡らせているだけはある。アイネほどサキュバスの見本となるべき存在もいないだろう。
ただもちろん、こんな雑談で終わったりはしない。アイネとの付き合いが長いからこそ、俺は真剣な口調で話題を変える。
「……それで、俺になんか用だろ? アイネが用もなく俺に話しかけるとか、考えにくいし」
「ひどい言い草ね……ま、間違ってないけど」
本題に入ったことで、アイネもくすりと笑う。先ほどまでの雑談とは打って変わり、その口調は至極真面目なものに変わっていった。
「……見たわよ。アンタが同級生を口説こうとしてるところ」
「え……いたのか、あの場に?」
「正確には遠巻きだけどね。屋上で寝てたらなんか魔法の気配がして、覗いてみたらアンタが見えたのよ。さすがに近づきたくなかったから傍観してたけど」
「ひどいなぁ……その時にコンタクトを取っても良かったのに……」
「嫌よ。アンタの催眠魔法は猛毒の如く危険だもの。吸ったら意識を乗っ取られる……そんなの御免だわ」
巻き込まれた時の未来を想像したのか、アイネが自身の両腕をギュッと掴む。催眠魔法は夢魔族にも効果があるから、それを危険視しているのだろう。よほど意識を乗っ取られたくないのか、表情も少しだけ暗くなったのがチラッと見えた。しかしすぐに調子を取り戻すと、今度はジト目で俺を見つめてくる。
「……相変わらず治っていないのね。アンタの不治のヘタレさは」
「やっぱ見られてた……悲しいことにな。そう簡単に治ってたら、はぐれに堕ちることなんてないよ」
「それもそうね。ホント、もったいないったらありゃしないわ」
否定もせずに肯定すると、アイネは呆れてため息をついた。予めわかっていたのか、アイネの表情からも、俺に対して失望したとかそのような感情はない。それでもわかりきっていたかのような反応に、俺も不甲斐なさを覚えざるを得なかった。
確かに俺は左手に失烙印を刻まれ、はぐれインキュバスと揶揄された、落ちこぼれの存在だ。そういう夢魔族は今までにもたくさん見てきたが、俺は少しばかり事情が違う。
通常はぐれインキュバスというのは、そのほとんどが能力不足による者が多い。人間社会に上手く溶け込むためには、あの三大魔法の習得は必要不可欠だ。一つ二つ使えないならばまだ見込みはあるが、三つ全部使えないとなると話は変わる。夢魔族としても恥ずべき存在だし、そんなヤツが人間界に放っておいても何も問題はない、という見解なのだ。
しかし俺は違う。俺は三大魔法を問題なく行使できる。なんなら同世代の夢魔族に比べても、その才は突出していたと言えよう。実際に今まで俺よりも三大魔法を上手く使いこなせた夢魔族を見たことはない。それはサキュバスとして非常に優秀なアイネとて例外ではない。だからこそアイネも俺を相手にはしたくないはずだ。
ただ俺には致命的とも言えるほどの欠点がある……それはメンタルだ。別の言い方をすればヘタレ、女性に歩み寄ろうとすればするほど、緊張感に襲われその先へ踏み込むことは出来なくなる。精気を集める以前の問題、夢魔族にとってはあまりにも致命的すぎる。
俺はアイネよりも早い10歳の時には三大魔法を使いこなせており、聖刻印を刻まれた優等生であった。しかし人間界に降りても一切インキュバスらしいことをしてこなかった。もといそういう場面に遭遇しても、最終的にはヘタレてその先にまで踏み込むことは出来なかった。
そんな経緯もあり、俺の聖刻印ははく奪され、代わりに失烙印を刻まれることとなる。能力以前にその生き様自体が、夢魔族としてふさわしくない、夢魔族の恥だ――集落の夢魔族たちの総意はそんなところだ。それこそが、俺がはぐれインキュバスに堕ちた経緯であった。
「……絶対どこかでくたばってると思っていたけど、案外しぶといのね。何もかも絶望して、自害していてもおかしくないのに」
「まあな。実際その一歩手前まで追い込んだことはある……でもそこで、運命の出会いをしたんだ」
「それがあの子、ってことね?」
「そうだ、名前は倉橋摩耶さん。すごい美人で素敵な人だろ?」
「確かにね。容姿は人間とは思えないほど優れてるわね。アタシは女だからわからないけど、男なら簡単に堕ちてもおかしくないわ」
珍しくアイネが褒める。ただしそれはあくまでも、客観視した一般的な意見として述べているだけに過ぎない。そもそもアイネ自身、他の女性の容姿など死ぬほどどうでもいいと思っているヤツなのだ。ベッドに連れ込めばどうとでもなるって、本気で思ってるだろうし。
だからこそ、自分のこと以外どうでもいいと思っているからこそ、屈託のないストレートな意見を口にすることが出来る。例え付き合いの長い、俺が相手だとしてもだ。
「それでもユーマ、アンタはちょっと変よ。インキュバスっぽくないわ」
表情を変えることなく、アイネがズバッと俺自身の恋愛観を指摘する。正直自覚はしていただけに目に見えて驚くようなことはしないが、いざ言われると結構心にくる。しかしアイネの容赦ない言葉が、こんなところで終わるわけがない。
「真面目に恋愛してその人とくっつこうとするなんて、夢魔族っぽくない。気になる相手は催眠魔法で堕として精気を奪う。それが最も効率的で楽な方法だというのに、ユーマは人間らしい面倒で非効率な方法を使おうとしているのね」
「まあな。人間界での生活も長いから、自然とそういう思考になっちまったのかな?」
「知らないわよ、そんなこと」
一切興味がなさそうに、アイネは俺の言葉を切り捨てる。その容赦のなさは、ナイフのように鋭いものだ。ただ呆れた表情を崩していないあたり、俺を精神的に殺す気はなさそうだ。
「安心しなさい、それを非難するつもりはないわ。ユーマがどういう経緯であの人を好きになったのかは知らないけど、どうせ考えは変えないんでしょ? ユーマは昔からヘタレのくせに、決断だけは早いし」
「もちろんだ。俺は摩耶さんと、真っ当な方法で恋仲になる……いや、なってみせる。絶対に、彼女を堕としてみせる」
「だと思った、なら好きにすればいいよ。自由奔放に、本能が赴くままに、性を全うする……それが夢魔族だからね」
夢魔族の信条を口にしながら、アイネは俺の生き様を肯定する。肯定、というよりも放任だけど。本来夢魔族の性質上、群れることはまずない。だから他の夢魔族がどう生きようが、本当にどうでもいいのだ。アイネはただ、それを改めて説明しているだけに過ぎない。
しかしそこは多少の付き合いのある関係を持つアイネだ。特大のため息をもう一度つきながら、アイネは小馬鹿にするようなノリで俺に言葉を投げる。
「ま、なんだっていいわ。どうせユーマのことだから、女性との付き合い方とか、あまりよくわかっていなさそうだし……なんか困ったら聞いてあげるわよ」
「決め付けがすごいな……まあ助かるけどさ」
「別にアンタの恋愛事情とかこの上なくどうでもいいけどね」
一切の興味を示さない言葉とは裏腹に、アイネの表情は蠱惑的な笑顔に満ちていた。
「ただなんとなく、面白くなりそうだから協力してあげるのよ」
これ以上に身勝手な言葉など、あるのだろうか。少なくとも俺は知らなかった。でもアイネは至極真面目にそう言ったのだ。俺を娯楽の一種として捉えている、そう解釈してもおかしくなかった。他の人間なら多少かちんとくるかもしれないが、アイネの場合は例外だ。
理由は明白、その言葉はアイネの中では何よりも頼りになるものだからだ。偽善だとか気まぐれな人助けとか、そんな信用にならない感情などではない。ただ面白そうだから、こと一流のサキュバスであるアイネが発する言葉の中で、一番信用できるのがそれなのである。
「わかってるよ。それでもありがとうな、アイネ。今のところ、俺の味方はアイネだけだよ」
「……そ。せいぜい楽しませなさいよ、ダメインキュバスさん」
最後の最後まで見下す姿勢は変わることなく、言いたいことを言い終えたアイネは空き教室を後にした。しかし俺の中に不快感が芽生えることは一切なかった。
アイネとそれなりの時間を過ごしてきた俺にはわかる、言葉の節々から伝わる優しさとか心の底から侮辱する気は一切ないこととか、その全てが。その辺の人間よりも彼女のことが信用できるのは、それが理由だ。
だからこそ俺は、そんなアイネの期待にも応えなきゃいけない。インキュバスとして見捨てられないためにも、彼女の中から興味が完全に失せる前にもな。
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