第2話新たな発見

バイトが始まってから既に2週間以上経った頃のこと


この頃は生活も安定してきて、朝が早いのにも慣れてきた。学校生活のほうも常に同じで少し変わったことと言えば真琴が前よりもよく話しかけてくるようになったと言う事である。前までは週に1度話すか話さないかの程度だったが、最近では3日に1度や毎日話しかけられる時がある。クラス全員を表面上の友達として関わってきた俺としては、友達になってもいいんじゃないかなと思っているところである。


@@@ 

  

昼休み

「ねぇ、光星君今日、うちに来れる?」

「え、行けるけど何でか聞いてもいい?」

「おばちゃんが先月分のお給料を早いうちに渡したいって、言ってるから。」

「あっ、そうゆうことか。」

「あれ、もしかして違うことでも考えてた?」

「そんなことないし!」

「じょーだんじょーだん。じゃあ今日の下校の時に一緒にうちに帰ろうね!」

「一緒にっ!!」


突然誘われたからちょっとビックリしたけど、真琴が誘ってくるとかありえないよな。でもやっとバイトの給料が入るんだなぁ。今までいっぱい頑張ってきたし何に使おうかなぁ。せっかくだし、まだ持っていない漫画でも買っちゃおうかな。まぁ、貯めるって言う選択肢もあるかな。とにかく楽しみだな。


@@@


「はい、先月分のお給料ね。これからもよろしくねぇ」

「ありがとうございます!これからもお願いします!」

「よかったね、光星君。ねぇねぇ、そのお金で何を買おうとしてるの?」

「うーん、どうしようかいまだに考えてるんだよね、貯めるのか趣味に使うのか」

「趣味?そういやまだ聞いていなかったね、光星君って何か好きなものがあったりするの?」

「あー、アニメとか漫画とかなら何でも好きかな。」

「へー、ちょっと意外だなぁ。私も実はアニメとかよく見るほうなんだよね。」

「そうなんだ。真琴も見るんだな。」

「佐藤君、せっかくうちに来たんだからお茶でも飲んでゆっくりしていきなさい。」

「あ、ありがとうございます。」

「じゃあ光星君。せっかく時間貰ったんだし最近始まった『あの白い石の魔力は最高クラス』でも見てみようよ!」

「いいねそれ。前から見てみたかったんだよな。」


その後は二人ともアニメ好きと言う事が分かり時間もあったので一緒にアニメを見て少し感想会をしてから俺は帰っていくのだった。


*****


(急に一緒にアニメを見ようだなんていわなければよっかたぁ。は~、そういえばもうあの時から2週間かぁ。)

朝起きてお店の手伝いに行ったら、何故かそこに佐藤君がいて、これからここでバイトをする事になるなんて思いもしなかったよ。私が初めて見た光星君は、学校帰りの時だった。光星君は迷子になっていた女の子のもとに行き交番まで連れて行ってたの

。それまで光星君の事はクラスの一人としてみていたのに、そこから光星君の事をよく見るようになり、今まで見えてこなかった彼の良い所が一杯見えてどんどん好きになっていったの。あの時は朝から会うことが出来たのと、現実じゃないみたいな感じがして、舞い上がって名前呼びになっちゃたり、ホントこの一か月間早かったなぁ。

もっともっと仲良くなっていけるように頑張らなくっちゃ。


@@@


今日は初めて知った事がある。それは、真琴もアニメを見ていたという事だ。今まであまりお互いに自分の事を話していなかったから、真琴もアニメを見るって意外だったなぁ。でも今までアニメの感想を言い合うっていう事はしてこなかったから案外楽しかったな。それに今日見た『白い石』もアニメ面白かったしバイト代で原作の漫画でも買ってみるか。これからのバイトの時間はアニメの話でもしながら出来るからもっと楽しくなりそうだなぁ。今月も後半分だし頑張っていこう!


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