第14話 魔族の狙い

「キャロル殿下!助けに来ました!」

僕はそう言いながらキャロル殿下に駆け寄った。

「来てくれたのですねヒロさん!」

キャロル殿下は少し涙目になりながら言う。

「なぜ殿下が指揮を?」

魔族は特に仕掛けてくるでもなく上空で兵士たちの攻撃を避けているのでこの隙に質問する。

「はい、ギルドの馬車で王城に着いたところで魔族が攻めてきてそのまま私が指揮をとっています。城の兵の大部分は国王の守護に行っていると思われます。守護する重要施設からこちらには増援は来ないと思われます。」

???

城の入口よりも第一に守護するところがあるのか?ここを守れればいいんじゃないのか?

疑問思うが特には何も言わないでおこう。


!!!!!


魔族の魔力が高まっていく!

「キャロル殿下!魔族が魔法を撃ってきますよ!」

殿下に危険を伝える。

「大丈夫です!この城の城壁は特級の障壁が張られてますのでたとえ絶級の魔法でも魔族1体に破られることはありません!」

キャロル殿下はそういうが表情には確信がもててるようには思えない。

絶級魔法、普段目にはしないのでキャロル殿下もどれほどの威力なのかは分からないからだろう。

だが、魔族の魔力はどんどん高まっていく!

「あ!これ超絶級だ!」

「えっ!?えっ?!えーーーーーー!?」

僕の一言にキャロル殿下が取り乱す!この様子だと指揮はとれなさそうだ!

「全員後方へ退避〜!できるだけ下がって地面にふせるんだーーー!」

僕はキャロル殿下をお姫様抱っこしながら後方へ退避しながら大声で叫ぶ!

「えっ?えっ!?えーーーー!!!!」

キャロル殿下が顔を赤くしながら戸惑う!

なんだろ?

兵士たちも僕達に続いて後方へと下がる。


「チヨウゼツマホウ!イビルサンダーボルト!!!」

魔族の手に雷の魔力が集まり、それは城壁へと放たれる!


ドーーーーーーーン!


凄まじい衝撃が起こり砂埃が舞立つ!


……………

……………

……………


しばらくして砂埃がおさまっていく。

城壁自体は無事のようだが障壁の魔法陣は消し飛んでいた。


「ケッケッケッ!」


やはり変な波長の声だ。

魔族は笑いながら城門をくぐってきた。


さっきの衝撃で兵士やキャロル殿下は気を失っているようだ。

「お前らの狙いはキャロル殿下か?」

僕はキャロル殿下を庇うように立ち短剣を魔族へ向ける。

「キャロルデンカ?イヤ?チガウヨ、ネラッテルノハ、シロニネムル、スカイハイノタカラノウチノヒトツサ。」

魔族が答える。

スカイハイの宝?なんだそれ?

神話の物とかそんなのかな?

いまいちピンと来ない。

「な…なぜその事を知ってるのです!!!」

キャロル殿下が意識を取り戻したのか魔族に問いかける。

「ケッケッケッ!ヤハリアルノダナ!カクショウハナカッタガナ、ヨッツアルタカラヲアツメレバ、マオウサマノフウインヲ、トクコトガデキルカラナ、シラミツブシサ、ケッケッケッ!」

「そんな……!」

魔族が言い終わるとキャロル殿下は愕然とした。

キャロル殿下の一言でここにその宝があると認めてしまったからだろう。

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