第12話 魔族襲来

「なんだ!!!」

ギルド長の叫び声と共に僕とギルド長はオリヴィアさんをそのままにしてギルドの外へと向かった。


王城の方から煙が上がっている。

「あれは、城が襲撃を受けているのか?」

ドーン!

また爆発音が鳴り響く。

「キャー!」「逃げろー!」「避難するんだ!」

などの住人の声も絶えず聞こえてくる。


「ケッケッケッ、アンタガギルドチョウ?」

変な波長の声が聞こえてくる。

僕とギルド長が声がするほうを向くとそこに声の主はいた。

サイズは人間サイズだが、背中には翼、肌は紫色で簡単に人を切り裂けるような爪と全てを噛み砕けるような牙がある。魔族だ!

「そうだ!あの城もお前らの仕業か?」

ギルド長はそう尋ねながらすぐ戦闘に気持ちを切り替えている。

「ソウダヨ、アノシロニハウチノセイエイブタイガイッテルヨ!ミンナコロスンダ!アンタモ!」

肯定しながら魔族も臨戦態勢に切り替える。

ギルド長が油断ならない相手だと判断したのだろう。

「ヒロくん、こいつの目当ては私みたいだ!一連の状況からして魔族はキャロル殿下を狙っている可能性がある。君は城に向かってキャロル殿下を救出してくれ。」

ギルド長が魔族から目をそらさずに言ってくる。

「で、でも………」

僕はあることが気になりどもってしまう。

「ヒロくん、君はユニークスキルを使えばSランク並みだ!君ならできる。」

自信満々に言ってくる。

えっ、何言ってんのこの人?

「さぁ!いくんだ!君の晴れ舞台だ!」

ギルド長が右手を横に挙げながら言う。

「いや、あの、Fランクは戦闘禁止なので………」


……………

……………

……………


???何この変な空気?ギルド長も魔族もなんか緊張感切れてる感じなんだけど何?


「オマエナニイッテンダ???」


えっ何、魔族もなんか言ってきてるんですけど?


「ヒロくん!!!」

ギルド長が怒りに満ちた声をあげる。

「君は今からSランク冒険者だ!だから行くんだ!」

「えっ?昇級試験は?」

「ギルド長権限だ!早く行くんだ!」

「はい!【同時発動】!!!」


めちゃくちゃ怒りながら言うので言うこと聞くしかないや。

僕は返事をしながら強化魔法、ムキ、サッ、チク、ヒラ、カチを同時発動しながら短剣を抜き城へと疾走する。


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