第10話 チート能力

「それではヒロくん!君のユニークスキルの説明をお願いできるかな?」

ギルド長がふぅっと溜息をつきながら質問してくる。オリヴィアさんの件でストレスを感じているのだろうな。

「僕のユニークスキルは【同時発動】と言います。その名の通り。魔法を同時に発動できるものです。」

僕は簡単に説明する。

「あれっ?でもヒロさんは魔法適正Fですけどなぜ魔法が使えるんですか?しかも盗賊をやっつけれるくらいの?」

オリヴィアさんが不思議そうに聞いてきた。

確かに魔法適正Fならたとえ最下級魔法でもなかなか実践では使えないだろう。僕は右手を出しながら指に着けている指輪を見せた。

「こいつのおかげです。これは僕が孤児院に拾われた時に持っていたものらしいんですが魔法発動を補助してくれる魔道具の指輪なんです。1つにつき1つの魔法の発動を迅速に発動することができるようになります。」

「ほぇ〜。」

オリヴィアさんがふざけた声を上げながら指輪を見つめる。

「こんなの見たことあります、ギルド長?」

ギルド長を見ながらオリヴィアが訪ねる。

「指輪型は見たことないが腕輪型やペンダント型は見たことがある。特に珍しいものでは無いな。」

ギルド長が顎擦りながら答える。

「だが、ヒロくんが使えるのは最下級魔法だろ?魔道具適正がSというのは聞いているがそれらを同時発動しても戦いには役立たないのでは?」

ギルド長が疑問に思いながら訪ねる。

「はい。ただ一緒に発動するだけなら全く使えないですけど【同時発動】にはもう1つ効果があるんです。それは2つ同時に発動すると下級魔法並に、3つ同時に発動すると中級魔法並に力を増していくんです。」

僕がそう答えるとギルド長とオリヴィアさんが目を見開いて固まる。

「そ、そ、それは、5つ同時に発動すると特級魔法並の威力になるということか?!?!」

ギルド長が動揺を隠せない様子で聞いてくる。

「はい。」

僕がそう答えるとギルド長は顎が外れたように大きく口を開け、オリヴィアは小さく「ほへぇ〜」っと声を上げながら後ろに倒れた。


えっ?????

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る