第7話 とりあえず女の子の方を!

オリヴィアさんが膝から崩れ落ちてからすぐにギルド長が呼ばれてきた。

「はじめましてヒロくん!ギルド長の【イグニス】だ!よろしく!」

年は50くらいだろうか、長身でガタイが良いおじ様だ、上品さも醸し出している。

「まず、どこから話そうかな。」

ギルド長が顎を擦りながら考えている。

ふと視線を横にすると女の子がうつる。このままほっとくのもな。

「あの、まずこの女の子のことを教えてもらえませんか?」

僕は女の子を指さしながら言う。

「女の子?」

ギルド長はなんのことか分からず視線を向ける。

「あっ、忘れてた!」

オリヴィアさんがはっとしながら言った。そういえば話を聞いてたのはオリヴィアさんだった。

「そうだな、まずはそちらから片付けよう。オリヴィア、頼む!」

ギルド長もそちらが先であることを察したようだ。

「はい!ヒロさんが森で助けたこの方はこの王都フロンティアの王族キャロル=フロンティア王女殿下になります。」

オリヴィアさんは両手を女の子に向けながら言った。

「「はぁーーーーー!!!!!」」

僕もギルド長も叫ぶ!

「バカ!王女殿下って何よりもそっちだろうが!」

ギルド長がオリヴィアさんを叱り飛ばす!

「申し訳ありませんキャロル殿下!すぐにもっといい部屋を!」

ギルド長が慌てながら言う。

「このままで構いません。」

キャロル殿下は首を振りながらいう。

「それよりもヒロさんでよろしいのですか?助けていただいてありがとうございます。お城に戻ったらお礼の方をさせていただきます。」

キャロル殿下はそう言いながら頭を下げてきた。

「いえ、そんな!」

僕はあたふたしながら言う。王女殿下に頭下げさせるなんてやばすぎる。

「ギルド長、Fランクの戦闘の罰金は如何程になりますか?それを加味したお礼をしなければならないので。」

キャロル殿下がギルド長に向き直して尋ねる。

「いえ、今回は特例です。王女殿下を救ったとあれば罰金など発生いたしません。」

ギルド長は背筋を伸ばしながら言う。

「そうなのですか?ならば私の気持ちという金額で考えておきます。」

キャロル殿下が目を瞑りながら言う。罰金発生しないならお礼はいらないなぁー、王女殿下とか堅苦しすぎる。

「そういえば、何故王女殿下はあの森におられたのですか?」

言葉使いに注意しながら聞く。

「あの森へはただの散歩だったのです。護衛騎士を2人連れて行っておりましたが盗賊6人に囲まれてあのようなことに……。」

キャロル殿下は俯きながら説明する。

「盗賊に鉢合わせとは大変不運でございましたね。」

オリヴィアさんが気の毒そうに言う。

「いえ、おそらくは仕組まれたものだと、王女殿下は気を失われてましたが盗賊を倒した後に雇い主と思われるやつが出てきました。」

「「「えっ!!!!」」」

3人とも驚き声を上げる。

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