第4話 ものすごい助けを求められる。

「ちょっと!あなた!」

女の子が怒りながら声をかけてくる。

「なにしてんの!こんな状況なら普通助けるでしょ!この人たちも呆気に取られてるじゃない!」

拘束されながらもめちゃくちゃ強気で言ってくる。

「いえ、僕はFランク冒険者なので、では。」

そう言ってそのまま帰ろうとする。

「待ちなさい!」

ものすごい怒気をこめて女の子が言う。

「あなた!この状況分かってるの!女の子が悪人に囚われてるのよ!その護衛も殺されてるのよ!普通冒険者なら助けるでしょ!私は高貴な家柄なのよ!冒険者ギルドにも支援してるのよ!今すぐ助けなさい!」

ものすごい早口で言ってくる。

「あの、僕はFランク冒険者なんですよ!」

「だからなんなのよ!」

僕の返答に有無を言わさず被せてくる。

「えっと、悪人さん達は分かりますか?」

僕はものすごく困った様子で聞く。

「えっと、Fランクは確か戦闘しちゃいけないんだっけ?」

悪人のひとりが困惑しながら返答してくれる。

「そう!そうなんです!しかも禁止なだけでなく罰金も払わなくちゃいけないんです!低報酬な採取依頼しか出来ないのに罰金まで払ったら稼ぎがマイナスになっちゃうんですよ!なのでこのまま返してください。」

僕はわかってくれる人がいたと思い、自分の心境をぶちまけた!


…………


みんな呆然としている、なんでだろ?まぁいいか!

踵を返して行こうとすると

「待ちなさい!だったら助けてくれたらプラスになるくらいお礼するから助けて!……!お願い…… グスン」

途中まで強気だったが泣き出しながら助けを求めてくる。

「仕方ないか。」

僕は諦めた様子で向き直す。

「まぁ、俺らもどうかとは思うけど…」

悪人のひとりが言う、悪人からも否定気味に言われるとはなんなんだ?ギルドの決まりなのに。

ちょっとムウっとしながら短剣を抜く。

「へっ、だがFランクで俺ら6人をやれるわけねぇーがな、へっへっへ。」

へっへっへっ

喋った悪人以外の奴らも笑い出す。

まぁ、ちゃっちゃとやりますか。

「【同時発動】!!!」

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