第10話 奇襲

 フラワービューティーズのメンバーそして指揮官であるレオナはその場を動けずにいた。

 

 それはこの地上でのピンチを幾度も冷静さをかくこともなく、乗り越えてきた絶対の信頼を置く存在。

 

 そんな彼女ローズが目の前で…それもたったの一瞬で戦闘不能にされた事によるショックからだ。

 

 だが一人ラベンダーだけは違った。

 ローズが自爆しようとしている事を感じ取り指揮官であるレオナの手を掴み引き寄せる。

 

 「行くぞ、ボス!!

 ボーッとして止まってんな!!

 ローズを犬死にさせる気か!!!」

 

 レオナを引き寄せ抱き抱えようとした時ラベンダーは一瞬手を止めた。

 

 爆音…一瞬光を見せたあとに残っていたビルの窓ガラスが内側から吹き飛び爆炎と砂埃が上がった。

 それは、特殊個体のビーストが現在立っているちょうど真上で爆発が起き。

 その現象はすぐさまラベンダー以外のメンバー。

 リリーを始めレオナ、保護された女性の機械人形が気づき足を止め爆発を目視した。

 

 ビルの上階の爆破により特殊個体にビルの残骸が降り注いで行く。

 

 その中に紛れアリアも落下していた。


 自然落下に体を任せ腰にぶら下げ携帯していた銃を構える。

 

 SG…ショットガンと呼ばれるその銃は散弾銃とも呼ばれ近くの敵、または中距離にいる敵に対し有効で。

 複数の弾丸を大きな円上に分散させ射出し圧倒的な火力を誇る武器だ。

 

 そんな銃を彼女は共に落ちゆくビルの残骸と同じく特殊個体の頭上より構えた。


 「まさか生存機!?

 馬鹿な無謀だ!

 あれじゃあ、かえってローズの邪魔になっちまう!」

 

 アリアは特殊個体に向け銃の引き金を引く。

 

 無理だ…リリーのグレネードランチャーでさえ傷のつかなかった装甲だそれも量産型の機械人形ともなれば。

 そもそも体の機能や装備している武器や装備のグレードが違う。

 その為なおさら不可能に近いと言えるだろう。

 

 だが…ローズの予想は外れた。

 弾け飛んだ散弾が特殊個体の装甲に当たった瞬間、まるでガラスにでもあったたかのようにその部分の装甲が剥がれ落ちたのだ。

 

 「…!?」

 

 ローズは目を見開き思考を始める。

 奴には爆発物に耐性があるだけで弾丸の様な直接的な破壊には弱いのでは無いのだろうかと。

 

 だが…ビルの瓦礫があたったにも関わらず装甲に傷も入らなかった所を見て考えを捨てた。

 

 理屈は不明だが彼女の武器が有効な事は分かる。

 

 特殊個体を観察し有効打を探していると特殊個体がアリアを脅威と捕らえたのか今まで見せなかった俊敏な動きで首を持ち上げ口を大きく開いた。

 

 「気おつけて!!

 レーザーを撃つ気です!!」

 

 アリアはローズの言葉を聞きながらもショットガンのポンプアクションを行い薬莢が空中に排出され次の弾が放たれる。

 その弾丸の弾道は複数の光の線となり特殊個体に降り注いだ。

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