第7話 ビースト
ハンドガンを手に敵の攻撃をぎりぎりで躱しながらなるべく遮蔽物を盾にしながら走る。
先程まで追い詰められていたが何者かが援護射撃を入れてくれたおかげだ。
あれが無ければ今頃はガラクタになっていただろう。
「誰かは知らないけど……」
命の恩人だ、しかし…それでも…。
少し寿命が先に伸びただけかも知れない。
まだ戦闘は継続中でハンドガンの弾も残っていない。
あと私ができる事といえば逃げる事だけだ。
生きる何としてでも……生きたい。
追ってくる敵、それも中でも大きな個体はまるで血に飢えた獣の様に何処までも追ってくる。
姿は地上に生息している豹と呼ばれる動物に類似した外形をしている。
その一撃一撃が巨大な鉄の爪での攻撃であり簡単に自身の外装を引き裂くだろうと簡単に予想がつく。
その恐ろしい顔を振り返り見た時。
その顔は突如、炸裂弾による爆破を受けた。
「何!?」
「前方の大型ビーストに命中!!
生存機無事です!!」
「オーケー!!
良くやったわリリー!」
射撃が入った方面、後ろを振り返るとそこにはビルの影より飛び出したフラワービューティーズの面々が揃いこちらに走って来ていた。
「ボス!!
今の爆発音でここにいる事がばれったっぽいぞ。
せっかく逃げ切ったていうのによ」
「じゃあどうしろって?
私に見捨てろって言うの!?」
その問いにはラベンダーでは無く冷静にローズが答えた。
「ええまぁ、状況が状況ですし。
今更言うのもなんですが…。
はっきり言ってピンチと言うやつ…ですかね。
まぁ…私とラベンダーに銃弾が残っていれば別ですけど」
そんな会話をよそに近づく敵をリリーはグレネードランチャーを手に弾を連射し近づけさせまいと攻撃を続けていた。
その音を聞き敵は更に四方八方から近づいているらしくギギギギ…と彼ら特有の音を響かせ集まりつつある。
「と…とにかく!!
この場から離れるわよ!」
「それには賛成ですけど…
どこに?」
ローズはあたりを見渡す素振りを見せそして最後に現在リリーが相手取っている敵の群れ…得に一番大きな敵を見ていた。
「例え逃げた所でここは囲まれているので今の武器を持たない私達では突破は確実に誰かを失います。
何より今リリーが相手しているビースト……非常に危険です。
私達の中で一番火力を持つリリーの攻撃が外装の装甲破壊さえ、できていません。
どうやら足止めにしかなっていない様です…。
恐らくこのまま離脱をはかればここに集まるビーストに足止めされ、そこにあの大型が乱入してくれば……全員狩られるでしょうね」
リリーが続けている攻撃もいつまで持つか分からない。
「もしかすると……詰みかもしれません」
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