第6話 合流地点
アリアとアレンはランデブーゾーンを離れ荒廃した都市の中をあるき続けていると銃声や爆発音などの戦闘音を聞いた。
「どうやら…まだ生存者がいたみたいですね…隊長どうしますか?」
「助ける…いや…助けたい…」
誰かを助ける? 自分が?
今こうやってアリアにしがみついているのに精一杯なのに?
とっさに口に出た言葉に疑問を覚える…。
だが本心…心は助けたい…そう言っている…。
そんな気がした。
「助けたいですか?」
アリアの問いに頷きその瞳を見る。
そこに困った表情は無くむしろアリアは微笑んでいた。
「お…おかしいよな…こんなタダでさえボロボロの体なのに誰かを助けたいなんて」
「いえ…可笑しくなんかありません。
隊長ならそう言うと思っていましたから」
アリアは嬉しそうに笑いそして前を向くと戦闘音のする方角へと走り始めた。
……
戦闘音のする中心部…。
そこでは一人の女性が決死の覚悟で大小様々な機械の皮膚を持つ敵と戦闘を繰り広げていた。
携帯していた手榴弾や爆薬を全て使いつくし、アサルトライフルで戦い逃げながら敵と対峙していた。
敵を引きつけ、指揮官を逃がす事に成功したが自身が離脱するには難しい状況だ。
これでは今まで壊れていった仲間たちと変わりない。
私達は…一体…なんの為に創り出されそして壊されなければいけないのだろう。
ついには銃の残弾も付き銃からはカチカチと虚しくトリガーの音が鳴るだけ。
「終わった…」
残るは腰に携帯したハンドガンのみ
「こんな事なら自決用に爆薬…残しとけば良かったかな……」
ハンドガンでもそれは可能かもしれないが…大半の機械人形は仲間を撃つことが出来ないようにプログラムされている。
それは自身も同様に。
残された武器を構え彼女は目を見開き目の前の現実を直視した。
…
「おい!ボス!!
もう弾ねぇぞ!!」
フラワービューティーズ部隊。
彼らは機械人形の中でもSSRに分類されそう呼ばれる少数の精鋭部隊だ。
200もいた中隊の中で最上位に位置する。
故に彼らは誰一人欠けることもなく生き残る事ができていた。
それどころか街全体に通信妨害が張り巡らされている中、中央司令本部との通信を成功させ今に至る。
「ラベンダー!
弾が無くなったならリリーと代わって私を運びなさい!!
まだリリーは弾を残してるでしょ!?」
「はい!!
まだ残ってます!!」
「なるほど…了解だボス!
ハハ…あの生意気な小娘が良くこんな図太くて立派な指揮官になったもんだ」
「そう?
まぁ褒め言葉として受け取っておく事にするわ」
「ああ、褒め言葉だ!
きっと社長も喜んでるだろうよ!!」
「じゃあ、行きますよ。
ラベンダーさん!
チェンジ!!」
その言葉と共に指揮官と呼ばれた女性は自身の体格よりも小さい、リリーに宙へとほうり上げられる。
ラベンダーは自身の指揮官を受け止めると肩で担ぎ上げ走る速度を上げた。
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