第5話 絶体絶命

 『ジジジ…なんだと!?

 200にもなる中隊が壊滅した?…

 了解……生存人数は……

 了解……

 …今そちらに救出部隊を送っている……ジジ……ランデブーポイントの座標は……』

 「はい! 

  はい!

 了解です!!

 指揮官様!!

 通信成功しました!!」 

 

 銃撃と爆発音が響き渡る中…。

 フラワービューティーズの一人、機械人形の通信兵であるリリーは、大声で叫び自身の背丈よりも大きい

 通信機器を担ぎ上げ指揮官と呼んだ女性に向かい走り出す。

 

 そしてその動きに答えるかのように現在激しい戦闘を続けていた部隊のメンバーの二人がその場を急ぎ離れた。

 

 「良しゃあ!

 やっと終わったか!

 正直まじで無理かと思ったぜ!

 なあ、ローズ」

 

 ローズと呼ばれた機械人形は話しかけてくるラベンダーを一切一瞥もせず頷くと一言。

 

 「気を抜くな…まだ作戦は終わってはいない…。

 正直ここから離脱できるかが正念場だ」

 「ああ…分かってるよ!!」

 

 二人は阿吽の呼吸で後ろに銃口を向け引き金を引いた。

 

 ………

 

 アレンとアリア、二人は廃墟となったビル群にて他の部隊との合流をはかるためこの廃都市に足を踏み入れていた。

 

 アレンは片腕と片足を欠損している為アリアが背負いここまで運んでいる。

 アリアは女性の見た目をしていながら大人一人…それも男性を運んでいると言うのに息一つ乱してはいない。

 

 それどころかペースを上げ背負うアレンを気遣いながら衝撃を押さえ走ってさえいる。

 

 「隊長…もう少しの辛抱です…。

 もう少し…もう少しで中隊の待つ合流地点の野営地に着きます!

 そこで本部の救出部隊を待ちましょう」

 

 そう話し本部…中央司令部から指定された合流地点、ランデブーポイントに到着した…。

 

 「そんな…これは……」

 

 そこには生産な光景が広がっていた。

 捨てられた機械人形の部品や人体のパーツが散乱した場所だ。

 それらの大半は攻撃する暇も無かったのだろう。

 武器も持つことも無く腰にぶら下げたまま横たわっている。

 そして反撃に出たであろう者達も見るも無残に……。

 

 「アリア? ついたのか…?」

 「いえ…どうやらここでは無かったようです」

 

 その言葉を聞きアレンはアリアの肩から顔を持ち上げ前方を見ようとした。

 だがその時…。

 

 「見ないで下さい!!」

 

 アリアがそう叫びアレンの動きを止めさせた。

 

 「隊長は見ないほうがいいです…。

 早くここから離れましょう…」

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