第17話 新たな出会い
透明なケースの中、液体と共に入れられていものは、人だった。
「オスカー、この人が?」
隣に立つオスカーに一応確認をする。地下の研究施設に来た目的。それは、オスカーが以前言っていた、新たな同行者の
「あぁ、残っていたようだ」
(残っていれば、同行者が増える)そういうことか。
この施設の中で生活していた訳ではなく、ずっと閉じ込められていたから、そんな言い方をしたのか。
「でもこの人・・・」
ケースの中の進人種は、髪は長く、明るいブロンドカラーで、オスカーに比べて華奢な体格をしている。さらに、胸は大きく膨らんでいる、どうやら女性のようだ。
その女性は、肌は白く、ケースの中で、一糸まとわぬ姿で、液体に浸ったまま眠っている。
なんだか、見惚れるほど綺麗だと思った。
「・・・」
「なっ・・なに?」
女性の姿に見惚れていると、隣から視線を感じた。そちらに視線を移すと、黙ったままのオスカーと目が合った。
なぜこちらを見ているのか、その答えを促すと、膝を曲げて俺と目線を合わせてきた。
「僕も、女性の裸を見るのは久しぶりだよ」
そう言って、俺の肩に手を優しく置いた。
コイツなに言ってんだ?
別に、素直に綺麗だと思ったから見てただけだし、やましい気持ちなんて、少しだけしかないし。
目を逸らして、肩に置かれた手を払いのけてから、チラリと女性を見る。大きいなぁ。何がとは言わないけど。
「カプセルから出してあげようか」
このケースはカプセルというらしい。オスカーは、そのカプセルの隣にある装置のボタンを、いくつか操作しながら語りかけてきた。
装置の操作を終えたのか、カプセルに視線を移したまま、その場から距離を取るように、俺の隣まで移動してきた。
カプセルに設置されているランプが点滅すると、中の液体の量が徐々に減っていく。
その様子を、二人で静かに眺めていると疑問が浮かんだ。
どうしてこの人は、こんな所に、一人だけ残されているんだろう。
その疑問について考えている間に、液体は全て除かれて、カプセルの透明な蓋が、ゆっくりと上に向かって開かれた。
「ルカ、布を貸してくれるかい?」
カプセルから、眠ったまま倒れそうになるのを抱きとめて、オスカーがこちらに手を差し出してきた。
以前オスカーから貰った、茶色い布を脱いでそのまま渡すと、
ちょっと名残惜しい気もするけど、すっ裸のままだとねぇ。
眠ったままの女性をカプセルから降ろして、そのまま蓋の空いたカプセルの土台に座らせて様子を見守る。すると、目蓋が微かに動いた後、ゆっかりと開かれた。
「お目覚めだね」
「あなたは?」
「僕はオスカー、君は?」
「私は、アメリア・・・アメリア・ハーヴェイよ」
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