第13話 知りたい事②

 試作型プロトタイプで腹ごしらえをして、再び移動を再開する。地下で育てた作物しか食べたことがないからか、試作型の肉は美味しく感じた。


 「目的地はどんな所なの?」


 今、自分たちが向かう場所。そして、新たな同行者がいるという目的地。


 大勢いたという進人種サクリファイス、その話しをしてから質問を止めてしまったので、目的地については、まだ聞いていなかった。


 「進人種サクリファイスの研究をしていた施設だよ」


 少し驚いたけど、納得もした。


 新たな同行者も、進人種だというならその施設にいるのも納得できる。


 ずっとそこに留まっているのかという疑問があるが、オスカーも「残っていれば」と言っていたから、確信はないのだろう。


 「ここから遠いの?」


 「距離的には、それほどでもないよ。明日にはたどり着けると思う」


 どうやらあと一度、休息をとるくらいで着くらしい。


 「ただ、入口を探すのに時間がかかるかもしれない」


 「入口?」


 施設は地下にあるらしく、人間たちのコロニーのように、試作型に襲われないように、地上から見つかり難い構造になっているらしい。


 進人種の研究施設は複数あって、昔オスカーがいた施設とは、別のものらしい。だから、会ったことがないというのも頷ける。


 会話をしながら移動を続けて、休めそうな場所を見つけたので、そこで休むことにした。


 明日は、ついに進人種の研究施設にたどり着けるはずだ。正確には、施設のある場所に行けるだけで、入口を探すのに時間がかかるらしいので、その日の内に施設に入れるかは分からない。


 それでも、オスカー以外の進人種に会えるかもしれないという好奇心は芽生えてくる。


 ワクワクするという感情もあるけど、他の進人種と会ってみれば、オスカーのことも少しは分かるかもしれない。


 根拠はないけど、地上で活動しているオスカーは、進人種の中でも珍しいと思う。


 試作型には遭遇するけど、他の進人種とは全く会わないからだ。きっと進人種も、人間のように地下で生活しているからだろう。


 (僕がやるべき事)そのために地上で活動している。本人に聞けば解決することだろうけど、なぜか踏み込んではいけない雰囲気がある。


 とにかく、明日には施設を見つけて、他の進人種に会えることを願いながら、眠ることにしようと思う。


 眠る前に、三匹のこぶたの話し聞いてみようかな?

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