第21話 作戦行動開始!
おおまかにジグムトさんが作戦をまとめてくれました。
ジグムトさんは山岳地帯の国境を越えて、隣の国の支持を頼みに行きます。
この山岳地帯の三分の二は隣の国だそうです。
総攻撃をかけた際に、組織が山岳地帯に逃れ、山を隠れ蓑にしてしまう可能性があります。
いざという時に、ザウラク軍が国境を超えて進行出来る様にお願いするそうです。
「そのあと、すぐに戻ってお前たちと合流する。」
反政府軍にジグムトさんが加われば心強いですね。
「お前たちって、俺も数に入ってるの?」
トラネコさんが迷惑そうです。
でも、二人ともうなずいています。
「姫とkeiさんは、私と国道を走って山岳地帯に入り、イーグルのハイランドリゾートへお送りします。」
セレブなハイランドリゾートって、ちょっと楽しみです。
それにしても、ありがちな名前(^_^;)
ジグムトさんが付けたんだと思うのです。
「その後、私は隣国に向かいます。イリア姫様達は川を下り、尾根を渡り、城塞には東側斜面から潜入してください。それが最善かと思います。」
イリーさんがチラリとkeiさんを見ました。
「尾根を気づかれずに徒歩で行くには、岩や石で覆われたガレ場をいくつも通らなければなりません。急がず気をつけて行動してください。」
今度はイリーさん、心配そうにしかっりとkeiさんを見つめています。
オサキさんがいるので、さめは心配していませんが…
「お城までの日程はどのようになりますか?」
イリーさんが身を乗り出して、地図をのぞき込みます。
「ハイランドリゾートには明日の昼頃には着きます。ハイリゾあたりの尾根は急傾斜で登るのは難しいです。カヌーで川を下りながら、登りやすい斜面を探した方が良いでしょう。もしくはゴムボートですが、カヌーの方が断然早いと思います。難所があるのですが、リゾートカヌー体験のコースですから、危険ではないでしょう。」
カヌーと聞いて、イリーさんは不安げです。
「カヌーで1日、尾根を登るのに1日、鞍部を下って1日、3日で城塞付近にたどり着きます。城塞への侵入は4日目になります。」
さめも心配になってきました。
なんてったて、keiさんは高所恐怖症のスペシャリストですから(^^ゞ
しかも時間通りに行動出来ない人です(-。-;
「なんか、イリーとさめっkeiのことを見てる?」
「別にみてませんよ。」と言いながら、イリーさんの心配は拭えません。
オサキさんがついているので、心配の必要は微塵もありません(^o^)v
いや!
組織にバレないように、オサキさんの神使の力は使えませんでした(-。-;
「明日の昼頃にハラリゾにつきますので、明後日の朝まで休息をとってから、川下りを始めてください。」
「そうね、私も投獄されたり、護送されたり、少し疲れたわ。慣れない土地でkeiさんは、もっと疲れているわね。」
イリーさんはジグムトさんの提案に頷いています。
「ハラリゾですか~嫌な感じですねー。」
keiさんの言葉にイリーさんもジグムトさんも?マークです。
ホントにkeiさんには呆れます。
「keiさん!ハラスメントリゾートじゃありませんから!つまらないことを言っていないでください。」
BMG(B級魔法使いギャグ)バレバレです。
「まぁ。。」
まぁ。。じゃありません!
「そうそう、ハイランドリゾートのお客さんはどうなっているんですか?」
ジグムトさんの話とイリーさんの話を総合すると、世界の要人が集まる会員制の高級リゾートです。
トレッキングやサイクリングなどが楽しめるアウトドアフィールドのようです。
オプションではカヌーやパラグライダーをハイランドスクールで楽しめたり、最近では本格的なサバイバルゲームのフィールドもあるそうです。
アウトドアだけではなく、中心には高級なホテルがあるそうです。ショッピングモールもあり、贅を尽くした買い物やレストランなどの設備も充実してるとか。
アクティビティ豊富な高級避暑、秘密の人気のスポットです。
「すでにお客様は隣の国の協力で非難されています。」
「すでに隣の国の協力?」
イリーさんは何かに気づいたようです。
「すで...この事件にザウラクは国をあげて動き始めているんですか?」
「もちろんです。先日、イリア姫を迎えに行った空挺部隊も、そのために待機していたのですから。」
そうです。あのヘリコプター空挺部隊です。
「いかんせん情報が少ないんです。犯罪者集団や反乱軍なら何の躊躇もないのですが、組織の構成員は善良な自国民です。敵でありながら人質です。」
「盗賊の力に期待するのは不本意だけど、成果を上げてもらうしかないのですね。」
「イリアさんもしつこいですね。盗賊じゃありませんから。」
おやっさんだけじゃなく、さめもしつこいと思いました。
「おいランメル、姫だぞ!」
ジグムトさんが、おやっさんさんの態度を諫めました。
「いいんです!イリアで。ランメルさんにもトラネコさんにもお世話になっていますから…。話が本筋からそれてしまってすみません。」
本筋に戻って、イリー班は4日後には組織の城につきます。
ランメルさんがリーダーさんも説得して、正面から攻め入り騒ぎを起こし、ついでに城塞の防備や火力などの戦力を調べるようです。
「リーダの説得を含めて、4~5日で準備できます。」
「私たちは反政府軍が攻撃を始めるのに乗じて、城塞に侵入することになるわね。」
「我々は外で大暴れをして、やつらの目を正面に向けさせておけばよいですね。」
問題はまだまだ山積みです。
「イリア姫、城塞に入ってから国民を解放するのにどのくらいかかると考えていますか?」
まだ、何も解っていないのです。この質問は無理があるでは…
「国民の人たちはkeiさんの言うとおり偶像さを使った洗脳ではなく、何人もの魔法使いの魔術で操られているかもしれません。」
その魔法を解くキーを見つけられるか?
「なんですか、これ?」
あっ!
ジグムトさんがびっくりした顔で、イリーさんに答えを求めています。
「おおっ驚いただろ!Bluetoothで動いてるんだよ。」
答えたのはおやっさんです。
「wikiともリンクしていて賢い!」
それでもジグムトさんは、さめのことを異様なものを見る目つきです。
「どうなってんの?おまえのもの?」
ランメルさんはさめを手の上に載せました。
「あのさ~、お前ってパソコンを見て、"これどうなってんの?*って質問するか?」
この説明でジグムトさんは納得している様子です。
「keiさんのものだよ。通快真というマスコットでマンゴーが好物らしい、次に会う時は用意しておいてくれ!」
まったく間違っていますが、もうイイです。
結局、理解してないじゃないですか!
あっイリーさんがクスクス笑ってる(-。-;
「生きてるみたいだぞ?」
まだまだ、不思議そうに見ています。
「偶像を見つけて壊せばいいという単純なことではありません。一人から二人、100人1000人と暗示や魔法を伝搬させた鍵があるはずなんです。それを見つけなければなりません。」
「ホントだ、賢い!wikiとリンクしてるんだ~。」
驚きを隠せないようですがwikiとリンクしてしてません。
ていうか、公衆WiFiがムンベ村にあるんですか?
「偶像は神様だろうと思います。信仰心のエッセンスで操って、どんどんと伝搬させているんです。象徴的なネックレスも伝搬に寄与しているのでしょう。」
「信仰心のエッセンス!んーー。」
腕を組んで聞いていたジグムトさんが、大きく深く頷いています。
わりと暗示にかかりやすそうな人かもしれません。
「国民の人たちを解放する方法は、中に入ってから考えるしかありません。2m3日で解放出来れば良いのですが…。」
「さめ君!調べられるだけ調べて、解決を急がない方がいいかもしれないわね。」
お父さんが困った状態なのに、イリーさんは賢明です。
「国王にかけられている魔法の情報も見つかると良いのですね。」
ジグムトさんは困った様子で頭を振りました。
「さて、作戦開始だな。おれとランメルがおとりになって、そのすきにkeiさん達は国道へ向かうんだな。」
その場で寝転がっていたトラネコさんが起き上がりました。
「トラネコ、細工はしてある。トラック2台以外の車両はパンクをしている。オイル類が抜いたジープもまともに走らない。2台のトラックは冷却水を抜いてあるから、すぐに動けなくなる。」
さすがジグムトさんです、細工は流々仕上げを御覧じろです!
「あともう2~3発、花火をあげておきたいので、イリア姫とkeiさんは...」
ジグムトさんが視線でkeiさんを探しています。
あらっ、いません?
「ねぇ、この上に公園あるよー。ブランコに滑り台に雲梯がありました。ラクダのベンチもあるんだよ!」
ほんと落ち着きのない人です。でも、近くにいて良かった!
「まだ、ラクダのベンチなんてありましたか。keiさんその公園の奥の道を進んでください。」
「らじゃー!」
なにがラジャーだか(^^ゞ
「その道をまっすぐ進むと上り坂になります。とちゅう、右へ降りる道がありますから、そこを下っていてください。下り道まで小走りで2分くらいです。」
ジグムトさんは向き直りイリーさんに説明しています。
「下り道の行き止まりはT字路です。それが国道です。あとは山の方に向かってゆっくり歩いていてください。」
イリーさんはうんうんと2度頷いています。
「自警団は北の入り口付近に集めておきますが、いちおう残っている兵士に注意してください。」
いよいよ作戦開始です!
「気をつけてな!」
トラネコさんがkeiさんの肩をたたきます。
「姫もさめもな!おねえさんも(ウインク)」
笑顔でイリーさんは頷きました。
さめはヒレグッド!
おさきさんは笑ってます。
「私が最初の花火をあげたら、行動を開始してください!」
おーっ!
ひゅるひゅるひゅる~
ドッカーン!
ぱちぱちぱちぱち...
あれっ本当の花火じゃ無いの( °o°)
「たっまやー!さて、行きますよ。」
イリーは立ち上がるとkeiの手を引いて歩き出しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます